受験勉強を始めた生徒さんからよく聞かれる質問に、「一番いい問題集ってなんですか?」というのがあります。
さて、皆さんはどんな問題集がいい問題集だと思いますか?
受験勉強を始めた皆さんが一番最初に知らなくてはならないこと、それは「ゴール」です。
どこがゴールなのか、ゴールにたどり着くにはどんな方向にどれだけ進めばいいのか、それを間違えるとゴールにたどり着けません。
地図を見ないで、適当な方向に適当なだけ進んで、ゴールになんてたどり着けないですよね。
それと同じで、志望校が決まってきたり、自分をこのレベルまで伸ばしたいという目標が決まったら、そこに至るにはどの方向にどれだけ進めばよいのかを掴むこと、それが受験勉強で初めにすべきことだと思います。
では、どの方向にどれだけ進めばよいのかはどのようにしたらわかるか。
それはゴールがどんなものかが分かれば、自ずとわかってきます。
今のみなさんにとってのゴールは高校受験ですから、高校受験で出題される内容がわかるものが最良の問題集ということになります。
ということも踏まえて考えれば、「過去問集」こそ最良の問題集ということになります。この1冊で目指すべきゴールがすべてわかるからです。
でも、こう言うと必ず
「まだ過去問は習ってないところがあるので解けません」
「まだ難しすぎて解けません」
などの声を聞きます。
確かに今の段階ではまだまだ難しいと思います。
でも今はまだ解かなくていいんです。
ただ勉強をするときに傍らに置いておいて欲しいんです。
傍らに置いた過去問集を時々開いて見ることで、今の自分の学力とゴールである過去問との差を意識してほしいのです。
でもこの作業、最初は辛いと思いますよ、多分。
入試問題はやはり難しいですからね。
問題を見ただけで最初はクラクラしてしまうかもしれません。
でも、そうやって現実のゴールを知ることで、自分がどんな方向にどれだけ学習が必要かをナビゲートしてくれることもまた確かだと思います。
受験勉強で一番怖いのは、そういったゴールを知らずに自己満足で勉強してしまうことです。
本人は一生懸命やったつもりでも、過去問を見てがいないがゆえに、出ないことばかり勉強してしまったり、希望の高校に受かるレベルにまで達していなかったり、なんてことが起こる可能性があります。
だからこそ、今は解けなくてもいいし、まだやらなくてもいい、でも過去問を見て、自分にはあとどんな勉強が必要なのかを知ること、それだけは今からやってほしいと思っています。
ゴールから逆算して物事を考えていくこと、それが確実にゴールするために必要なことだと思います。
もしまだ過去問を見たことがなかったら、本屋さんに行って購入しておきましょう。解かなくてもいいので、とりあえず見るだけ見てみましょう。気づくことがきっとあるはずです。
その気づいた一つ一つのこと、それがみなさんが克服すべきことを表しているということになります。それを夏の時点で知ることができただけでも、十分に尊いことだと思います。
当塾ではその観点から、夏休みから入試問題を始めていきます。
でも、みんな苦戦していますよ。
中間・期末のようにはいきませんから。
でも、今からこれがゴールなんだということを意識してきちんと取り組むこと、それこそが大事なことなんだろうと思います。
夏休みに知っておいて欲しい3つのことの3つ目、それは「ゴールを知ること」でした。