ほとほと通信

89歳の母と二人暮らしの61歳男性の日記。老人ホームでケアマネジャーをしています。

唯一の文章家

2014-10-28 | ほとほと日記
今日も仕事です。

作家の赤瀬川原平さんが亡くなりました。

模造千円札裁判で世間を騒がせた前衛芸術家にして芥川賞作家、『新解さんの謎』や『老人力』と言ったユニークでユーモラスなヒット作品でも知られていた方です。

でも、私にとっての赤瀬川原平さんは、少年のようにナイーブでリリカルな文体を持った唯一無二の文章家でした。

『父が消えた』『ライカ同盟』『雪野』などの小説も大好きでしたが、私が一番嵌まったのは『少年とオブジェ』と言うエッセイ集でした。

臆病で子供っぽい、でも鋭い感性で周囲の物=オブジェの記憶を綴った文章に触れたとき、「自分と同じ感覚の人がいる!」と震えたものです。

二十代の後半から三十代の初めに掛けてフリーターをしていた私は、この文庫本を舐めるように読んで倦んだ心を慰めていました。

赤瀬川原平さんの訃報を聞いたとき、遠くに暮らす恩師が亡くなったような感覚になってショックを受けました。

今でも寂しい気持ちです。

でも、これも神様の思し召しなのでしょう。


神様。
今日一日が穏やかなものでありますように。
家族が皆、健康で暮らせますように。
友人たちが無事に仕事を終えますように。
お祈り致します。

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