こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『隠居すごろく』西條奈加

2024-02-12 20:02:09 | 読書感想
 
六代続く糸問屋の主、徳兵衛は三十三年仕事一筋で生きてきたが、ここらで隠居をして数寄者として気ままに生きるつもりだった。
しかしやってみると今まですべての遊びを断ってきたつけが回ってきたというのか、今さら仲間に入れてくれというのも難しく、風流にもとんと疎い。
そのため何をするでもなく退屈な毎日にうんざりしかけていたところに、孫の千代太がやって来て状況は一変、日々が一騒動の生活が始まってしまう。

YouTubeで女優の宮崎美子さんが紹介なさっていた一冊です。
堅物で真面目一辺倒だった男が、孫が持ち込む厄介事に対処しているうちに少しずつ考え方も柔軟になり、新たな生きがいをも見出すようになります。
また結末で、千代太がしみじみと物語を締めてくれるところも味わい深くて良かったです。
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『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 巡る季節のミネストローネ』友井羊

2024-02-06 20:05:34 | 読書感想
 
今回、ようやく理恵がスープ屋しずくのシェフの麻野に告白し「待ってほしい」との返事をもらうところから物語が始まります。

それから春に理恵が麻野や露などと一緒に山菜採りに誘われ、向かった麻野の恩人にまつわる謎があったり、夏は理恵が友人たちと遊びに行った沖縄で出会った不可思議、秋には露の友人が巻き込まれたトラブル、冬になると麻野の亡き妻に関する不名誉な噂と、今回も様々な謎を麻野が解き明かしていきます。

この4つの謎の中で、私にとっては春の謎がとても解りやすかったです。
趣味までは行きませんが、あるジャンルについて興味をもって調べたので早い内に遺産がどれなのか分かりました。

その分かりやすさは、それぞれの人物の特性、興味の範囲や日常生活、場合によると体質も関係してくるかもしれず、これが分かる私がすごいとかいうのではなく、例えば秋や冬の謎は、私には皆目見当もつかなかったけど、人によっては「一目瞭然じゃない?」かもしれません。
そういう意味では全てが分かる麻野は、博学だと思いました。

面白かったです。
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コミックス『バーナード嬢曰く。(7)』施川ユウキ

2024-02-02 20:13:08 | アニメ・コミック・ゲーム
 
今回も高校図書館にあるまる本好き生徒たちの戯れが面白く読めました。

特に表紙の町田のコメントに至るまでとその後や、裏表紙の神林の熱い感想とか、寺山修司のいくつかの意見を一蹴した遠藤とか、とっても楽しかったです。

私の中にも、町田、神林、遠藤、長谷川の四人の要素が少しずつ入っているので、共感しまくりなんですよねえ(^_^)
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