人には見えていない世界がある…
そう書くと、夏場の怪談話のように聞こえてしまいますが、そうではありません。
ここで言う「見えてない世界」とは、
「まだ経験したことのない世界」そんな世界のことです。
高校受験を控えている生徒の皆さんは、
今回が初めての受験という人がほとんどです。
もしかしたら中学受験を経験したという人もいるかもしれませんが、
そういう人は当塾には稀で、
ほとんどすべての生徒さんが初めての受験、
そういう環境にあります。
だからこその見逃しもあります。
初めてだからこそ「見えてない世界」があります。
本人たちもイメージ力をフルに回転させて、
来たるべき試験がどんなものかを想像していると思いますが、
やはりどうしても経験したことがないことが故に、
その想像にも限界があるように思います。

周りの大人たちは、受験の経験があります。
だからこそ、その経験から分かることを伝えていくのですが、
経験があるものと無いものの経験の差からくる乖離、
ここがお互いを分かりあえなくしている、そのように思います。
分からない世界を分かったふりをして何もしないのはダメですが、
わからない世界について真剣に考え、自分なりに真剣に取り組んでいても、
経験者から見るとまだイマイチということもあります。
そのギャップが、ときどき対立の火種になったりする、そのようにも思います。
究極的には、人は経験してみないと分からなことがたくさんあります。
受験もまたそのひとつなのだと思います。
ただ経験したときにはすでに結果も出てしまうものなので、
未経験の皆さんに経験者としてどう"受験の本質"を伝えていくのか、
そこが私たち大人の責務なのかなとも思います。

受験が近くなり受験勉強が進むに連れて、
だんだんと受験の本質が見えてきた生徒さんも多くいるように思います。
そういった今にこそ、伝えられることもあるかと思います。
初めて受験をする生徒さんたちのイメージの補完、
私としてはそれをしっかりとしていくこと、
それもまた塾の、そして大人たちの大切な役割かなと思います。