Q:私達夫婦は、今年中に古希を迎えます。ここまで長生きしてくると、一番心配なのは、アルツハイマー型認知症になることです。脳がイキイキと働くような生活を毎日していれば、『アルツハイマー型認知症(以下、「AD型認知症」と略記する』には、ならないという話を友達から聞いたのですが、どんな方法が脳を活性化させるのでしょうか。簡単な方法があるなら、教えてください。
A: 私たち「二段階方式」は、意識的/目的的に、何等かの特定の「テーマ」を実行する際の、「前頭葉」機能(「前頭前野」の穹窿部に局在する複合機能体を言うものとする)を含む/脳全体の働き具合(機能レベル)とそのアウト・プットである(症状)について、「二段階方式」と呼称している神経心理機能テストを使って、詳細に調べ分析してきました。通常の正常なレベルから、正常下限のレベル、「AD型認知症」の発病後の段階、私たち「二段階方式」独自の区分で言う「軽度認知症(小ボケ)」のレベル、「中等度認知症(中ボケ)」のレベル、更には末期段階の「重度認知症(大ボケ)」のレベルに至る、三段階に区分された『「前頭葉」機能を含む/脳全体の機能レベル』の変化及び脳全体の機能レベルに厳密にリンクした/各レベル毎での「類型的症状」の症状が発現して来る程度及び態様の変化(及び時系列的な系時変化)について、極めて多数のデータを集積して来ました。(「小ボケ」から「中ボケ」、「中ボケ」から「大ボケ」へと症状が進行するその間、①廃用性の/②異常な機能低下の進行が本態である「AD型認知症」の発病高齢者の脳機能の衰え方は、③加速度的に進むのが特徴であり、この点に注意することが重要なのです。
特に、末期段階の「重度認知症(大ボケ)」のレベルでは、脳の機能(就中、右脳及び運動の脳)が、或る程度機能している「重度認知症(大ボケ)」の前期のレベル(MMSEの換算後の得点が、14点以下以下~10点以上迄)の発病高齢者と、後期のレベル(MMSEの換算後の得点が、一桁、9点以下~0点迄)の発病高齢者とを比較した場合、脳の機能レベルのアウトプットである『症状』が、全く異なる内容及び程度のものとなることに注意して下さい。
「意識」が覚醒した/目的的な世界に於ける(脳全体の司令塔の役割りを担っている『前頭葉』機能を含む/脳全体の機能について、加速度的に、廃用性の異常な機能低下が進行して行く中で、最終的には/殆ど機能しなくなる「重度認知症(大ボケ)」の後期までの間は、とても幅広い症状を示すのです。①『前頭葉』を含む/②脳全体の/③機能レベルのアウト・プットが、「AD型認知症」の発病としての(三段階に区分される)『類型的な症状症状(改訂版30項目問診票)』として、発現して来るものなので、各段階ごとの症状の程度差は、極めて幅広く、且つ深いのが特徴なのです。
その為に、同じ「重度認知症(大ボケ)」のレベルの枠内(①「前頭葉」機能が所定の異常なレベルに機能低下して来ていて、且つ、MMSEの換算後の得点さえも、(14点以下~0点迄)と言う[大河の川幅のように幅が広く]/症状の程度の深さ-浅さも異なる為に、症状の更なる進行につれて、「介護する上での負担」が/どんどん大きくなって行くのです〔猶、極めて重要な「脳の働きと言う物差し」を当ててみると、(前頭葉機能⇒左脳の機能⇒右脳の機能⇒運動の脳の機能と言う、『機能低下の厳密な順番』が確認出来るのが、「AD型認知症」の(発病高齢者である場合に)「特有な特徴」なのであり、この視点は、「介護」の現場では、極めて重要な道具となり得る/「使い勝手がいい道具」となる筈だと考えるのです!!
他方で、エーザイ等の製薬会社は、「AD型認知症」の症状の進行を遅らせる効果があるという宣伝文句で/いろんな薬を開発し、『治療薬』と称して販売していますが、私たち「二段階方式」が、これまでに集積して来た/極めて精緻で、多数の「脳機能データ」の解析結果(14,689例に上るデータの解析)から言えば、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」が継続されしたままで居て、飲むだけで(貼るだけで)、「前頭葉」機能を含む/脳全体の機能が改善してくる(或いは、脳機能の衰え方が改善される/異常な機能低下の進行が抑制される)ような「治療薬」は、私たち『二段階方式』が解明した「AD型認知症」の発病/症状の重症化が進行して行くメカに照らして、 未来永劫、開発できるはずがない(開発されることは、有り得ない)と考えているのです。更には、テレビのコマーシャルに出てくるような、飲むだけで「前頭葉」機能が活性化するような(サプリメントや/食物)もないと考えているのです!!
