こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『ドクターぶたぶた』矢崎存美

2016-07-18 19:28:09 | 読書感想
今回のぶたぶたさんは、待ちに待った人間のお医者さんです。

手術の腕も立つ実に有能な、人格(?)的にも素晴らしいお医者さんなのですが、ぬいぐるみなりの悩みも持っていらっしゃるようで・・・。

なるほど!内視鏡手術なら、血が付いたぶたぶたさんを想像しなくてすみますものね。

いや、そうじゃなくて、いくら有能でも外見にとらわれてしまうことがありますし、それがぬいぐるみならば、なおのことでしょう。
ただ、それではいけないということを、極端な例で教えてくださるのが、ぶたぶたさんのシリーズの一面でもあるのかもしれません。
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『めぐり逢ふまで 蔵前片想い小町日記』浮穴みみ

2016-07-17 19:35:09 | 読書感想
おまきが幼い頃、かどわかしにあいかけたところを助けてくれた侍がいた。
おまきは、その侍が涙をぬぐってくれた手拭いと「赤がとてもよく似合う」と言ってくれたのを記憶の頼みに、慕い続けていた。

年頃になると、蔵前小町とも言われるおまきの元に、心が動かなくとも縁談がやってきた。
ただ、人の良さそうなところに好感は持ったので、縁組を調え結納という間際、その許婚が急死した。
それが二度も続くと、 蔵前小町は祟られているという噂が立ち、いつの間にか23歳という立派な嫁ぎ遅れとなってしまった。

慕う侍を光る君とも呼ぶ、おまきですが、じつに凛々しい面もあります。
その後も淡い恋心を持つ人が現れるのですが、大抵が想い人のいる人で 、それを相手に伝えることができずに、あきらめかけていたりします。
それにハッパをかける のがおまきで、本当に男前です。
痩せの大食いとはいえ、失恋するたびに饅頭を10~20個は食べてしまうところも可愛らしい(?)ですよね?ねっ?

さて、おまきの恋は成就するのか?読んでみてのお楽しみですが、その後も一波乱ありそうな気がします。
続きがあって欲しいような、ない方がいいような(苦笑)。
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『妖怪の子預かります』廣嶋玲子

2016-07-16 19:28:04 | 読書感想
按摩の青年・千弥の養い子・弥助は、十二歳。

ある日、悪夢を見た弥助が、夢を思い出させるような色と形の石を 割ってしまったことで、妖怪奉行所に連れて行かれた。
実は、その石は妖怪うぶめの住まいだったのだ。
罰として、うぶめの代わりにあらゆる妖怪の子を預かることとなった。

定番以外の妖怪も、なかなかバラエティに富んでいて、それぞれの親子が元で騒動になるところが面白く読めます。
ラストには、弥助が千弥の養い子になった発端が明らかにされますが、彼が千弥以外の者に口を利かない理由など、思いがけない展開となりました。
続きも考えていらっしゃるとのことで、楽しみにしています。
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『わが愛しき娘たちよ』コニー・ウィリス

2016-07-15 19:39:28 | 読書感想
コニー・ウィリスさんの第一短編集で、後に日本では『空襲警報』と改題された『見張り』や、『クリアリー家からの手紙』が入っています。

中でも表題作は、当時、物議をかもしただけあって、衝撃的な内容でした。
他には、ホラー要素のある『埋葬式』
割とリアルな「ねむり姫」になっている『花嫁の父』
記憶の一部を失くしているデイジーの本当の現状を描いた『デイジー、日だまりの中で』
とても間抜けな主人公に呆れた『通販クローン』
「猿の惑星」的結末を予想していたら、肩透かしを食らった『サマリア人』
スカッとした結末の『月がとっても青いから』
が、特に印象に残り、とても楽しめました。

1992年の本ですので、古本屋でお探しください。
私は、図書館で借りて読みました。
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『アリスの国の殺人』辻真先

2016-07-10 19:42:01 | 読書感想
児童書出版で一流の幻想館につとめる綿畑克二は、夢の中で『ふしぎの国のアリス』のアリスと結婚式をしていた。

一方、現実では文英社から引き抜かれた明野を編集長とするコミック雑誌『コミカ』編集部に移され、うんざりしていた。

しかし、夢の中では姿が消えたままのチェシャ猫が殺され、克二が一番の被疑者となり、現実では、明野が殺されたものの犯人が皆目見当もつかない状況となった。

果たして、二つの殺人事件の犯人とその結末は?

犯人は分かったものの、この結末は、あまりにも切なくて、いたたまれなくなりました。

古い作品になるのかもしれませんが、続編の『残照』が東京創元社から出ていますので、ぜひ、お読みになって下さい。
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