ほとほと通信

89歳の母と二人暮らしの61歳男性の日記。老人ホームでケアマネジャーをしています。

ありがたみ

2016-05-21 | ほとほと日記
今日と明日はお休みです。

今月唯一の連休ですが、とても良い天気になりそうで、嬉しく思います。

このところ、天気が良いと「ありがたいことだなあ」と思うようになりました。



老人ホームのレクリエーションに「お散歩レク」というのがあります。

文字通り、職員が同行してご入居者を散歩にお連れするのです。

「そんなのいつでも出来るではないか」と言われるかも知れませんが、意外にそうもいきません。

7月から9月半ばに掛けては近年の東京は暑すぎて、熱射病や脱水リスクを考えると外出に二の足を踏んでしまいます。

11月半ばから3月までは、寒さももちろんですが、インフルエンザなどの感染症が怖いのでどうしても外出は慎重になります。

そう考えると、散歩に適した期間は、せいぜい一年の三分の一くらいなのです。

今が最も良い季節なのですが、入浴日は人手が足りない、往診日は往診が終わるまで外出出来ない…となると、チャンスはそんなに多くありません。

その希少な日が今日のような陽気だと勇躍(?)散歩に出かけます。

そして、散歩日和とはいかにありがたいものだろう…と思い至るのです。



私は若い頃から、およそ外界に注意が向かない性格でした。

天候にも無頓着で、雨であれ晴れであれ雪であれ、特別な感想もなく情感も沸きませんでした。

食事もそうで、何の感興もなく黙々と早食いをしてきました。

内心の不安や人心の推移ばかりに注意が行っていたのです。

それがこのところ、「良いお天気や美味しい食事に無限に出会えるわけではない」という真理にようやく気がついてきました。

端的に言って、自分の健康余命の有限性が実感出来る年齢になったということなのでしょう。

でも、美しい晴れ間や美味しい食べ物のありがたみに気がつくのは、人としてとても佳いことだと思います。



今夜、友人たちと恒例の食事会をやります。