「AD型認知症」の発病/症状の重症化が進行するメカについての、世界中の権威があるとされている研究機関やの専門家たちは、長い年月にわたって「重度認知症(大ボケ)」のレベルに在った発病高齢者の「死後の脳の解剖所見を基礎とした類推や憶測」によって、「アミロイドβの蓄積に因る(老人斑)やら/タウ蛋白の沈着に因る(神経原線維変化)とやらによって、情報を伝達する役割を担っている神経細胞の大量死が引き起こされることに起因して、「AD型認知症」の症状(「記憶の障害」を基盤とした種々の症状)が、発現して来るとの憶測がベースであり、「因果関係の存在について、未だにその実証が出来てもいない」仮説に、今日現在も猶、しがみついている有様なのです。
私たち「二段階方式」が世界に誇れる「AD型認知症」の症例についての、「脳の働き具合の変化」とそれに厳密にリンクした症状の変化に関する「脳機能データ」の分析結果から言うと、『「アミロイドβ仮説や、タウ蛋白仮説が憶測により提示している内容、「神経細胞が大量に侵されて、死滅して、情報が伝達されなくなってくる為に/AD型認知症の症状が発現して来る訳ではないのです。「前頭葉」機能の出番が極端に少ない「生活習慣」、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」の継続により、「意識」が覚醒下/目的的な世界に於ける脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』機能を含む/脳全体の機能が、①廃用性の/②加速度的で/③異常な機能低下の進行により、機能の発揮及び発揮度が、異常なレベルへと更には、極めて異常なレベルへと、衰えが進行して行く(使われる機会が極端に減少することで、脳の働き自体が、加速度的に衰えて行く)ことのアウトプットが、「AD型認知症」の段階的な症状として、発言して来る真の原因(メカ)なのです。
それ故、症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが、加速度的に衰えて行くにつれて、それに相応した程度及び態様での症状が出てくるだけのことなのです。「脳の機能レベル」とリンクさせた「症状」について、「軽度認知症(小ボケ)」、「中等度認知症(中ボケ)」、「重度認知症(大ボケ)」の症状の段階的な変化を調べて行けば、直ぐに分かることなのです。「AD型認知症」の専門家と称する人達は、世の中に数多いのに、この程度のことが何故分からないのかと、不思議でならないのです。
認知症の専門家達から「原因不明で、治らない」と言われ続けてきた「アルツハイマー型認知症」は、脳の使い方という視点からの「生活習慣病」に過ぎないのです。「アルツハイマー型認知症」が「生活習慣病」であるということは、「アルツハイマー型認知症」を予防する(脳の働きを正常レベルに保つ)には、「普段の生活習慣」が決め手になると考えて下さい。決め手になる生活習慣とは、「前頭葉」の三本柱(「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」)の出番が多い生活を自分なりに工夫構築して、「前頭葉」の働きを活発にしてやる日々の脳の使い方、「生き方」のことなのです。
「意識」が覚醒した/目的的な世界に於ける(脳全体の司令塔)としての役割を担っている/(複合機能体)としての脳機能である『前頭葉』機能の働きは、自分の置かれている状況を分析/理解/判断して、状況に沿った「テーマ」を発想し、「テーマ」を実行する内容/手順/程度を企画・計画し、実行した場合の結果をシミュレーションし、シミュレーション結果に基づいて/実行すべき最終的な内容や手順や程度を選択し/決定し、決定した内容に基づいて、必要な指令を脳の各部(左脳/右脳運動の脳)に対して出すという(一連の作業)を、取り仕切ることなのです。この一連の作業の取り仕切りを/一定レベル以上で実行するには、一定レベル以上の「認知機能」の発揮が要求されることになります。その認知機能の発揮及び発揮度を支える基礎となるのが、「前頭葉の三本柱」の機能就中、複合機能体であり、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』機能と言うことなのです。
