★北河内路上通信-the Voice of VoICelESs on roadsides in EastOsaka

 北河内路上通信は大阪北河内において、同地域の野宿者と助け合い、共にあろうとする有志によって始められました。

★hiroshimaにて

2006-08-06 02:55:01 | 野宿者支援
 深夜、8月6日8時15分を前にした原爆ドーム前のある広島市街。見上げれば、半月がぼんやりと浮かんでいる幾分か昼間の熱気がさめた月夜だ。その下では多くの野宿の仲間たちがビルの軒先、商店街の路傍、そして朝には式典会場となる物々しい警備態勢がしかれた平和公園のベンチや川べりなどで眠る。川べりにいた一人の涼んでいた年配の女性にプレスの腕章をした若い記者が、原爆投下後の惨劇について共に川面を見つめながら聞いていた。その向こう側の元安橋のたもとのベンチでもそれとは別に、そして式典関係の様々なブースとは関係なく一人の野宿の仲間がささやかな休息をとる。朝になれば、そこは平和祈念式典に向かう人で埋まる場所だが、深夜のそこはまったく静かだ。 …ともかく今年も8月6日が来た。刻一刻と被爆者が死んでいくこの地で、そして散り散りに散っていった多くの認定・非認定に関係のない被爆者たちの現時的に住まう場所場所で。そして遺骨も何も熱と光と爆風で跡形もなくなったすべての人々のことを記憶する個々人の心の中で。この日の祈りとは別に、広島湾では日本軍とその関連施設が、そして岩国では米海兵隊がその瞬間も存在し、動的であれ静的であれ、機能する。焼けるような太陽の下、実に政治的な式典は何を今年も「平和」宣言として発信するのか?