こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『鍋奉行犯科帳 風雲大坂城』田中啓文

2018-01-23 19:45:05 | 読書感想
大坂城に現将軍徳川家斉のご上洛が決まったとの書状が届いた。
大坂城代青山下野守忠裕は、大坂定番、大坂町奉行、大坂目付らを呼び、特に大邉久右衛門には念を入れて上様の献立の支度を考えて欲しいとの話があった。
そこへ横槍を入れたのが、東町奉行水野忠通。
どちらが食通かを言い争ったあげく、どちらがより美味いものを出せるのかを争う事となった。

悪だくみのついては、水野に軍配が上がりましたが、運は久右衛門の味方をしたようですね。
この物語では大坂が舞台ではありますが、世の中、高級さに関係なく美味しい物はたくさんあります。
相変わらず久右衛門の食べっぷりも見事なものではありますが。

食べっぷりと言えば、後半の話での偽久右衛門も大したものでした。
こちらでも話の展開がユニークで物騒でありますし、この頭領は、もしかして今の中二病?とも感じました。
また、勇太郎と小糸についても、二人の関係がどうなるのかを、やきもきしながら読めて楽しかったです。

あ、そうそう。小林泰三さんの解説も面白くて必見ですよ~。
コメント
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