半ぐれ行政書士の徒然日記-Ⅱ

信州は小諸の半ぐれ行政書士
仕事のこと、地域のこと、様々な出来事を徒然なるままに書き記します

T先輩へ~新司法試験お疲れ様でした

2006年09月21日 | 〇〇君、〇〇さんへの手紙

 T先輩、お疲れ様でした。

 従来の司法試験に比べ、新司法試験は、先輩の実力をいかんなく発揮できる制度であると信じ、法科大学院へ進まれたことを知った時から、今日の日の吉報を自分のことのように待っていた一人としてとても残念な気持ちです。
 自分もかつて先輩と同じ受験生だったので、今の先輩の気持ちを察すると言葉になりません。
 今はただその虚脱感と孤独感の中から一日も早く這い上がって来て欲しいと願う気持ちで一杯です。
 しかし、先輩と私の仲ですから、今日は敢えて年下の私に生意気を言わせてください。
 先輩を支えてこられた多くの人たち、自分がこれまで努力し身に付けてきたものは、絶対にあなたを裏切りません。来年の合格を目指して捲土重来を期すのか、他の生き方を探すのか、それはあなた次第です。
 どちらの生き方を選ぶにせよ、きっと険しく厳しい道となるでしょう。しかし、あなたを支える人たち、そしてあなたが蓄えてきた実力は必ず今後のあなたに大きな力を貸してくれるはずです。
 決してそのまま立ち止まらずに前を向いて歩を進めてください。





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雲仙普賢岳で逝ったS君へ

2006年06月04日 | 〇〇君、〇〇さんへの手紙

 S君へ

 テレビ朝日記者として雲仙普賢岳を取材中の君は、1991年6月3日午後4時8分、あの忌まわしい大火砕流にのみこまれ、まだ27歳という若さで逝ってしまった。
 
 あれから15年・・・。
 残念ながら、当時とは比べものにならない位、世の中は政治も経済も社会も病み、加速度的に悪い方向へ進んでいる。しかし、それを肌で感じながらも自分の仕事や生活に追われ、何もできずに毎日を過ごしている俺がいる。
 「もっとしっかりしろよ!!」 君は天上から大きな声で叫んでいるのかもしれない。

 君は高校時代から既にジャーナリストになる夢を持ち、人一倍正義感が強く、間違ったことには相手が誰であろうと「間違っている」と言える人だった。数年後、天職ともいえる記者になって『ニュースステーション』でテレビを通して再会したときは自分のことのように嬉しく思ったっけ。何も誇れるものを持っていない俺などは、若手記者でありながら持ち前の鋭い臭覚と深い洞察力でニュースリポートをしている君の姿をテレビ画面越しに羨望の眼差しで見ていたっけ。
 
 “もし”君が生きていたなら、いったいどんなジャーナリストになっていたのだろう。そして俺たちにどんなメッセージをくれただろうか。

 いやっ、君はもういないのだ。「いったいどうすれば良いのか?」君に聞くことすらできないのだ。
 もちろん「安心して天上から見守っていてくれ!」などと見透かされるようなウソを云えるほど青くもないし、そんな立派な生き方もしていない。むしろ情けない大人の一人に成り下がってしまったのだ。

 ただ勇気を奮って、自らが正しいと信ずることはほんの少しでも実践することはできるかもしれない。
 それはキザな云い方をすれば、この15年の間に“守るべきもの”ができたから。
 俺は俺なりの生き方をするよ。君のように志半ばで逝くのはヤダよ。才能も根性もない情けない俺だけど精一杯生きてみるよ。
 
  


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新人行政書士・K君への手紙

2005年07月15日 | 〇〇君、〇〇さんへの手紙
 だいぶ暑くなってきましたね。いよいよ夏本番です。お元気でご活躍のことと思います。

 冬の研修会でお会した時に、K君から「どうすれば行政書士としてやっていけるか、現在事業プランをじっくり練っている。」という話を聞きました。
 私は、自分自身の苦い経験もふまえ「もちろん事業プランを練ることは必要だが、大まかなプランができたら、まず行動に移すこと(経験すること)が大切だ。」と話したように記憶しています。

 あれから半年、あの時けげんな顔をしていたK君の顔が忘れられず、老婆心ながら筆をとりました。

 私たち行政書士という仕事(他の士業も同じだと思います。)は、教科書どおりに仕事が進むほど単純なものではありません。業務を行う上での“知識”は勿論必要ですが、それ以上に“経験”や“経験に基づく知恵”のウエイトも大きいように思います。
 これは新人だから当てはまる、ベテランだから当てはまらないというものではありません。ベテランであっても初めて依頼を受けた仕事については、 “知識”はあったとしても、“経験”や“知恵”がないため、必要以上に不安に思うことが多いのです。
しかしベテランにはその業務についての“経験”や“知恵”はなくても、その分野の専門家といわれる行政書士に聞いてみるなどして、その不足を補うという“経験”や“知恵”を持ち合わせています(当然のことながら自らが努力もしないで他人に“経験”や“知恵”を教えるほどやさしい世界ではありませんが、自らでやれることはやり、必死で食い下がってくる人を見捨てるほど廃れた世界でもありません。)。
 
 確かにK君の思うように計画もないまま行動すると無駄なことが多いかもしれません。
 しかし、ある程度の計画ができたら、取り敢えず第一歩を踏み出し、行動しながら考えたっていいじゃないですか。
 どんなに立派な計画を追及しても、それが実践を伴わない理想や想像である限り、所詮“絵に描いた餅”でしかありません。
 私も“新人”と呼ばれていた頃、未経験の業務に対する恐怖心や自信のなさから現実から目を背け、なかなか第一歩が踏み出せず、先行きが見えない苦しい時期がありました。
 しかし、勇気をもってその壁を乗り越えた後は、急激に視野が広がり、理想と現実のギャップに悩みつつも、自らの計画や考えを検証し、より具体的なプランや考えを持ちながら自信をもって仕事をするようになりました。
 私も開業してまだ9年目ですから、偉そうに語る資格はありませんし、毎日の業務が未知の世界への挑戦です。しかし、戸惑いながらも新たな経験をできる幸せを感じて仕事をしていることだけは云わせてください。

 そうそうK君が“稼げるようになったらメシを奢ってくれる”という約束を覚えていますか?実は私自身も諸先輩方にその約束したものの果たせず、情けないのですが、K君に先を越されないようせいぜい頑張っていきたいと思います。

 また機会があったら手紙を書きます。K君の活躍をお祈りしております。