ほとほと通信

89歳の母と二人暮らしの61歳男性の日記。老人ホームでケアマネジャーをしています。

お楽しみはこれからだ

2019-10-15 | ほとほと日記
今日も仕事はお休みでした。


昨日から急に肌寒くなったように感じます。

毎日寄る徒歩3分にある食品スーパーに朝8時過ぎに行ったら、まだほとんど品切れのままでした。

9時になって、より大型の食品系スーパーに自転車で行くと、いつもの朝とあまり遜色ない品揃えでした。

お店に食べ物が置いてあるだけで何だかホッとします。


先週、イラストレーターの和田誠さんが亡くなりました。

その報を聞き、何だかとても寂しくなりました。


和田誠さんのイラストに初めて触れたのは、家にあった星新一の文庫本の表紙だと思います。

読書家の兄が星新一作品をたくさん買ってくれていて、小学校6年生くらいの私は夢中になって次々と読みました。

和田誠さんのイラストはとてもスマートで洒落たタッチで、星新一作品の魅力をより高めたと思います。


中学生になって映画に夢中になり始めた頃、和田誠さんは「お楽しみはこれからだ」という映画の名セリフを集めたエッセイ集を出し、これにも夢中になりました。

まだ月々のお小遣いをもらっていた頃でそんなに本は買えなかったのですが、Part1とPart2は自分で買った記憶があります。

私は中学高校と勉強にもクラブ活動にも不熱心ないわゆる帰宅部で、読書と映画くらいしかお楽しみはありませんでしたので、その二つの楽しみを充たしてくれる「お楽しみはこれからだ」は、まさに素敵な作品でした。

その和田誠さんが「麻雀放浪記」を監督した際は(大人しそうなのに果たして映画監督ができるのか…)と案じましたが、観ると見事な映画作品で驚きました。


週刊文春の表紙を描き始めたのは1977年からという事です。

そのスクープは文春砲と呼ばれ、中にはけっこうエグいのもありますが、和田誠さんの表紙のおかげでずいぶん得をしていると思います。


私は中学生くらいの頃から「軽妙な文化人」に漠然と憧れていましたが、それは例えば和田誠さんのような人だった事に亡くなられて気づきました。


もちろん和田誠さんは、タバコのハイライトのデザインなど、20代の頃から傑出した成果を上げ続けてきたイラスト界の巨人です。

でも、他の昭和一桁生まれの有名文化人に比べると威張ってる感がなく、自分の十代の頃に作品に親しんだので、訃報に寂しさを覚えるのでしょう。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