カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

藤沢周平 『市塵』 講談社文庫

2016-06-17 16:12:47 | 本日のパクリ
徳さんだけじゃなく、普通、新井白石など歴史上の人物のことは、日本史の教科書に載っていた程度しか知りはしない。
だから、伝記物、伝奇小説がある。

常に正論を述べようとする儒学者白石。
決して自ら望んだわけでもないのに国の政策を立案する地位にまで上り詰める。
その白石をして、

  *****
白石は権力の快さということを思い出していたのである。わが意見が天下を動かしていると感じたときの快い昂り。その地位にのぼった者でなければ理解出来ない権力の快さは、白石のような人間にも、ひそかにしみわたる毒のように時折訪れる感情だったのである。
  *****

凡人に権力が握られた時の恐ろしさ、おぞましさを想像させられる一節である。


後半、老いの只中で、不肖の弟子伊能佐一郎との再会の場面が今の徳さんには印象的だった。
白石の学問について行けず、人妻と駆け落ちし、最後はうどん屋に収まった男である。
その時、それはそれでけっこうじゃないかと白石は思った、、、。



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