★北河内路上通信-the Voice of VoICelESs on roadsides in EastOsaka

 北河内路上通信は大阪北河内において、同地域の野宿者と助け合い、共にあろうとする有志によって始められました。

FWD: ★釜ヶ崎の宴とは別に府東部で…

2006-08-17 00:11:48 | 野宿者支援
 釜ヶ崎夏まつりを手伝うまい、参加するまいと思っていたが、うまくブースの売り子になることになってしまい、3日連続で参加することになってしまった。周辺部では多くの野宿の仲間たちが宵出しや翌朝の缶とりに向かうためにささやかな睡眠をとったり、缶とりに勤しんでいただろう頃に、釜ヶ崎・三角公園では宴がクライマックスとなり、「盆踊り」とやらが「アンコール!」の掛け声のもと、名残を惜しむように行なわれていた。筆者は生まれてこの方盆踊りなど踊りたいと思ったことは無いのだが、それだけではなく、「ここで夢中で踊っている連中は何とオメデタイ連中だろうか」という苛立ちがあった。ましてや、楽しむ者とあくせく作業する者という分化のギャップを克服せず、それを居直るイベントにはほのかに腹立たしささえ感じたからだ。大杉の言葉を借りて以前も書いたと思うが、「釜ヶ崎のことは誰でも助ける…だが、そんな釜ヶ崎を助けるもんか」という思いを新たにした。今年はアルミ缶をキロ250カマ=250円で買い取っていたが、そんな地域通貨ごときの「役に立たない」シロモノが周辺部の野宿の仲間たちに何の意味があるというのか? 「まつりで落としていけ」という下心見え見えのものに、盆で店の買取が開いてないか午前中で終わりという状況を「何とかする」意志のかけらも野宿の仲間たちは感じられないはずだ。周辺部の野宿の仲間たちは鈍感ではない。むしろ、日雇い主体の釜ヶ崎での「常識」など通じない「より厳しい」個別分断の現実の中にいる。
 昨夜、某市東部の公園である野宿の仲間と話した時、「釜ヶ崎? お前、あんなアマチャンな所と周辺の見向きもされん俺らの状況を一緒やって言うんやったら、こっちには来る必要ないぞ。炊き出しも無い、色んな支援活動もあらへんところでやらへんアマチャンばっかりやないか。飲んで歌って踊って…ふざけんな!」と吠えていたが、全くその通りだと思った。あの支援者たちなどの数分の一でも、周辺部で何らかの野宿者支援をやればいいのだ…釜ヶ崎だけでやらずに。「今日は缶の買取が無いから、お前がもし来たら、ここでバーベキューしてた奴らの缶を集め、打ち捨てていったものを食べたり飲んだり一緒にしようと思って楽しみにしとったのに、何やねんそれ」という言葉がぐさりと筆者の感情をえぐったのはいうまでもない。そういいながらも、「ゴミ」からの「戦利品」のスポーツ飲料1.5リッターを手渡し、「気をつけて帰れ」と肩をたたいたその仲間に挨拶をして場を去った。その後、某府東部の路傍に立ち寄ると、明朝の缶とりの戦場に備えて眠る野宿の仲間たちがいた。より激化する缶とりの戦場での毎日が連続する周辺部の仲間たちにあるのは、路傍でのささやかな休息だけだ。