《本記事のポイント》

  • バイデンフレーションで国民は生活難に
  • 利上げではなく増税と歳出増で対応すればスタグフレーションに
  • インフレの究極のリスクヘッジとして「金」が上昇中

 

 

米労働省が10日に発表した3月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比3.5%となり、2カ月連続で伸びが拡大し、市場予想の3.4%を上回った。

 

市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに踏み切る時期が遅れるという見方が広がり、ダウ平均株価が下げに転じた。

 

米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、"Fed Rate Cuts Are Now a Matter of If, Not Just When"(FRBの利下げはもはや「いつ」ではなく「もし」の問題)と題する記事を掲載。

 

多くのウォール街関係者は、FRBが6月に引き下げを行うか、あるいは今年中に3回の利下げを行うと予想していたとしつつ、「インフレ率がFRBの目標とする2%に戻りつつあるという確信が薄れたことは間違いない」と報じている。

 

パウエルFRB議長は3月、FRB当局者が年央までに利下げに必要な確信を得ることができるまで「そう遠くない」と議員に語ってきたため、このところの株価を押し上げる要因となり、バイデン政権を利する形になってきたが、インフレ率の予想以上の高止まりが続き、バイデン政権は「冷や水」を浴びせられた格好となっている。

 

 

バイデンフレーションで国民は生活難に

10日の労働省の発表を受けてバイデン大統領は、「我々はインフレ率を劇的に低下させてきた」とコメントしたが、事実とは全く異なる。

 

そもそも3月の食料品等の変動の激しい商品を除いたコアインフレは3.5%ではなく、年率で4.6%上昇しているという試算がある(下図)。

 

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Committee to Unleash Prosperity Hotlineより

 

アメリカでは食料品等の価格が高騰し、生活費の高さから、米国民は引退しようとしてもできないくらい生活難に陥っている。

 

トランプ政権がバイデン政権に政権交代した2021年1月時点で、インフレ率は1.5%。

 

それが下図で示されている通り、バイデン政権下で食料品やエネルギー価格も含めたインフレ率の平均値は18%と上昇した。6兆ドルの財政支出を行ったバイデノミクスは、「バイデンフレーション」をもたらした。

 

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結果、痛手を被ったのは国民だ。

 

ムーディーズ・アナリティックスのマーク・ザンディ氏は、バイデン政権が始まる3年前と比べ、アメリカ人は一カ月に1069ドル(約15万円)も余分に費用がかかっていると分析する。