ビヨンド・エジソン―12人の博士が見つめる未来 価格:¥ 1,575(税込) 発売日:2009-09 |
本書に登場する12人の博士は、いずれも今世紀の科学を支える重要な研究、あるいは、
これからますます重要になる新しい研究を行っている人々である。
最相さんは、そんな彼らの業績やその科学的意義はもちろんのこと、
なぜ彼らが科学者になったのか、彼が他の誰とも似ていないのはなぜなのか、
また、科学的にものを考えるとはどういうことなのか、彼らの研究を通じて、
そんなことも考えてみたかったと言う。
12人の博士の研究は、それは様々で、アフリカ睡眠病の治療薬を日本から届けることを目指し、研究開発に勤しむ寄生虫学者の北潔、1968年に日本で発見されたフタバスズキリュウの化石が、首長竜エラスモサウルス類の新属新種であることを同定した古生物学者の佐藤たまきなど、ウイルスから宇宙までバラエティに富み、読みながらワクワクさせられた。
それと同時に、博士号を取得しても定職に就けなかったり、女性研究者のキャリアが十全に評価されない雇用の実態もあり、必ずしも憧れの職業ではなくなっている現状も知らされた。
とは言え、ここに登場した12人は、それを乗り越え素晴らしい研究をされている方々であり、その過程には感動させられた。
個人的には、言葉の不思議を研究する峯松信明の研究に一番興味をひかれた。
もちろん、人それぞれ違う研究に興味をひかれていくと思うので、その時は、
本書に書かれた参考文献など読んでみるのも面白いかもしれない。