またも素晴らしい作品を拝見させて頂けました。
札幌市電200型のフルスクラッチモデル・・・
さて、札幌市200型のちょっと解説が必要かもしれません。
昭和32年、ナニワ工機に発注した320型電車を
北海道で類似した生産ができないかという発想のもと
二軸単車の市内電車の台枠を2個つなぎしてボディをかぶせたらどうか?
というカナリ凄い手順で、北海道の鉄工所やボディ製造会社などをジョイント・ベンチャーして作らせたものが
この200型です。
実に凄いことなのですが、
320型が昭和32年5月に落成した 「同年12月に200型第一号落成」、 その後翌年までに8台も改造新製したというのですから、その速度たるや1年戦争のジオン軍・ザクやゲルググの製造開発スケジュール並みです。
半年でコピーして完成させています。
普通にカナリ無理ゲーです。
「320型以前に似たものがあったんだろう?」という考えも浮かびますが、
この直前の形式は
この580型。(昭和31年製)
側面こそ似ていますが、よく各部を見ると320型をベースにしないと合致しない部分が多いのです。
普通に考えて、とんでもないバイタリティで「コピーした」事がわかります。
北海道の、車両製造経験が乏しい会社を集め、幹事こそ経験がある泰和車両でしたが、大型市電を半年で作り上げたのですから凄いもんです。
但し、簡素化はされておりまして、台枠を繋げたまではなんとかなったものの、先頭部は折り曲げにて終らせたため、なんともブサイクな前面スタイルとなりました。
ここが問題の簡素化部分。
320型がドアから折れ始めて2段折れ絞りしているのに対し、200型では絞りは一気に折ったため、ドアから前だけで急角度です。
元の台枠をあまり弄りたくなかった事情がわかります。
ドア前までは単車の真っ直なフレームを使いたかったのでありましょう。
前面は頼りない緩曲線であり、更に前ドアは見ての通り、折戸です。
後にも先にもここは二枚引き戸になっていたので、簡素化したこと&実用に不十分であったことが解ります
雪が詰まって開閉に不自由したそうです。
台車も580型のものを工夫して簡素化した「道産台車」というもので、これは評価が高かったらしく、現在も使用されており、更に道産台車をそのままコピーした台車「枠」を川崎重工に発注し、パーツを移植してKW-181と命名して平成15年から21年まで、現有車両の更新に使われています。
200型は2軸単車の制御器やビューゲルもそのまま用いた中古パーツの電車の塊であり、作りはあんまり宜しくなかった所為か昭和46年にすべて退役しました。
14年の車歴でした。
翌年、更に330型を製造した時にもそのコピー電車は作られ続け、その電車はいまも210型などとして現用60歳に迫らんとするくらい活躍して札幌を走り回っております。
突貫製造も凄いものです。
と、そのメイドイン北海道電車200型をフルスクラッチしているのですから、本当に凄いことで・・・。
うちのお店で購入いただいた?真鍮板から切り出して、
Hゴム部分の張り込み真鍮もご指定いただいた帯巾にカットして納品させていただいたものを綺麗にカット&繰り抜いたのが側面Hゴムのようです。
すごすぎるんですけど・・・・。
この芋臭い先頭部を見事に再現しております・・・・
すごすぎです。
見事ですよね・・・。
おでこは5mmの真鍮ブロックを削りだしたんですって!!!!!!!
ものすごい労作です・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
惚れ惚れしますね・・・。
200型にしか見えません。
ぱっと見、靴づりがフジモデル製のひょっとして当店でお買い上げくださったパーツかなぁ・・・ってところくらいしか、既成品がないんです。
ものすごい作品を拝見させていただきました。
ありがとうございます。