半ぐれ行政書士の徒然日記-Ⅱ

信州は小諸の半ぐれ行政書士
仕事のこと、地域のこと、様々な出来事を徒然なるままに書き記します

こもろ寅さん会館10周年おめでとうございます!!(2)

2005年07月18日 | 休日
 寅さん会館10周年記念イベントとして第1部では山田洋次監督、倍賞千恵子さんによる寅さんとの思い出話と題してのトークショーが、また第2部として俳優の関敬六さん、谷幹一さんによるトークショーが行われました。当日会場には、北は秋田県、南は奄美大島からおよそ600名もの寅さんファンが集まり、会場は今は亡き寅さんこと渥美清さんの人柄に触れ、偲びました。

 その後、松竹㈱関係者や寅さん会館所縁の皆さんが集い、10周年の懇親会が開かれました。
 ご挨拶に立たれた山田監督は、「渥美清という人は、地位や名誉などを好む人ではなかった。だから、(渥美さんの)寅さん会館を作りたい(※1)と井出(勢可)さんが云われたときに何と答えるかと思っていたら、渥美さんが意外にも承諾された。そこには、渥美さんと井出さんとの信頼関係や友情があったからこそ実現できたのだと思う(※2)。・・・これから20年、50年とこの会館が存続していくためには、地元の小諸市や市民の皆様のお力をいただかねければならない。」とおっしゃられました。

(※1) 寅さん会館社長の井出さんは、渥美さんから『小諸のお父さん』と呼ばれ、25年以上にわたる親交を通じて譲り受けた『男はつらいよ』シリーズでの旅の品々、映画関係資料、渥美さんの収蔵品などが数千点に及ぶそうです。井出さんにとってこれらの貴重品の数々を広く一般公開させることが長年の夢であったそうです。

(※2) 渥美さんの死後送られた国民栄誉賞の盾及び賞状はご遺族から“是非井出さんの手元に置いて欲しい”との申し出があり、寅さん会館に展示されています。このことひとつからも渥美さんと井出さんの親交が伺われます。

 寅さん会館も10周年を迎えられたわけですが、必ずしも平坦な道のりではなかったと思います。井出社長はじめ関係各位のご苦労や情熱に頭が下がる思いがします。
 小諸には島崎藤村先生、小山敬三先生など文学や絵画で偉大な足跡を残された先人たちの記念館がありますが、寅さん会館もこれらに優るとも劣らない立派な記念館です。
 日本の映画史に大きな足跡を残した俳優・渥美清氏と山田監督の映画文化を次代に伝えていくための殿堂として、山田監督が云われたとおり、小諸の行政も市民も一緒になって守っていかなければならないように思います。
 殺伐とした世の中にあって、日本人が無くしかけている家族や故郷を思う心を教えてくれる寅さんの世界は、輝きを増しているように思います。“寅さんは日本人の心の故郷”であるとファンの方が云われていましたが、その記念館がある小諸は、“日本人の心の故郷こもろ”でありたいと思います。

(懇親会での一コマ、左から山田洋次監督、井出勢可氏、倍賞千恵子さん、松竹㈱大谷副会長)