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認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症の症状と記憶障害との関係 (B-02)

2014-11-01 | 記憶障害は発病の原因ではなくて結果

     

     規則性 脳の衰え その流れ

             高きものから 低きものへと     By kinukototadao

 

&1:「記憶障害」を発病の第一の要件と考える重大な誤り-補足

〇今年のノーベル生理学・医学賞に関連する報道について

「脳の空間認知機能」をラットを使って解明した業績に対して、今年のノーベル生理学・医学賞が授与されたとの報道に際し、その報道では、受賞の対象となった「場所細胞やグリッド細胞」を調べることで、「アルツハイマー型認知症」の末期の段階(私たちの区分で言う「重度認知症」の段階)にまで症状が進行した人達が、何故道に迷うのかを解明できる可能性があるとの指摘がされていました。

その指摘をしている人は、「前頭葉」(前頭前野の穹窿部に局在する複合機能体を言うものとする。以下、同じ)の働きのことを全く知らないか、或いは単なる早とちりに過ぎないことを、以下に説明しておきたいと思うのです。勿論、私達人間の進化の過程では、ラットのそれに似たような機構能力を獲得していた時期もあっただろうと思うし、今なお、その残滓が垣間見えるような、空間認知能力に極めて長けた人達がいることを否定するものでもありませんが。ラットがエサを探してうろつき回るために必要な限度で脳内に持っているとされる地図の空間の広さと私たち人間が生活していく上で蓄積し活用している地図の空間の広さとは比較すること自体が無意味/ナンセンスだと言いたいのです。

ラットの場合は、場所細胞とグリッド細胞との協働だけで十分なのかも知れませんが、私達人間の場合は、複合機能体である「前頭葉」機能と左脳、右脳及び運動の脳との協働と言う作業が不可欠になるのです。そこのところが、「前頭葉」機能と言う複合機能体としての司令塔を持たないラットとは、根本的に異なることを指摘しておきたいのです。

これまで、「アルツハイマー型認知症」の症状発現の第一の要因を「記憶の障害」と考えることの誤りについて、三回にわたり、このブログで説明してきましたが、この報道のような誤った方向で今後の研究が進まないためにも、再度、このテーマをここで取り上げておく必要があると考え、今回この「テーマ」を追加したのです。 

     

〇 ラットにはなくて、人間だけに備わる「前頭葉」機能とその役割

ダイニングテーブルの私用の定番の席に座って、窓越しに外の景色を眺めていたのです。窓の外の景色はと言うと、手前に一本の大きな花水木の木があって、その向こうにプールがあって、更にその向こうにはサンゴ樹の生け垣があるのです。その景色を集中力を緩めて、更には落としてしまって、「意識度」自体が極めて低くなった状態、「意識」がぼーっとした状態のままで眺めていると、それら三つの景色全体が一体化しているように映るのです。夫々の「遠近感」が薄れると共に、木々の葉の「色の濃淡」の違いまでもがはっきりしなくなってくるのです。

それとは逆に今度は、花水木に注意を集中し意識を高めてみると、花水木全体の姿かたち、全体としての葉の部分とその濃淡、更には、少し色づき始めてきた葉の部分等の区別までもがついてくるのです。こうした現象は脳の中の何がどのように関与することで起きてくるのか。それは「前頭葉」の働き、もっと言えば「前頭葉の三本柱」の機能である、意欲注意の集中力及び注意の分配力の機能の発揮度が起こさせている現象なのです。猶、「注意の分配力」の機能は、私たち人間だけに備わる特有な脳機能であるので、念のため。

脳の司令塔の役割を担う「複合機能体]としての『前頭葉』機能の構成機能である①「評価の物差し(意識の首座=自我=脳の中のホムンクルス)」の機能及び「実行機能(Executive Function)」の働き具合(機能の発揮及び発揮度並びに認知度)が、「前頭葉の三本柱」の機能の発揮及び発揮度に左右されているというメカニズム、Tadが「思考実験」で気付いて、私たち「二段階方式」が、「機能発揮上の二重構造」と名付けている脳の機構なのです。このことに、世界中の「認知症」や「脳科学」の専門家達が、早く気づいて欲しいのです。その問題提起が、今日の「テーマ」なのです。このテーマを研究していけば、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、①廃用症候群に属する/②老化・廃用型の/③単なる「生活習慣病」に過ぎないものであることに、気づくことになるからなのです。

 

     

〇 「アルツハイマー型認知症」の末期の段階、私たち「二段階方式」の区分で言う「重度認知症(大ボケ」の段階)に迄「症状」の重症化が進行した人達が、「何故」道に迷うのか及び「どのような段階を経て」徘徊に至るのかについて、具体的に分かり易く説明する為に、Kinukoのブログである「脳機能から見た認知症」(2014-04-18から引用したものが、以下の内容です。

 

       

&2:正常な状態から認知症への移り変わり-突然徘徊したりするようにはならないのです!?