上記の「機能発揮」の関係を細分化して説明すると、①「意欲」及び「注意の集中力」の機能に、機能の発揮及び発揮度を下支えられている「注意の分配力」の機能が;②「評価の物差し(=意識の首座=自我=脳の中のホムンクルス)に因る評価/注意/関心/観方に従い(に基づいて);③「実行機能(Executive Function)」を駆使して、④『メタ認知』し;⑤メタ認知に僅かに遅れて連動し/随伴する「実体験認知」により、⑥所定の目的を実行して行くことになるのです【=By Tadの「思考実験」と各種脳機能データとの整合性の結果 ❕ 】
ところで、「脳を使う」と言うと、「第二の人生」を送っている「高齢者」の誰もが、「第一の人生での体験」をもとにして、自信をもって、直ぐに、「左脳」を使う(仕事や勉強をする)イメージをお持ちだと思いますが、「AD型認知症」の発病を予防(発病時期の先送り効果)する為の「前頭葉機能を活性化」させる上での、エース・ピッチャーは、実は、「右脳」なのです。
皆さんは、「時間が、あっという間に経ってしまう、あの楽しい体験」をお持ちでしょう。こんな時間こそ、「前頭葉」機能を含む/脳全体の機能が極めて活性化している、イキイキと働いている時間なのです。「意識が覚醒した/目的的な世界」に於ける(脳全体の司令塔)の役割りを担っている『前頭葉』機能の働きを活発にする(機能レベルを、極めて高い状態にする)のに最も効果的な方法は、「右脳」をしっかり使う生活、趣味や/遊びや/人づきあいをしっかり「楽しむ生活」を、日々継続して送る(営む)ことが不可欠になるのです。「趣味や遊びや人づきあい」などを楽しむことで、自分なりに目標や喜びや生き甲斐があり、意欲が湧いてくるような毎日を過ごすのです!!
趣味や/遊びや/人づきあい]といった「右脳」重視の生活が、「前頭葉」機能の出番を増やし/働きを活性化させることになり、「前頭葉」機能を含む/脳全体の機能が、(正常レベルに、継続して維持される)ことになるのです。趣味や/遊びや/人付き合いが、苦手な人は、「運動の脳」を使うことが/脳を活性化させる上で意外と効果的なのです。
「左脳」を使うテーマも勿論あっていいのですが、皆さんが思っている程の効果はありません。「第二の人生」を送っているということは、仕事はもうテーマにならないので、「勉強」ということになります。ところが、勉強が好きで好きで、食事をするのも忘れて、勉強に熱中した経験があるような人は、恐らく、極めて稀派だと思うのです。まして60歳を超えた年齢の「高齢者」であり、且つ「第二の人生」を送っていると言うのであれば、なおさらのことだと思うのです。
一昔前迄では、小学校の低学年レベルの「平仮名で書かれた文章(おとぎ話)の音読」とか、「一桁の足し算と引き算程度の簡単な計算」(これらは、共に「左脳」を使うテーマなのです)をすることが、脳の活性化に役立つとして教育事業者などから提案されていました。このような程度のものでも、その作業をしているときには、関係する脳がそれなりのレベルで働くのは当たり前のことなのです。必要とされる脳機能の程度は低くても、「前頭葉機能が絡む/意識的で/目的的な世界」であることに、変わりがないからです。その時の脳の作用を「f-MRI」などを使って計測しても、それが「効果を証明することにはならない」のです。そのとき、そこに「意識的な世界」があり、関係する脳の機能が働いていると言うことを証明しているだけのことだから、なのです!
