鉄道模型工作記録帳

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自連型カップラーの諸実験

2010-03-12 02:47:00 | 模型工作雑ネタ日誌

えーっと。

トミックスの級がt客車が本格的にリリースされ。そのTN連結器として客車に初応用?された新型構造の「自連型TNカプラー」を若旦那提供の元いじってみました。


ちょっとドア深さが浅いのがいろいろ物議を醸しているトミックスの客車ですが・・・。


ドア以外は素敵だけに本当に惜しい(関係で若干幅広な妻面も惜しい)


最近再生産された自連型TNカプラーです。


このような形です。


確かに密自連のものよりナックルが、やや大きめにモールドされております。

では本物はどういうシルエットか?

こういう感じ。

良く出来ていますね~
引っ掛け爪が無ければ(それが無ければTNじゃないけど)、ほぼ完璧なシルエットです。

結局TNはナックルで連結を完了せずに、爪で噛ませる方式のため、自連は成立しないようになっているところ、ここまでスタイルを持ってきたというのは流石です。


上側


下側

復元力が弦巻バネの引っ張りに変更されており、いくらか引張力が真芯になったことで長大な付随車牽引に対応が出来るようになったための客車採用ということらしいです。

従来のものはどうしても、首振り優先のため引っ張ると左右のどちらかに車体を振る力が働いたため、牽引というのは大変苦手としていたボディマウントTNですから、大きな進歩といえます。

動き的にはフライッシュマンの伸縮カプラーに幾分近い気がします。

一方、20年の歴史となった「非アーノルド化の切り込み隊長」の

KATO-N
アーノルドが「Nゲージの基礎規格」から外れた際に勢い良く日本のNゲージ界に君臨し、使わないものは居ないのではないかというくらいの権勢を持ちましたが、近年は密連タイプなどの登場、さまざまなシーンで使い分ける志向が高まり、以前のような絶対的地位からは一線を退いたと思われますが、いまだ支持率の高いカプラーです。

同じナックルタイプだけに、このTNとKATO-Nが仲良く連結できれば、ファンに取ってこれほど苦難する必要がなかったのですが、残念ながら日本型カプラーとしては統一されず、戦国時代に入ってしまいました。
後発のTNがKATO-Nとの相乗りを拒絶するがように独自規格を進んだからですね。

ところが、TNがKATO-Nのように「他社車両利用へ」隠れた爪を持つ構造であれば、おそらくKATO-Nはかなりの割合で敗北を喫し、TNに天下統一されたんでしょうが、ポケット収納タイプのTNの根元はKATOには応用が利き難い小さな根元であり、GMではもう遊び放題で実用にはならない小さな根元だっただけに、
ファンの右往左往は始まってしまったわけです。

割と汎用規格をも視野に入れるKATOと唯我独尊のトミックスの傾向はこのカプラー初期戦争のときでは顕著でした。

HO初期にはいきなりまさかの日光台車を外注採用、KDカプラーを標準採用するなど、決してその姿勢は一定ではありませんが、ことNゲージカプラーについては困ったことになって久しいわけです。

現在も基本的に両社は歩み寄ることは無く、20年近い冷戦状態は続いております。

KATOがいきなりほぼダミーでエンドウナックルに近似でありながら従来のKATO-Nすら拒絶するキハ80用カプラーを途中で発表してほぼ挫折するなどのぶれはありましたが、冷戦は今もしたたかに続いております。

この強情な?両社、何とかならんのでしょうか?


普通に連結を強引にするとこのようにTNの補綴爪がKATO-Nのナックリングを邪魔して弱くしかもねじれて噛むのですよね。


TNは広がったまま。
KATO-Nは噛み切れないままの状態となります。

ええい!それぞれの若社長殿、なんとかファンのために動いてくれよ!
と言っても今のところその動き無し。

困ったファンとしては自連型TNに限らずこのような緊急避難手段を考案します。

0.8mmドリルで


この爪のあたる部分のKATO-Nの横っ腹に


貫通しないかするかの手前までザクるという強硬手段です。
強度がものすごく心配なのですが、仕方がありません。

0.8でザクッたあと、1.0mmで軽くグリると良い感じになります。


はい。
なんとか噛んでくれます。
TNはまだ若干開き気味ですが、前よりマシ。

ほんの若干引張ラインは弧を描くんですが、まー騙せるかもしれない範囲です。


TNの若干開いたその復元力で、KATO-Nを抱き込んだイメージです。
KATO-NのナックルヘッドをTNが左右からそっと抱き締める感じであり、KATO-Nの強い牽引に対する耐性まではありませんが、そこそこの耐性を持つことになります。
連結特性についてはTNに近くなっています。

さて、KATOもKATO-Nが出てから長くなったので、もうちょっとリアルにしようと模索したようで、水子となったキハ80用ナックルは捨て、


かもめナックルを発表しました。

特急かもめセットに入れたから「かもめナックル」
うーん。
標準化するようなネーミングじゃないのが気になります。


基本はKATO-Nと混成可能な性能を最大限通用させ、形は自連に極めて近いこの「かもめナックル」ですが、大きくはナックルヘッドを小さくしたものです。

右側にぶ格好な台形の突起がありますが、これは相手を受け止めるためのもので、無いと簡単に解放するようになるので取り去ることはアカンのです。
「ナックルを開く」スタイルが故に必要な余剰形状です。

ま、開く構造じゃないと、まんまエンドウナックルですよね。


さて。
これはそうなるのかな・・・?


あ・・・・。
絶望的だ。
嵌りますが、噛みません。
一切噛みません。


ほれ。
するっと抜けるんですわ・・・。
穴もあけられない。

一瞬噛む様に見えても、一切噛みません。

「今度はかもめナックルに噛み込む爪があればなぁぁぁぁぁぁ」

もうね、この両社の喧嘩。
どうにかならんもんでしょうか。

そら、独自技術でのアレコレは必要ですよ?
しかし、今の鉄道模型業界、20年前とちゃうんですよ。
わしら「ファン層最大人口」の団塊Jrもそろそろ老眼ですよ?
カプラー売りで多くの需要を持っていた時代は確実に終わっていきますよ?

噛みこみのTOMY考えと冗長性のKATO、それは選べるようにできながらせめて双方簡易互換位してくれ~

覇道を行くのはかまいませんけど、もう覇する被民はどんどん減っていっているのは流石に判っているでしょう?
なんとかしぃーやぁ!

カプラーという「おいしいインフラ」はどうにもならんのかねぇ・・・。( ´Д`)


あ、ちなみに初代KATO-N穴あけと自連型TNです。
シャンクのアレはありますが連結できますね。



アーノルド社はある意味凄く偉大だったと言うことでしょうか?

マイクロが両者を結ぶ連結器の開発をしましたが、これもシャンクが長すぎて実用にならず。
溜息。



   ↑外圧がないといつまでもグジュグジュ分裂しっぱなしのわが日本。