ナイフ
狩猟にはナイフがつきものだ。どんなナイフを使っているのか自慢し合う。使って
みた感じでは日本の鋼に勝る切れ味はない。外国産のものは、切れはいいが刃
先がすぐに無くなってしまうのに対し、日本のものは持ちがいい。歯こぼれは日本
の鋼の方がし易く外国産はし難い。
ブランド品はゾーリンゲン、バックといったところで値段も1万円前後からキリまで揃
っている。私はゾーリンゲンを使用していたが、山の中で葛葉かずらを切る、枝打
ちしながら歩くのに使った。探検隊がジャングルの中を進む、あれと同じ姿だ。
Tさんは土佐のナタのような形の刃物を使い、いつも綺麗に手入れをし、刃こぼれ
一つないように研いでいた。その切れ味は抜群で『髭が剃れる』と自慢していた。
猟師たちはこうした刃物に自分で工夫した鞘を作ったりして、自慢材料の一つに
していた。また、解体には必需品で大小を使い分ける。
ナイフは今でも肉を切る時に使っている。回転式の刃物研ぎ機を買って刃物の
手入れに精を出す。でも何故か家の包丁は切れが悪いではないかと妻からクレ
ームがきそうだ。
固形燃料と下着
山の中で待ちにつくと凍えるような寒さとの戦いが始まる。それまでに山の中を歩
き回るので汗ダクになり下着はベッタリと濡れ体温が下がると、その寒いこと。こん
な時に固形燃料を炊いて暧をとる。いつもは鍋料理などに使われるものだが煙が
出ないこと、臭いが少ないこと、また直ぐに火がつくので重宝した。暖をとるのに
時間はかかるが使い捨てカイロも便利だった。
シャツとパッチは吸湿性の良い特殊繊維で作られたものを着用していた。値段
は高く上下で1万円以上もしたが値段だけのことはあり汗が出てもサラッとした感
じで以前のように汗による冷え込みはなくなった。