こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『コンクールシェフ!』五十嵐貴久

2023-02-04 20:41:34 | 読書感想
 
料理人歴十年未満というのがエントリー資格だという「ヤング・ブラッド・グランプリ」
2022年11月3日に開催される第十回で決勝に残ったのは6名。

川縁令名 (フレンチ)
邸浩然  (中華)
里中海  (ポルトガル料理)
和田拓実 (フレンチ)
山科一人 (和食)
浅倉薫  (イタリアン)

まず令名は、90年代に一世を風靡したスターシェフ、川縁辰雄の娘であり、父親がオーナーシェフを務める『ラ・フルール・ギンザ』のスーシェフである。
天才の伝説もありつつも、29歳の若さでの今の立場に彼女を悪く言う者も少なくない。

邸は中学卒業から中華料理店での修業を始めた事もあって24歳の若さであり、今は広島の『宝殿楼』で働いてはいるが、頑固で誰のいう事も聞かず、店を転々としているという。

海は27歳。母親の店である長崎のポルトガル料理店で働いており、母方の祖父がポルトガル人でもある。

拓実は31歳の若さで『ヴィヴィアン・ココット』の料理長を務めている経歴と、ルックスがよくスター性もあることから多くのマスコミ媒体でたびたび取り上げられており、ミシュランガイド東京で二つ星を獲った注目株でもある。

山科は、元々家電量販店で務めていたが40歳で一念発起し、修業が厳しいという京都の『あじ京』に弟子入りしたという異色株で、若手とは言えないが料理歴4年なのでエントリー資格を持っている。

最後の薫は26歳であり、料理について一切妥協を許さないという伝説のイタリアンシェフ、滝沢修次がオーナーシェフを務める宮城の『イル・ガイン』で4年働いているという。

それぞれに、かなり個性的で癖のある若手料理人が、ゆくゆくは世界を目指して競い合うというこの物語。
とても面白く、料理についての様々な知識も勉強になり、素人の料理の参考になりそうな部分もあって楽しく、大好きな物語ではあるのですが、どうしても恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』のメンバーと似た面があるので比較してしまうところがもったいないなと思ってしまいます。
恩田さんのは音楽コンクールなのですが、個性が似ているんですよねえ。
仕方ない面もありますけど。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする