海砂真史は、頭が切れても変わり者の幼なじみ、鳥飼歩に幼稚園以来会っていなかったが、中学生になってから久しぶりに再会してみると、ほとんど学校に行っていないという状態だった。
彼によると、中学校で学ぶ事は無いらしい。
そんなある日、真史の許に届いた差出人不明のラブレターが届き、不審に思った彼女は歩に相談に行ったのだが。
2018年の作品を、今頃読んで紹介するのに意味があるのかは分かりませんが、面白かったです。
鮎川哲也賞受賞作なので長編かと思いきや、四編から成る連作短編でした。
その中で私にとって一番印象に残る作品は、第二話。
才能があっても一家族に才能が二つあった場合、どうしても優秀な方だけが優先されてしまうという悲しい状況に、胸が痛くなりました。
それは両親がそうしたというよりも、一般的な家庭には二つもピアノを置いて防音までできないという事情もありそうですし、何より才能のある彼自身が選んだことでもあって、小説の登場人物に過ぎないのですが、やりきれない気分にもなりました。
もちろんミステリとしてとても面白く、他の三編も楽しく興味深く読めました。
彼によると、中学校で学ぶ事は無いらしい。
そんなある日、真史の許に届いた差出人不明のラブレターが届き、不審に思った彼女は歩に相談に行ったのだが。
2018年の作品を、今頃読んで紹介するのに意味があるのかは分かりませんが、面白かったです。
鮎川哲也賞受賞作なので長編かと思いきや、四編から成る連作短編でした。
その中で私にとって一番印象に残る作品は、第二話。
才能があっても一家族に才能が二つあった場合、どうしても優秀な方だけが優先されてしまうという悲しい状況に、胸が痛くなりました。
それは両親がそうしたというよりも、一般的な家庭には二つもピアノを置いて防音までできないという事情もありそうですし、何より才能のある彼自身が選んだことでもあって、小説の登場人物に過ぎないのですが、やりきれない気分にもなりました。
もちろんミステリとしてとても面白く、他の三編も楽しく興味深く読めました。