「突然、徘徊はしません」と前回のこのブログで強調しました。関係する「脳の機能」の面から言うと、「所の見当識」に関しても、ごく軽い症状から徐々に重い症状へと進行していくものなのです。それは、「前頭葉」の機能、就中、「前頭葉の三本柱」の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に起因する症状だからです。

 ※ 或るテレビの番組では、付き添いの「家族」が、不思議なことを言っていました。

① 「ほんとうに、突然徘徊を始めたんです」と家族の発言。

  ⇒ あり得るかどうか、今日のブログを読んで判断してください。

②  徘徊を始める直前のサインとしては、食欲不振・感情が不安定になると、これまた、その家族の発言です。

  ⇒ このサインだけで、「徘徊」につなげるのは難しいと思うのですが。

③  更にその家族から挙げられたサインは、「同じものを大量に買う」でした。

※ この症状は、そもそも「小ボケ」の段階で始まる症状なのですから、末期の段階である「大ボケ」の段階に至る前駆症状ではありますが、そこから「徘徊」に到達するには、なお数年以上の経過が必要となるのです。

 

    

&3:さあ、「正常老化の性質」(脳の機能面からいうと、「前頭葉」の機能が、未だ正常なレベルにあること)ではないことが起きてきた時(「前頭葉」機能についての/①廃用性の/②加速度的で、/且つ③異常な機能低下の進行に起因する「アルツハイマー型認知症」の症状が発現してきた時)、「所の見当識」に関してどんなことが起きるのか、段階を追って次第に重くなっていくその症状の具体的な事例を挙げつつ、以下に詳しく説明していくことにしましょう。

※ 「軽度認知症(小ボケ)」になってくると、普段行き慣れているところに行くときに、失敗が起きてくるのです。

◆例えば、隣町に嫁に行った娘のところに行くのに、午前中に着くはずなのに昼過ぎになってしまうようなことが起きてくるのです。

理由を尋ねると、「ちょっとお土産を買うのに戸惑ってしまって」等と言ったような言い訳をするけれども、「特別目新しい品物を買った様子はない」のです。

◆(電車やバスに乗るときに:

「出発しそうだったから、行き先をよく確かめずに飛び乗ったら、行先が違っていた」ということもよく耳にします。

◇それなら何故、終点まで気づかずに乗っていたのでしょうか?

途中で気づいて、直ぐに降りて乗り換えていたら、こんなに時間はかからなかったでしょうに・・・

◇もちろん、例えば便数の少ない電車やバスに乗り遅れたというような理由もあるでしょうが、「正常な人」の場合のうっかりミスとは異なり、「小ボケ」になっている人の場合には、びっくりするほど「同じような失敗を繰り返す」のです。

◇普通のお年寄り(「前頭葉」を含む脳の機能が正常なレベル)だと、(「前頭葉」機能が働くので)失敗したら「今度こそ気をつけよう」と失敗を繰り返さないように気を付けるはずですよね。

     

◆ 同じ「小ボケ」の段階ながら、次のステップとしては、帰宅するときにも同じような失敗を起こすようになります。

◇我が家ですから、文字通り慣れたところですよね。この時も説明というか言い訳はスムーズで、それを聞いているとついうなずいてしまうほどなのです。

(このような失敗を繰り返すうちに、だんだん外出そのものが減っていきます)。

(さらに次の段階になると、失敗した時に、自力でリカバリーできなくなります)。 

◆これまでに挙げた事例は、間違えながらも、どうにか目的は達することができますが、次の段階ではパニックになってしまって大騒ぎを引き起こします(正常レベルであっても、間違えたり、迷子になったらパニックになってしまいそうになりますが、そんなときこそが、「前頭葉」機能の出番となります。正常レベルであれば、状況に対応することができ、パニックにはならないのです。

