こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

まぼろし綺譚

2005-12-13 00:00:00 | 未分類
たまには、日頃手を出さない作家さんの著作を読もうと思い、今日泊 亜蘭(きょうどまり あらん)さん
『まぼろし綺譚』を、図書館で借りてきました。

I 怪異?推理?
「夜走曲」は、裕福な二人の男が霧の山道を自動車でドライブしているなかで起きた出来事です。
短めのミステリかな?

「くすり指」は、戦後、アメリカ兵に捨てられた日本人女性にまつわる物語です。
話は、アメリカ人の憲兵伍長が1950年に起きたある米兵の日本人殺人事件の調査に来たことから始まります。
真相はどうなのか?ゾッとするラストでした。

「死を蒔く男」は、帝都に行方不明者が激増していることで、警察が捜査を始めたことから、
不思議な出来事の真相に迫っていきます。マッドサイエンティストものでしょうか?
この3作品の中では、「死を蒔く男」が一番好きですね。

II SCIENCE・FICTION
「東京湾地下街」これは、宇宙船が遭難し360年宇宙を漂っていたところを、24世紀人によって発見されます。
ただ1人冷凍状態で発見された主人公は、2358年の東京に蘇生します。
機能的で合理的であり、人間はハッキリ知能と適正によって分類され、それに準じて活動した。
名はなくなり、人々は番号で呼ばれて、それによって差別されていました。
主人公が、人工児の丁26742の両親探しにつきあうことから、話が急展開します。
ヒーロー物でしょうか?

「見張りは終わった」これは、破滅的な内容ですね。月が地球に常に同じ面を向けているのはなぜか?という物語です。

あと「確率空中戦」「みどりの星」「御国の四方を」があります。

III 幻想と浪漫と
「河太郎帰化」いたずらをして、殺されそうになったところを助けられた河童の河太郎は、
恩返しをしようとしたが、河童の世界と人間の世界の時の流れの違いを忘れていて、
助けてくれた善右衛門さんの死後にやってきてしまいました。
それでもご恩はご恩。子孫に恩返しをしようとするのですが・・・。
少し切ない物語です。

「瀧川鐘音無」近所の男の子たちと遊ぶときは、女装ばかりさせられる小さい皓二。
ある日、ガキ大将の追われて逃げ惑っているうちに、御殿と思われるような邸の女主人に出会います。
この小母さんは、皓二を見知っている様子。でも、皓二は見覚えがありません。
それでも、この邸の少女いをと、夕方まで楽しく遊んで帰ります。
この親子は誰なのか?子供の幼い過ちで、この2人には2度と会えなくなってしまいました。
幻想的で、切ない物語でした。

あとは「新版黄鳥墳」「玉手箱のなかみ」になります。

私としては読みにくい本で、読むのに3日かかってしまいましたが、読み終えてみると、かなり面白いものでした。
またいつか、今日泊さんの本を読んでみたいと思っています。

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