メロディ・ガルドー

5月の

ココロ細い雨が降る

次の季節への

移ろいを

予感させる夜に

彼女の

囁くような

でも

祈るような

意志ある

歌声に

出逢った


メロディ・ガルドー


1950年代の

旧きよき時代の

シンガーかと

思わせる

丁寧で

体温が

伝わってくるような

上質な世界


ビリー・ホリデイや

アストラッド・ジルベルト

等と

同じ時代を

生きてみたかったな

そう

贅沢な舌打ちを

していたワタシに


いまを生きなさいな


そう畳み掛けて

くれる

現代の歌姫


彼女は

交通事故の

後遺症で

視覚と聴覚に

不遇な影響を

担ってしまったという


でも

それすら

音楽への愛が

プラスへと

導いているよう


か細い光も

無限のモノへ


静寂も

雑念無き世界へ


と


削ぎ落とすコトの美学


内なる情熱のスケール


歌の世界に留まらず

オンナを全うするための

在り方も

ほんの少し

解った気がした


「哀しみも　喜びも

永遠には続かない

そう　愛も同じ

だから

訪れる瞬間のスリル

それを表現していくの」


そう

呟くように

自身に

云い聞かせるよう

彼女は

唄う


泣いているように


微笑んでいるように