◇もう一度初めからやり直したり、人に尋ねたり、とにかく落ち着こうとしますね。

     

&4:そして、「アルツハイマー型認知症」の次の段階、私たち「二段階方式」の区分で言う「中等度認知症(中ボケ」の段階になると(この段階は、専門家達からは、単なる「老化現象」の域、「正常」といわれていることが多いのですが。)本格的に外出してトラブルを起こすことは、ほとんどなくなります。 

◇一つには、本人が出たがらなくなること及び家族も心配で独りで外出させないようにするからです。家族の言葉によると「幼稚園の子をひとりで電車やバスに乗せられない」のと同じレベルなのです(「中ボケ」は、一言で言えば、良い訳のうまい幼稚園児なのです)。 

◇だから、このようなトラブルの舞台は、近所のスーパーのようなところになります。あるいは、親戚の家やその近所の本来ならよく知っているはずの場所で起こすことになるのです。自分の家(家への道)を正確に相手に伝えられなくなります。

◆こういう出来事と並行かちょっと先行して、自宅の説明ができなくなります。誰かに車で自宅まで送ってもらうとき、自宅へ行く道を的確に説明できなくなります。

◇普通の大人は、「あの木のところまではまっすぐですが、次の信号を左折して、4軒目の赤い屋根の家」のように言えるものなのです(同じ「中ボケ」の段階ながら、次の段階に入ると、「家の近所」で「迷子」になって通りがかった人から連れてきてもらうようなことを起こすようになります。

 

    

 

&5:次に述べるのが、末期の段階である「重度認知症(大ボケ」の段階に入ってからの症状です。

◇夕方になると、そわそわとして落ち着かなくなったり、逆にボーっとして外を眺め続けていたりします。

◇人によっては、荷物を作ったり(それも、下着や何故このようなものが必要なのか、よくわからないようなボロ布)ほどいたりといったことをするようになります。これは 、おばあさんに起きることです。

◇ここは自分の居場所ではないと感じているらしく、落ち着いていられなおのです。例えば、実家などをイメージしているのでしょう。その時には、本人に年齢を尋ねると必ず若くなっていて、20歳等と結婚前の年齢を答えることもあります。

◇家族が仕事から帰ってくると、「(実家に)帰らせていただきます」と言い張るために、「まず車に乗せて、近所を一回りドライブして、落ち着かせないと家事ができない」と訴えるお嫁さんもいます。

◆こういう「事件」が何度も繰り返されて(その間、脳の廃用性の異常な機能の低下が進行しているのですが)、その挙句、「帰ってこない!」、「どこに行ったのかわからない!」という「徘徊」デビューの日を迎えることになるのです。

◆確かに、初めて「徘徊」を始める日はあります。

◇でもその前に、普通に元気にイキイキとした生活を送っていた人が、突然「徘徊」することはないのです。 上述のステップを見落としていただけなのです。

◇警察に届けて、田舎なら消防団に依頼して山狩り・・・

それを繰り返すと、警察からは注意を受ける(叱られる)し、ご近所にも迷惑をかけるし・・・

◇「寝たきりになって、楽になりました」という言葉も、家族からよく聞きますね。どうしてここまで待ってから、施策を考えるのでしょうか?それぞれの段階で、なすべきことがありますし、早いほど効率もいいのです。

 

    

&6:専門家達は、何故に、「マウス」を追いかけまわしているのか

〇私たち人間の「意識的/目的的な世界」を支配し、コントロールしている「前頭葉」機能の働きとそのメカニズム

額のところにある「前頭葉」機能は、脳の最高次の機能です。運動の脳、左脳及び右脳を統括していて、「意識」が覚醒下/目的的な世界に於ける/「脳全体の司令塔の役割り」を担っています。「左脳」が、「デジタルな情報の処理」を実行するときも、「右脳」が「アナログな情報の処理」を実行するときも、「運動の脳」が、「身体を動かす」指令を出すときも、三頭立ての馬車(左脳、右脳、運動の脳の三頭の馬が牽引)の『御者』の役割りをしている「前頭葉」機能の全般的なコントロールと指示なしには、勝手には働かない仕組みになっているのです。三頭の馬のどれかが働くときには、必ず前頭葉」機能による、支配、関与、判断とその指示があるのです。言い換えると、「前頭葉」機能が三頭の馬を主導し、コントロールしつつ、同時に協働して働くというのが、『意識的/目的的な』思考や/発言や/行為や/行動や/言動の下で/人間の脳が働くときのメカニズムなのです。ついでに付言しておくと、脳の機能構造的には、三頭の馬は「前頭葉」機能による支配、コントロールの下に置かれつつも、その一方で、相互に連絡し、連携し合ってもいるのです。脳梗塞により「左脳」が重篤なダメージを受けて言葉が出てこなくなった(日常会話が出きなくなった)状態の歌手が、自分の持ち歌を見事に歌いこなすのがその例なのです。

 ところで、脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」機能には、人間だけに特有な数多くの高度な機能が備わっています。その「個別の機能」とは、興味、関心、観察、分析、考察、判断、洞察、推理、理解、発想、企画、計画、工夫、創造、予見、ケース・シミュレーション、整理、比較、選択、機転、抑制、忍耐、感動及び決断等の認知機能(A=実行機能と総称)及びそれらの認知機能を発揮する上での「機能の発揮及び発揮度」の基礎/基盤となる「前頭葉の三本柱」の機能ともいうべき「意欲」、「注意集中力」及び「注意分配力」の機能(B)並びにそれらに加えて/最終的な実行内容を選択し決定する上で不可欠な機能である「評価の物差し」の機能(C)に区分されるのです。猶、「評価の物差し」の機能については、世界で初めて、Tadが提示する脳機能であり、その詳細は、ブログの(B-83)にて公開中です。       

      

&7: 「アルツハイマー型認知症」の段階的な症状は、「前頭葉」機能を含む/脳全体の働きが廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、異常なレベルへと機能低下が進行して行くにつれて、次第に機能しなくなっていく事のアウト・プットに過ぎないのです。即ち、「アルツハイマー型認知症」の発病としての症状は、『前頭葉』機能を含む/脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分(小ボケ、中ボケ及び大ボケ)される「類型的症状(改訂版30項目問診票)」が、順次発現して来るのが特徴なのです。

 

〇「脳を使う」ということは、私たちが意識的/目的的に何等かの「テーマ」を実行することを意味

意識的/目的的に何等かの「テーマ」を実行する際の、「前頭葉機能を含む/脳全体の機能レベル」(働き具合)を考えるには、複合機能体としての「前頭葉」機能の構成機能である(A)、(B)及び(C)の機能が、常に協同しつつ、「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」をコントロールしながら働いていることに、注意を向ける必要があります。

「前頭葉」機能を含む/脳全体の機能レベルが、「段階的な症状」として発現してくる程度或いは態様は、(Bに下支えされたA及びCの機能の働き具合)としての「前頭葉」機能の各個別認知機能と「左脳、右脳及び運動の脳」の各々との協働による、脳全体の機能レベルに直結したもの、厳密にリンクしたものとなるからです。「前頭葉」機能を含む/「脳全体の機能レベル」が正常であれば、そのアウト・プットは、置かれた状況に照らして適切或いは的確な発言や、行為や、言動や、行動となり、「脳全体の機能レベル」が異常であれば、そのアウト・プットは、置かれた状況に照らして不適切或いは異常な発言や、行為や、言動や、行動となるのです(「アルツハイマー型認知症」の発病としての症状」)。

 

〇 「前頭葉」機能の働きの衰え方、廃用性の異常な機能低下の進行が症状発現の震源地 

「意識的/目的的な世界」におけるこうした脳全体の働き方のメカニズムに着眼して、「二段階方式」と呼称する精緻な神経心理機能テストを活用して、「前頭葉」機能を含む/脳全体の機能レベルと直結した(厳密にリンクした)症状について、極めて多数で/且つ精緻な「脳機能データ」を私たち「二段階方式」は集積し/解析してきたのです。そうした「脳機能データ」の解析により、「前頭葉」の機能レベルが異常なレベルに衰えてきたときは、たとえ「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」のすべてが正常な機能レベルにあろうとも、それら機能の『総体』としてのアウト・プットである思考や、発言や、言動や行為や行動の全てが、もはや正常なものではありえないことを確忍しているのです。「意識的/目的的な思考や行為の世界」では、全ての思考、発言、行為、言動及び行動、或いは身体の動静を、脳全体の司令塔である「前頭葉」機能がコントロールしているので、その働き具合(「前頭葉」の機能レベル)をそのままに反映した/アウト・プットが、症状になるということなのです。

「アルツハイマー型認知症」発病の原因要因は、①(60際を超えた年齢の「高齢者」であること/「第一の/基盤の要因」)であり、②ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」の継続が「第二の要因/加重要因」)なのであり並びに、「異なる二つの要因が/同時に並存して/、重なり合うことの「相剰効果」によって、発病し及び症状の重症化が進行して行くこととなるのであり、真の正体(本態)は、

廃用症候群に属する/②老化・廃用型の/③単なる「生活習慣病」に過ぎない認知症なのであり、「早期発見と早期治療による症状の回復及び/又は症状の重症化の進行の抑制が可能であり」、更には、「前頭葉」機能を含む/脳全体の機能が、活性化する生活習慣の構築と継続的な実践の自助努力により、「前頭葉」機能が正常なレベルを維持できている限りは、(発病時期の先送り効果としての意味で言う)発病は起きて来ない性質のものであり、その意味で、『発病の予防が出来る』認知症の典型でもあるというのが、私たち「二段階方式」の主張なのです。猶、私たち「二段階方式」は、北海道から九州に跨る全国的規模、452の先駆的な市町村との有償で/有期の「使用許諾契約」の締結の下で、主張内容が正しいことを、疫学的方法により実証済みなのです。

 

発病及び症状の重症化の進行の原因は、使われる機会が極端に少ないことに起因する/廃用性の加速度的で異常な脳機能の低下にあるので、「iPS細胞」といえども、残念ながらその出番はないのです。

 

    

〇 「家族介護」の制度化に対する警鐘と問題提起

「家族介護」と言っても、「軽度認知症(小ボケ」や「中等度認知症(中ボケ」の段階までの高齢者の家族介護であれば、納得がいくのです。家族の献身的な協力(但し、この場合は、介護ではなくて、「脳のリハビリ」の継続的な実践に対する協力のことなのですが)があれば、「小ボケ」の段階であれば、正常なレベルに回復させることが可能であるし、「中ボケ」の段階であっても、症状の重症化の進行を抑制することが、未だ可能だからです。家族もまた達成感を覚えることができ、報われるのです。

ところが、発病の末期の段階である「重度認知症(大ボケ」の段階にある「高齢者」の、家族による介護は、意味も状況も全く異なるのです。「大ボケ」の段階にまで脳全体の機能が衰えてきてしまうと、為す術が何も残されていなくて、「介護」の途しか残されていないのです。どんなに心を尽くして介護しても、報われることはなく、何らかの病気で死を迎えることになるまで「前頭葉」を含む/脳全体の廃用性の/加速度的で/異常な/機能低下が、(大河の川幅のように広い、「大ボケ」の枠の中で)、更に進行して行くのを反映しての、症状が更に重いものになっていくだけなのです。

大ボケ」の段階に入ってしまうと、「家族介護」に負の連鎖が起きてくるのです。「大ボケ」の段階のお年寄りを、これまたお年寄りが(通常の場合は、所謂、連れ添いが)介護している場合には、そのお年寄りもまた、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」を日々強いられる状況の中で、「前頭葉」機能を含む/脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことになるからなのです。つまり、その先には、連れ添いの人にもまた、「アルツハイマー型認知症」の発病が待っていることになるのです。巷間既に言われているところの、「認認介護」が起きてきてしまうのです。「家族介護」の制度化を唱えてきた人たちは、この問題に深く留意して欲しいのです。

本当の意味での早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」までの段階で「アルツハイマー型認知症」の発病を見つけて/正常なレベルに回復させる(「小ボケ」)及び/又は、症状の重症化の進行を抑制する(「中ボケ」)施策の制度化を実現し、「大ボケ」の段階のお年寄りについては、「介護保険」を必ず(全面的に)適用することを制度化して欲しいのです。「介護保険」の財政面が気になるのであれば、市町村と地域住民との協働による「アルツハイマー型認知症」に対象を特化した活動、「住民参加型の地域予防活動」の国策化に因る全国展開を制度化すれば良いのです。必ずおつりが出て、余りさえ出てくることになるのですから。   

 

      

 

 注)本著作物(このブログ B-02に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

      

 

 

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