これに特化した生活(上記の音読と簡単な計算に没頭する生活習慣)を何カ月間か継続させた上で、(趣味や遊びや人づき合いを楽しむ生活を排除しないと、因果関係の有無の正しい評価が出来ないことに注意!!)、当該高齢者の「前頭葉」の機能レベルの変化(改善の有無)を/私たちの「二段階方式」のように、「前頭葉」の機能レベルを精緻に判定出来るものがあれば、その「神経心理機能テスト」を活用して、計測評価してみれば、効果があるのかないのかが/はっきりと分かる筈なのです。私たち「二段階方式」は、このようなレベル/種類の「左脳」刺激の方法では、大事な時間をかける割に、「前頭葉」機能の活性化と言う問題に関しては、大した効果が期待出来ない/むしろ、ほとんど期待できないので、極力排除するよう指導しているのです。そ
もそもが、複合機能体である「前頭葉」機能が活性化する状況を作り出すメカから言うと、『「意識」が覚醒した/目的的な世界』は、左脳、右脳及び運動の脳の(3頭の馬)が牽引する「三頭立ての馬車」を運行する世界であり、馬車の運行を支配し/管理しているのが、「御者」である『前頭葉』機能と言うことなのです。
前記機能構造の下で、その『前頭葉』機能の機能の発揮及び発揮度を支配し、下支えしている機能が、「意欲」/「注意の集中力」の機能に下支えられている『注意の分配力』の機能なのです。
更に言うと、前記機能構造の下で発生して来る『意識が覚醒した/目的的な世界』では、①「評価の物差し(=意識の首座=自我=脳の中のホムンクルス)の機能に因る(評価/注意/関心/観方)に従い/(に基づいて)、②「注意の分配力」の機能が、③「実行機能(=Executive Function)」を駆使して、④『メタ認知』し、⑤メタ認知に僅かに遅れて、連動し/随伴する「実体験認知」により、所定の目的を実行し、達成して行く、脳の機能構造をしているのです(脳機能の発揮に関わる/各段階における『機能発揮上の二重構造』の問題が関わって来ることに注意【=By Tadの「思考実験」の成果に因り、世界で初めて発見した『機能発揮上の二重構造』の問題が関わってくるのです!!。
猶、私たち人間だけに備わっている特有な機能である『注意の分配力』と言う脳機能の働きの特徴は、① 『(内容及び覚醒度が異なる)複数の「意識」を/同時に並行して、構築し/管理し/統合し/コントローるする為に、不可欠の機能であり及び② (内容及び目的が異なる)【3つ以上】の複数の「テーマ」を/同時に並行して、処理する為に、不可欠の機能であり並びに③咄嗟の判断と/咄嗟の処理を実行する為に、不可欠の機能なのです。
従い、『前頭葉機能が、活性化する為の必要不可欠の条件』として、前記「注意の分配力」の機能が働く場面が存在している事が大前提となるのであり、必要不可欠の条件となるという訳なのです。
※ その意味で、過去のある時期に、一世を風靡した『デュアル・タスク(=異なる、二つのテーマの/同時並行処理)』の概念は、前記、機能構造に無知だったということなのです。
第二の人生を過ごしている高齢者にとっては、やるのが楽しくて、時間があっという間に経って、またやりたくなるような「趣味」や「遊び」や「人づきあい」を積極的に楽しむ、「右脳」がらみの生活習慣の構築とその継続的な実践とが、脳を活性化(正確には、前頭葉機能を活性化)させる為に、不可欠なのです。それを実感出来ているときは、①「意欲」が湧き出ていて、②「注意の集中力」の機能の発揮が長続きしていて、且つ、③「注意の分配力」の機能が、同時に並行して、異なる複数の「テーマ」を/同時に並行して活発に処理出来ているときなのです!!
言い換えると、そうした時間は、「前頭葉の三本柱」の働きが、極めて活性化している/生き生きと働いている時間と言うことなのです。
私たち、KinukoとTadの二人が主宰する『エイジングライフ研究所』が、独自に開発した「二段階方式」のシステムを導入している市町村では、「二段階方式」を活用して、「AD型認知症」の「予防教室(名称はいろいろで、通常は、『脳のイキイキ教室』の名称で、住民に説明)に参加している高齢者達全員の脳全体の機能レベル(前頭葉、左脳及び右脳)を定期的に検査し、所定の基準に基づき、三段階に区分して評価(「改善」、「維持」及び「悪化」)しています。その評価の基礎データと評価結果とは、「二段階方式」の「管理ソフト」により、個人別/男女別及び地域単位別に集計され、「時系列管理」されます。極めて多数の「脳機能データ」の解析の結果から、上述した問題/成果が確認されているのです。
「第一の人生」、(一生懸命に生きてきた)過程で、「 仕事」一筋(「左脳」一辺倒の生活習慣)の人生を送って来ていて、「右脳」がらみの生活習慣である「趣味」も/「遊び」も/「人づきあい」も苦手と言う人には、「運動の脳」からの刺激が、取り組みやすい上に/意外と効果的なのです。
その場合、『一日一時間の速足での散歩/目標(5000歩が、トータルの歩数の目安)」です。その場合も、散歩をするのが楽しくなるような「一工夫」が大切です。散歩するのに安全な場所を選び、散歩してみたくなるような場所を探し、家族や友人仲間と談笑しながら/一緒に歩くと、効果が一層大きくなります。
注)本著作物(このブログ A-34に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます