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認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症の/回復可能な初期段階(C-08)

2019-03-01 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

様々な種類が数ある認知症の内の90%以上もの割合を占めていて、老々介護とか、認々介護とか、介護離職とかの重大な『社会悪現象』創出の元凶となっている『AD型認知症』(老年性アルツハイマー病とも呼称されるが、生まれつき特定の遺伝子に異常が存する人だけを対象として発病するものであるアルツハイマー病とは発病のメカニズムも、症状の進行速度も回復の可能性の有無も発病の予防の可能性も、全ての面で、全く異なる性質のもの)について、認知症研究の専門家達でさえ、殆ど無知に等しい状況が続いているのです。何等の器質的な原因病変が存在していないのに、意識的/目的的に何等かの「テーマ」を発想し、実行に移して行こうとする際に、様々で重大な支障が起きて来る、即ち、『AD型認知症』の発病としての症状が発現して来るのです。その「AD型認知症」は、『第二の人生』を日々生きている60歳を超える年齢の高齢者」(私たちが定義する「発病の第一要件/基盤の要因」)だけを対象として発病することについて、認知症研究の専門家とされる人達は、その原因さえも知らないのです。

私たち人間だけに特有な意識的/目的的な世界、意識的/目的的に何等かのテーマを発想し実行に移そうとする様々な段階で(自分が置かれている状況の分析、理解、判断、状況判断に沿ったテーマの発想、テーマの実行内容の企画や計画、実行した場合の結果についての洞察、推理、ケース・シミュレーション、シミュレーションの結果に基づく選択、変更、実行の決断と言った場面で)様々な程度及び態様による重大な支障が起きて来るのが、「AD型認知症」の特徴なのです。その発病の原因(メカ)については、憶測に基づいた「3つの仮説(アミロイドβ仮説、タウ蛋白仮説、アセチルコリン仮説)が存在し、何十年もの長きにわたって、不毛の主張が継続されているのです。『木を見て森を見ず』の諺を地で行くかのような、権威を傘に着ただけの「憶測の類」が横行し、幅を利かせているのです。

〇 何処にも論文を提出していない為に、権威がなくとも、疫学的に実証済みである、私たち「二段階方式」の主張内容に、専門家も政府も目を向け耳を傾けるべきなのです:

昨年の12月25日になって『認知症対策の強化』に向けた関係閣僚会議の初会合が開かれ、官邸主導で、新薬の開発や予防方法の研究などの取り組みを強化することが決定されたのですが、マウスにアミロイドβを注入しただけの「アルツハイマー・マウス」を研究対象にしているからと言って、或いは、アミロイドβ仮説を先導してきたハーバード大学や東京大学が、アミロイドβが僅かでも確認された段階で脳内から除去する方法の研究による『治療方法の研究から予防方法の研究』へと方針を大転換したからと言って、目論んでいる成果を挙げることは期待できない相談なのです。そうしたテーマや方法は、「AD型認知症」の発病の原因(メカ)とは無関係のものだからなのです。発病との間に肝心の因果関係が存在していないものについて、どれだけ人材や時間や税金を投入しようとも、成果を挙げることは出来ないのです。『AD型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病』であって、『第二の人生』での日々の生き方、「脳の使い方」としての「生活習慣」の在り方、脳の機能面からいうと、『日々の暮らし方』に於ける、「前頭葉」機能、就中、「注意の分配力」の機能の出番がどのようにして、どの程度確保されているのか否か、そのことが発病するか/しないかを決定づける核心的で決定的な要因であることに気付かない限り、無駄骨に終わるだけのことなのです。分かってみれば、コロンブスの卵程度のこと。『第二の人生における脳の使い方としての「生活習慣」が、発病するか/しないかを左右する核心的で決定的な要因である』という私たちの主張(実証済み)に目を向け耳を傾けない限り、何時まで経っても、先は見えてこないのです。

〇 権威が有る人達とはいえ、学者も医師も誤りだらけのでたらめな主張内容が横行している世界:

『アルツハイマー病』という呼称を使って、生まれつき特定の遺伝子に異常がある人だけを対象として発病するのが特徴であり、且つ、若年発症が特徴である「アルツハイマー病」(若年性アルツハイマー病ともいう。認知症全体の1%程度を占めている)と「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」だけが発病の対象となる「AD型認知症」(老年性アルツハイマー病ともいう。認知症全体の90%以上を占めている)とを同列に扱うのです。おまけに、「若年性アルツハイマー型認知症」なる実在しない架空の認知症に病名を冠して、働き盛りの若い年齢での発症が最近増えて来ている等と徒に世間を騒がせていたりもするのです。肝心の『AD型認知症』についての無知が、このような不毛の情報発信を行わせているのです。視聴率が高いことに注目したのかどうか知りませんが、「若年性アルツハイマー型認知症」をテーマとしたドキュメンタリーめいた/ノンフィクションめいたフィクションのドラマがテレビ映像化されていたりするのです。情報収集元の医師や学者が、側頭葉性健忘症temporal amnesia感覚性失語症(sensory aphasia)について無知であるが為に、(重度の記憶障害の症状が中核となっている)を基礎として考え出した実在しない病気、『若年性アルツハイマー型認知症』について語っていたりするのです。廃用症候群に属する老化・廃用型の『AD型認知症』は、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』機能が最初に/廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させて行くのを特徴とするのに対して、『側頭葉性健忘症』は、新しい記憶が入っていかない(脳の変性に起因したものであり、高度な記銘力障害と海馬の萎縮を特徴とする)ものの、前頭葉の機能が正常な機能レベルに在るのが特徴なのです。「前頭葉機能」の機能レベルを精緻に判定してみれば、両者の鑑別は容易に行えるもの。そうしたことにも無知というしかない!!

〇「AD型認知症」こそ、早期発見と早期治療により治せるし、「前頭葉」機能が活性化する『生活習慣』の構築と継続的な実践に因り、発病を予防出来るタイプの認知症なのです:界

超高齢社会の真っただ中にあって、高齢化率が更に上昇して行っている中で、「AD型認知症」を発病する高齢者の数も年々増加して行っているのです。にもかかわらず、世界の学説状況はというと、『3つの仮説』が相変わらず発病との間の因果関係の存在を未だに実証出来ない儘に、迷走している状況にあるのです。その上、相変わらず、『AD型認知症は、発病の原因が分からないし、症状を治すことが出来ないし、発病を予防することが出来ないタイプの認知症である』とされた儘なのです。身の回りにも、「AD型認知症」を発病していて、介護施設に入所することになった高齢者の話とか、徘徊が日常茶飯事になってしまった高齢者を抱えた家族の話とか、認々介護とか、介護離職とかが大きな話題になる中で、役場の拡声器が、毎日のように、徘徊して行方が分からなくなったお年寄りを探す放送を流し続けているという状況。『第二の人生』を送っている『高齢者』にとっては、心許ないというか、明日は我が身かもしれないとの不安にかられる毎日という状況にあるのです。

 私たち「二段階方式」が、北海道から九州に跨る全国的規模、452の市町村での『住民参加型の地域予防活動』の実践指導の顕著な成果に因り、疫学的な方法により実証して来ているように、『AD型認知症は(こそが)、早期発見と早期治療により治せるし、発病を予防することが出来るタイプの認知症』なのです。医学会/界が迷走しているだけなのです。医学会/界の迷走を止め、早期発見(早期の段階で発病を見つける)と早期治療(「脳のリハビリ」の実施)による回復及び発病自体の予防を明確な目的とした/住民参加型の「地域予防活動」を国策化する為に、どこへ話(対策の『提言書』)を持っていけばいいのか、思案中なのです。昨年の11月に政府に対し具体的な対策方法を『提言書』という形で提示したのに何の反応も来ないのは、このままの状況を放置しておいた方が都合が良いとの何等かの背景が存在するのでは等と勘繰りたくもなるのです。他方で、肝心のマスコミが、相も変わらず(それと知らないでとは言え)、間違った情報を流し続けているので、国民的な関心を喚起することも出来ないでいるのです。『正しいことであれば、世の中が変わる』などと考えている訳ではないのですが、この重大な国民的な課題に取り組もうともしないでいて、この先、この国はどうなるのか。1100兆円を超える規模の国家債務が存在していることから比べれば、単年度で23兆円規模の血税の垂れ流しは、大した問題ではないと言うのでしょうか。

 (14689例の「脳機能データ」の解析結果が示す、「MMSE下位項目の項目困難度」の指標となるグラフ)

&1三段階に区分される「AD型認知症」の段階的な症状の類型

(1)  様々な種類が数ある認知症の内の大半の部分、90%以上を占めているのが、『AD型認知症』というタイプの認知症。「AD型認知症」については、世界中の認知症研究の専門家達(学者、研究者、精神科医)が、『発病の原因(メカ)が分からないし、症状を治すことが出来ないし、発病を予防することも出来ない』としているのです。発病の原因については、『3つの仮説』が提起されてはいるものの、それらの何れも、発病の原因と主張する内容(仮説が提示する発病/症状の重症化を引き起こす要因)と実際の発病/症状の重症化との間に存在するはずの因果関係の存在については、未だに実証証することが出来ないでいるのです。その上、実は、「AD型認知症」の「症状」自体についても、良く分かっていないのです。もっと詳しく説明すると、末期の段階になって初めて発現が確認される「極めて重度の症状」についてしか知らないという状況が続いているのです。

従って、『AD型認知症』の診断の専門家とは言え医師が発病と診断している基礎にある症状は、米国精神医学会が策定した「AD型認知症」の診断基準である『DSM-Ⅳ 』が「第二の要件」で確認を要求している症状、失語、失認又は失行(紛い)の「極めて重度の症状」が早期の段階の症状だと誤解していて、それよりも更に重い症状だけが、発病と診断する基礎にされているのです。笑い話ではなくて、実際にそうなのです。言い換えると、本当の意味での早期の段階の症状については、無知(結果として、見落としている)ということなのです。どうしてなのか。発病の原因(発病のメカ)について無知であることに加えて、早期の段階の症状を鑑別する手技を持っていないからなのです。ある意味で、ほとんど何も分かっていないのに、専門医として診断し、『発病のレッテルを貼っているだけ』ということなのです。末期の段階で発現する重度の症状が確認されるお年寄りを抱えた家族の大変さを、間近く目にし、その恐ろしさを強く感じている人達は、治せないものと医師から言われると、信じてしまい、ただ恐れるばかりということになるのです。専門の医師が知らない等と想像することさえ出来ないのです。ところが、殆ど何も分かってはいないというのが真実の実態の医師はというと、治せなくて、予防する方法を知らなくても、末期の段階の症状の確認によって発病と診断し、効きもしない薬を処方するだけであっても、CTやMRIやPETを使用して、おまけに薬迄処方していれば、十分な売り上げを稼ぐことが出来るのです。その結果、『発病の原因が分からないし、治せないし、予防することも出来ない』というお題目を唱えているだけで、そのことに問題意識を持つことが無いのです。『売り上げを稼ぐ』対象となる市場の規模は、年々拡大する一方なのですから。

現在開発され使用されている4種の薬は、あくまで、『対症療法薬」に過ぎないのです。その効能は、症状の発現の仕方を変える(亢進型と抑制型の2種類)だけのものであり、症状を治すことも、症状の進行を遅らせることも出来ないものなのです。症状の発現の仕方が介護する側の者にとって或る程度の意味があろうとも、その間にも廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくので、症状自体の重症化は進行していくのです。付言し、指摘しておくと、早期診断回復させることが可能な早期の段階での発病の判定)には、CTやMRIやPETの使用は不必要な事であり、症状を治すには、薬は不必要であって(発病及び症状が重症化するメカに照らして、症状を治すことが出来たり、症状の進行を遅らせることが出来たり、発病自体を予防することが出来る効能を有する薬の開発に成功することは、未来永劫、有り得ない事なのです)、「脳のリハビリ」(「前頭葉」を含む脳全体が活性化する生活習慣の構築と実践)だけが、唯一無二の有効な治療方法となる事(事象事実であり、私たちが疫学的方法により実証済み)を考えると、「AD型認知症」の早期診断、症状を治したり、症状の進行を遅らせるための治療、更には発病自体の予防(「前頭葉」を含む脳全体が活性化する脳の使い方としての生活習慣の構築と実践)について、『医師にその役割を期待すること自体が誤りである』ことを政府も国民も理解し、認識すべきなのです。

その役割を担うことが出来るのは、『売り上げを稼ぐことが至上命題とされない』市町村だけなのであり、必要な業務実施の中核を担うことが出来るのは市町村の保健師さんだけなのですから。大ボケの段階の症状が発現してしまうと、『脳のリハビリ』による治療の効果は期待できないこととなり、大ボケの範囲内で症状の重症化の更なる進行が、身体が持つ限り続いていくことになるのです。その結果、「介護ビジネス」の市場の拡大が継続されていくことにもなるのです。『脳は持たなくても、身体が持つ』のが、「AD型認知症」の特徴でもあるのです。

(2) 「AD型認知症」は、治すことが出来る可能性の程度により「三つの段階」に区分されるのであり、更には、『前頭葉機能』を含む/脳全体の機能レベルに厳密にリンクしたものであり、その機能レベルの区分を反映した三段階に区分される段階的な症状を示すのです。三段階の症状の類型の概要は、以下のようになります。

ⅰ)小ボケ(軽度認知症)の段階の症状の類型  [ 小ボケのチェックリスト10項目](10項目中4つ以上の項目に該当していると、「前頭葉機能」が異常な機能レベルにあることの確認を条件として、「小ボケ」のレベルであることが高い精度で疑われることになります)。猶、各段階における症状発現の順番は、旧東京都老人総合研究所が私たちが提供した「脳機能データ」を解析して導き出してくれたものです。基本的には、このような順番で症状が発現してくることが多いという意味(この先症状がどのように進んでいくことになるのかの一つの指標となる)。

□3つ以上の用事を同時に並行して処理できない(内容が異なる複数の「主題」に対して、同時に並行して注意が分配できなくなっていることの証:車の運転);

□ 同じことを繰り返し話したり、尋ねたりする(注意の分配機能の異常な低下);

□ 一日や一週間の計画が自分で立てられなくて、何も思いつかない様子(注意の分配力の異常な低下);

□ 反応が遅く動作がもたもたしていて、階段をトントンと降りられない(注意の分配力の異常な低下);

□ 発想が乏しくて、画一的な行動が目立つ(注意の分配機能の異常な低下);

□ 根気が続かず中途半端なことを繰り返し、やりかけの家事が目立つ(注意の集中力の異常な低下);

□ 自分なりの目標がある生活が送れず、何事かに生き甲斐を覚えることが無い;

□ ぼんやりしていることが多く、自分から何もしないが指示されるとできる;

□ 唐突に、一方的に言いたいことを言い、相手の話しを聞こうとしない

□ 目の光がどんよりとしていて、顔つきが無表情となり、感動することが無い。

〇ここに挙げた症状は、「DSM-Ⅳ」の第一要件が規定している「記憶障害」の症状或いは、記憶障害に起因した症状ではなくて、全てが、『意識が覚醒した目的的な世界』における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉機能』の機能障害に起因した症状だけなのです(『評価の物差しの機能及び実行機能』の機能の発揮及び発揮度を左右し、下支えている機能である/意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因して、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して異常な機能レベルに在ることの直接の反映)。

「DSM-Ⅳ」の策定に関わった権威ある豪華なメンバーを含めて、更には(3つの仮説)の提唱者達を含めて、彼ら全員が、私たち「二段階方式」に分かっているこの程度のことさえも知らない儘なのです。小ボケの段階の症状は、左脳、右脳及び運動の脳の全てが正常な機能レベルに在るのに対して、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉機能だけが異常な機能レベルに在ることを直接的に反映した症状が発現して来るのです。このことを分かり易く表現しておきましょう。左脳、右脳、運動の脳という三頭の馬が牽引する『三頭立ての馬車』の御者が前頭葉と言う機能なのです。三頭の馬がどれほど元気溌剌の状態に在ろうとも、御者が(眠気を覚えているような状態や、時折り居眠りしかかるような状態や、眠り込んでんでしまっている)状態下では、馬車は道を間違えたり、脱輪したり、溝にはまって倒れてしまうでしょう。『小ボケ』の段階で、既に、『AD型認知症』を発病していることを理解すべきなのです。

〇 脳の機能レベルと「小ボケ」の段階の症状との関係

「AD型認知症」の最初の段階であり」、「脳のリハビリ」(「前頭葉機能」を含む/脳全体の機能を活性化させる「生活習慣」の改善とその実践)により正常な機能レベルに改善させる(認知症の症状を治す)ことが可能な段階である「小ボケ」の段階を脳の機能の面から定義すると、『左脳も右脳も運動の脳も正常な機能レベルに在るのに対して、脳全体の司令塔の役割、左脳、右脳及び運動の脳が牽引する三頭立ての馬車の御者の役割を担っている「前頭葉機能だけが、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により異常なレベルに機能低下して来ている』のです。

加えて言うと、「小ボケ」の段階の症状は、その全てが、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続が原因で進行して来た/廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に起因した「前頭葉機能」の機能障害(直接的には、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の機能障害に起因しての「評価の物差しの機能」及び「実行機能」の機能障害が起きて来ている)に起因した(直接反映した)症状(『AD型認知症』の発病としての症状)であるのが特徴。このことについてもまた、アミロイドβ仮説を含む「3つの仮説」は、合理的な説明が不可能だということを指摘しておきたいのです。

前頭葉機能』と言う複合機能体は、私たち人間だけに特有な世界である意識的/目的的な世界意識的/目的的に何等かの「テーマ」を発想し、実行に移す世界(自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、その状況判断に沿ったテーマを企画し計画し、実行結果をシミュレーションして、必要な修正を加えた上で、最終的な実行内容を決定し、実行の決断を下して、脳の各部【左脳、右脳および運動の脳】に対して実行の指令を出す世界)に於ける脳全体の司令塔の役割を担っているのです。世間では、専門家とは言うものの、肝心の『前頭葉機能の機能レベル』を精緻に判定する手技を持たないので、左脳と右脳の働き具合を判定するだけのMMSEの実施でお茶を濁していて、憶測をベースに語るだけ。

〇『第二の人生』とは言え、来る日も来る日も、自分なりに追求する特定のテーマが無く、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものが無い単調な日々の暮らし方、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣」(脳の使い方としての生活習慣)の継続(私たちが定義する「発病の第二要件/加重要因」)に起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が直接の原因となって、『前頭葉機能』を含む/脳全体の機能が、異常なレベルに衰えて行く直接の反映としての「AD型認知症」の症状が発現して来るのです(中ボケ及び大ボケの段階の症状も同じメカで発現し、重症化が進行して来るものなのです)。

加えて、それらの症状の発現は、アセチルコリンの不足とか、アミロイドβの蓄積とか、タウ蛋白の沈着とか「3つの仮説」が、発病を引き起こす原因として主張(憶測)している内容とは、無関係のものであることを強調しておきたいのです。「3つの仮説」が提示する原因要因と『AD型認知症』の発病/症状の重症化の進行との間には、肝心の因果関係自体が存在していないのです。

失語や失認や失行(紛い)の症状といった極めて重度の症状に焦点を当て、それらの症状が、「AD型認知症」の初期症状であるとの想定自体が重大な誤りなのです。ところが策定者達に極めて高い権威があった為、世界中の専門家達を迷走させる元凶となってしまったのです。本来為すべきは、私たちが辿ってきたやり方、正常から発病へと移り変わる極く初期の『軽い段階の症状』に焦点を当てるべきなのです。更に言えば、マウスなどではなくて、『生きた人間』の意識的/目的的な世界を構築し、支配し、統合し、統括し、コントロールしている脳全体の司令塔である、『前頭葉』の機能に焦点を当て、『前頭葉の機能レベル』を精緻に判定出来る手技の開発に照準を定めるべきなのです。

ⅱ)中ボケ(中等度認知症)の段階の症状の類型 中ボケのチェックリスト】(小ボケの項目に4つ以上該当していて、中ボケの項目に4つ以上該当していると、『前頭葉機能』が異常な機能レベルにあることの判定を条件として「中ボケ」のレベルであることが高い精度で疑われます)。

□ 何度教えても日付けがあいまいになる(今日が何日かが分からなくなる。時の見当識は、日、年、月、季節、昼夜の順に出来なくなる。季節が分からなくなるまでが「中ボケ」の段階。昼夜の区別が分からないと、末期の段階である「大ボケ」の段階)

□ 電気やガスの消し忘れ、水道の蛇口の閉め忘れなどが目立つ(意欲、注意の集中力及び注意の分配力の異常な低下の反映);

□ 簡単な計算ができない(お札ばかりで買い物をし、やたらと小銭がたまる:注意の分配力の異常な低下を反映);

□ 2~3種類の薬の服薬管理が出来なくなり、家族が管理する必要がある:注意の分配力の異常な低下を反映);

□ 料理の味付けが変になる(特に、塩加減が極端に変になる。塩辛すぎて、周りが食べられないようなものを作り、本人だけが平気で食べる);

□ 入浴時の温度管理が出来なくなり、身体を洗わないとか、石鹸がついたままとかするようになる;

□ 便器の周りを汚したり、流してない等、トイレの後始末がきちんとできない;

□ 季節が分からなくなる(夏にセーターなど、季節違いの服を平気で着るようになる);

□ お金や持ち物のしまい場所をすっかり忘れてしまい、一日中探している;

□ 昨日の出来事(起きたこと及びその内容の両者)をすっかり忘れてしまう。

猶、中ボケの段階になると、同居の家族が⦅「30項目問診票」の小ボケの項目中の4つ以上及び中ボケの項目中の4つ以上に)該当していると主張するのに対し、本人がついていくことが出来ない(症状の認識が、出来ない脳の機能レベルに在る)のが中ボケの特徴なのです。『前頭葉機能』を含む/脳全体の機能レベルの低下が、その原因となっていることに注意が必要!!

〇MMSEの下位項目の一つである「時の見当識」(日、年、月、季節、昼夜の順に出来なくなる)を例にとると、小ボケは満点の5点をとり、中ボケは1~4点をとり、大ボケになると0点となります。従って、中ボケの入り口の段階で、今日が何日かが分からなくなってきているのです。更に、昼夜が分からなくて夜中に騒ぐのは、大ボケに入ってから(時の見当識が0点)になるのです。

〇簡単な計算もしなくなり、お札ばかりで買い物をするので、やたらと小銭がたまるようになるのは、脳の機能面から説明すると簡単に説明できる症状なのです。11の項目から構成されているMMSEの下位項目のうち、注意と計算の項目は、想起に次いで難しい(早くに出来なくなる)項目なのです。ふつうのお年寄りであれば、買い物の支払いをするとき、必要な金額(例えば、3420円だったとしましょう)に対して、千円札3枚と500円玉1個(又は百円玉4個と10円玉2個)で支払いをするものでしょう。此処に例示した支払いの仕方を自分の脳内で実行するには、「注意の分配力」の機能が正常な機能レベルに在ることが要求されるのです。中ボケのお年寄りは、注意の分配力の機能が異常なレベルに衰えていて、それだけの計算(支払い方の組み合わせ)を行うことが出来ないので(意欲も注意の集中力も、更には、肝心の、注意の分配力の機能を総動員することが出来ないので)、大きな金額のお札(5000円札とか10000円札)で支払いをするのです。小さなお札や小銭が財布の中に無い訳ではないのです。「前頭葉機能」を含む/脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してきているその結果としての対応の在り方(症状の発現)に過ぎないのです。

〇とは言え、「中ボケ」までの段階で発病を見つけることが出来れば、『脳のリハビリ』(「前頭葉機能」を含む/脳全体が活性化する生活習慣の工夫と改善)の実施により症状を治すことが出来る(小ボケは、「前頭葉」機能を含む/脳全体の機能を正常な機能レベルに回復させることが出来、その結果として、症状が消滅する=治せる)/及び(中ボケは、症状の重症化の進行の抑制/末期の段階である大ボケにはしないこと)が、未だ可能なのです。『家庭生活』面でも、重大な支障が出て来るようになる中ボケは、脳の機能のレベルで言うと、6~4歳児のレベルになります。家庭生活面で失敗ばかりしているのに、失敗しても口先だけでの言い訳とはいえ、言い訳の為のそれなりの言葉が出て来るので、「前頭葉機能」の機能レベルを判定する手技を持たない医師は、(日常の簡単な言葉を交わすことも出来なくなる失語紛いの症状が初期症状と誤解しているので)ごまかされてしまうのです。

「AD型認知症」を発病していて、然も、中ボケの段階にあることさえ知らないでいるのです。彼らが注目するのは、症状がもっと進んだ段階、「脳のリハビリ」の実施により最早治すことが出来ない末期の段階、私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の症状の確認、又は、「DSM-Ⅳ」が発病と規定する基準である失語や失認や失行の症状の確認を待って初めて発病と診断しているのです。それでは、遅すぎる(診断の意味が無い)のです。病気は、早期診断が肝心、治してなんぼでしょう。

そうした『医療現場の診断の重大な誤り』により、早期診断により治すことが出来るタイプの認知症であるにも拘らず、治すことが出来ないものとされ、不条理にも放置された儘でいて、『要介護老人』が、日々大量に生産され続けているのが、我が国なのです。

ⅲ)大ボケ(重度認知症)の段階の症状の類型大ボケのチェックリスト】(小ボケの項目が4項目以上及び中ボケの項目が4項目以上並びに大ボケの項目の3つ以上に該当していると、『前頭葉機能』が異常な機能レベルにあることの判定を条件として「大ボケ」のレベルであることが高い精度で疑われます)。

□ 着ている服を脱ぎたがらず、便で汚れた下着をそのまま平気で着ている(「DSMーⅣ」が誤解に基づき主張する『「記憶障害」に起因した症状』ではない);

□ 同居している家族の名前や関係が分からない(自分の子供を配偶者と間違える:『記憶障害に起因した症状』ではない);

□ 服を正しく着られず、ズボンを頭からかぶったり上着に足を通したりする(記憶障害に起因しての症状、服の着方を忘れたことが、この症状が発現する原因ではないのです。廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に因り、「注意の分配力」の機能が殆ど機能していないことが原因);

□ 居住している自宅の方向が、たびたび分からなくなる(「注意の分配力」の機能が全く働かない機能レベルに在ることが一番の原因。加えて、所の見当識も5点が満点のMMSEの得点が1~0点になるレベルに在り、自分が住んで居る場所さえも分からないのです。「記憶の障害」に起因した症状ではない);

□ 大小便を失敗しても、後の処置ができなくなる(大小便で汚れた下着を、押し入れなどに隠すようなこともあります:「記憶の障害」に起因した症状ではない);

□ 家庭生活に全面的な介助が必要となる(食事、入浴、排泄、服の着脱);

□ 食事や挨拶をしたことなど直前に起きたことをすぐに忘れてしまう;

□ 身の周りには誰も居ないのに、「知らない人が居る」と言ったりする;

□ 風呂に入るのを嫌がり、こわがるようになる(「記憶障害」が原因で起きている症状ではないのです。「前頭葉」の機能障害が原因で、何をどのようにしようとしているかの状況の理解自体が出来ない為に起きている症状なのです);

□ 意味不明の独り言や簡単な同じ言葉の繰り返しが目立つ。

〇(医師が見つけている段階が遅すぎるのが、重大な問題なのです)

)服を自分で着られなくなり、ズボンを頭から被るとか;自分の家が分からなくて、徘徊して迷子になるとか;同居している家族の顔も分からないとか;失禁した服を平気で着ていたりしたら、自信を持って、その人はボケている(「AD型認知症」を発病している)と皆さんは思うのではないでしょうか。哀しいかな。認知症の診断が専門の医師達でさえ、実は、皆さんと同じレベルなのです。専門家ぶって、『それらの症状は、「記憶障害」に起因して惹起されたものである』と考えているのです(単なる推理、憶測の類)。それこそが、重大な誤解であることさえも知らないで居て。『前頭葉機能』を含む/脳全体の機能レベルがそこまで衰えて来ている為に、『メタ認知機能が、殆ど働かない』ことの直接の反映としての症状であることを知らないし、そうした視点を持っていないし、それを検証することが出来る『手技』を持ってもいないのです。

米国精神医学会が策定した「AD型認知症」の診断基準である『DSM-Ⅳ』の規定の権威に惑わされていて、内容を疑ってみることもしないで、その規定の内容こそが重大な誤りであることを知らないので、その規定のままに診断しているのです。規定の第二要件が確認を要求している失語失認又は失行(紛いの症状/極めて重度の症状の発現が記憶障害に起因して発現するものと誤解していることに加えて、『AD型認知症』の極く「初期の症状」であるとの規定が正しいものと信じていて、極めて重度の症状(11個もの項目から構成されていて、30点が満点のMMSEの総得点が一桁にしかならないまでに、「前頭葉」機能を含む/脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して来ている高齢者だけにしか発現が確認されない極めて重度の症状)であることを知らないで、『そうした症状が初期の症状だと誤解』したままで、診断しているのです。正確に言うと、これは、「AD型認知症」の末期段階の症状(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の後半になって初めて発現が確認される「極めて重度の症状」)なのです。こうした症状が出てくるもっと前の「軽い段階」(小ボケ及び中ボケの段階であって、『脳のリハビリ』の実施により治すことが出来る)があるのを専門家の精神科医達でさえ、知らずに見落としているのです。権威に弱い習性がある精神科医は、「DSM-Ⅳ」の規定の内容を疑うことをしないのです。

〇 昨日まで、ゲートボールをしたり、町内会の旅行に参加して楽しんでいたお年寄りが、一夜明けたら、洋服が着られないとか、現在居住している自分の家が分からないとか、同居している家族の名前や顔が分からないとかにはならないのです。『AD型認知症』は、脳血管性認知症とは対比的な症状の発現を示すのです。ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因して発病する性質のものであり、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』が本態である「AD型認知症」の場合は、最初に発現するのが小ボケの段階の症状であり、次いで、中ボケの段階の症状が発現して来て、最後に末期の段階の大ボケの症状が発現して来るものなのです。三段階に区分される段階的な症状が発現して来るのと症状の進行が緩やかであって、徐々に進行して行くのが特徴なのです。

「脳のリハビリ」の実施により症状の進行の抑制さえもが困難となる末期段階の「大ボケ」(重度認知症)の段階でしか、「AD型認知症」を見つけられないでいる医療機関は、MCI(軽度認知障害)とかいう極めて曖昧な基準を持ち出して、数年後には、そのうちの何割かが「AD型認知症」を発病することになるなどと語るのです。彼らが見落としている小ボケの段階の症状が発現しているお年寄りは、やがては中ボケの段階に進むこととなり、中ボケの段階の症状が発現しているお年寄りは、やがては大ボケの段階に進むことになることさえ知らないでいるのです。そして、小ボケ及び中ボケの段階で見つければ、「脳のリハビリ」の実施により正常なレベルに回復させることが出来る(症状を治すことが出来る)ことを知らないで、末期の段階の大ボケの段階の症状が発現してきて初めて、『AD型認知症』の発病であると診断しているのです(発病のレッテル張りをしているだけ)。「AD型認知症」というタイプの認知症は、性質それ自体として治せないものではなくて、見つけている段階が遅すぎるが故に治せないだけなのです。一般的な病気と全く同じこと、『早期発見』(小ボケ及び中ボケの段階で見つけること)と『早期治療』(脳のリハビリを実施すること)が肝要ということなのです。

&2 加齢に起因した機能低下(正常な機能低下=正常老化)に対して廃用性の機能低下が加重される機能低下(異常な機能低下=異常な老化)の世界

「第二の人生」を送っているお年寄りなら誰でもが、加齢に起因した脳の機能低下という問題を、日々実感し、深刻に受け止める状況にあると思うのです。その根底には、『二段階方式』の手技を活用して集積した、極めて多数の『脳機能データ』が客観的なデータとして存在しているのです。私たちが意識的に何かのテーマを発想し、実行に移そうとする上で不可欠の機能である『前頭葉機能』の個別認知機能を協働して働かせるために不可欠の共同関係にある(『評価の物差し』の機能及び『実行機能』)の機能の発揮及び発揮度を左右し、下支えしている機能である、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能について、「改訂版かなひろいテスト」を実施した年齢別の機能カーブが存在しているのです。そうした『加齢』に起因した脳の正常な機能低下の進行(誰の脳にも存在しているものであって、私たちが、「正常老化」の性質と名付けている性質)を日々実感しているお年寄りの中で、脳の使い方としての「生活習慣」の内容次第で、『AD型認知症』を発病するお年寄りと発病しないお年寄りの『二者択一』の世界が存在しているのです。「AD型認知症」は加齢の延長線上にあるなどと主張する学者もいますが、間違いなのです。脳機能データを持たない体験的な憶測のレベルの主張に過ぎないのです。「正常老化」の性質が示す曲線は、加齢が進行しようとも(100歳までの曲線が示す脳機能データ)それだけでは、異常な機能レベルにまでは、衰えて行かないことを示しているのです。

異常なレベルにまで衰えて行くには、『もう一つ別の要因が加重されることが必要不可欠の条件となる』のです。その要因こそが、私たちが世界で初めて発見した、脳の使い方としての『生活習慣』という要因、『第二の人生』を生きる中での/日々の生き方という生活要因なのです。『キッカケ』を契機にして、心が折れてしまい、意欲を喪失した状態が継続していると、自分なりに追求する特定のテーマが無く、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものが無い/単調な日々の暮らし方、『脳の使い方』としての視点と意味で言う/ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した/廃用性の異常な機能低下(異常老化)が進行して行くことになるのです。正常老化の要因に異常老化の要因が重なる(加重される)ことこそが、「AD型認知症」を発病させる決定的で、核心的な要因なのです。

ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の異常な機能低下の進行という要因が、加齢の進行に起因した脳機能の老化(正常老化の進行)に加重されることの相剰効果により、『前頭葉』機能を含む/脳全体の機能の廃用性の/加速度的で/異常な/機能低下の進行を惹起させることとなり、その機能レベルを反映したものとしての、三段階に区分される「AD型認知症」としての症状が発現してくる世界なのです。私たち「二段階方式」の主張内容が正しいことは、北海道から九州に跨る全国的規模、452の市町村で実践指導して来た『AD型認知症』の早期発見と早期治療による回復及び発病の予防を明確な目的とした『住民参加型の地域予防活動』の実践の顕著な成果により、主張内容が正しいことが、疫学的に実証済みなのです。

&3 「AD型認知症」は、早期発見と早期治療により/治すことが出来るもの:

(1)世界中の認知症研究の専門家とされる人達は、異口同音に、『AD型認知症は、治すことが出来ない』と主張します。私たちは、『AD型認知症こそが、治すことが出来るタイプの認知症である』と主張しています。

どちらの主張が正しいのか。どちらも正しいのです。実は、両者の主張を区分ける明確な基準が存在しているのです。専門家達は、末期の段階で発現して来る極めて重度の症状だけ(「DSM-Ⅳ」が規定する失語や失認や失行(紛い)の症状に始まって、それらの症状よりも更に重い症状だけ)が、「AD型認知症」の症状であると誤解しているのです。私たちも、末期の段階の症状(私たちの区分で言う大ボケの段階の症状)が発現してしまうと、最早治すことは出来ないと主張しているのです。

私たち「二段階方式」が彼等と異なるのは、本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ及び中ボケの段階」の症状自体が、「AD型認知症」の症状であること並びにその段階で見つけることにより(早期発見)、「脳のリハビリ」を実施すれば(早期治療)、症状を治すことが出来ると主張している点なのです。もう一度指摘しておきます。彼等が、見つけている段階が遅すぎるだけなのです。とはいえ、本当の意味での早期の段階(「脳のリハビリ」の実施により治すことが出来る段階の意味)で見つけるには、CTやらMRIやらPETなどを使用したからと言っても、無理な相談なのです。それらの機器の使用では、肝心の、前頭葉の機能レベルを精緻に判定することが出来ないからなのです。左脳と右脳の働きを判定するのは、言い換えると、三頭立ての馬車を牽引する「三頭の馬」の機能レベルを判定しているに過ぎないのです。馬ではなくて、『御者』(脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉機能」)の働き具合を精緻に判定することが出来ないのでは、小ボケ及び中ボケ段階での、「AD型認知症」の症状の発現を判定することは出来ないのです。

私たちが意識的/目的的に何等かのテーマを発想し、実行に移そうとする際に、何等の器質的な原因病変が存在していないにも拘らず、重大な支障が起きて来るのが「AD型認知症」なのです。

意識的/目的的な世界、場面で、『「評価の物差し」の機能及び「実行機能(Executive functioning)」がしかるべく機能を発揮する』には、私たち「二段階方式」が『前頭葉の三本柱』の機と名付ける意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が正常な機能レベルに在ることが、必要不可欠の条件となるのです。「意識」が覚醒した/目的的な世界は、『評価の物差しの機能』に因る/評価/注意/関心/観方に従い、『注意の分配力』の機能が、「実行機能」を駆使して、所定の目的を実行し、所期の目標を達成して行く世界なのです。その際に重要な注意点は、「前頭葉の三本柱」の機能が、就中、『注意の分配力』の機能が、『評価の物差しの機能及び実行機能」の機能の発揮及び発揮度を左右し、下支えていることなのです(「機能発揮上の二重構造」の問題!!)。

「前頭葉の三本柱」の機能の中で最も高度な機能が、『注意の分配力』の機能であり、マウスはおろか、DNAの98%が人間と同じであるとされるチンパンジーにさえもこの機能は備わっていないのです。『デュアル・タスクの実行により、脳が活性化される』とか言って、分かっているつもりになっていたのでは、注意の分配力の機能の神髄に迫ることは出来ないのです。『注意の分配力』の機能構造並びに当該機能の「廃用性の異常な機能低下」というテーマに肉薄できない限り、『AD型認知症」の発病のメカニズム』に肉薄することは出来ないことを問題提起しておきたいのです。ついでのことに問題提起しておくと、どれほど進歩した革新的な機能レベルに在るAI技術を駆使しようとも、その分析対象となるデータの中身自体に、脳の使い方としての生活習慣」に関わるデータでない限り、正しい結論を導き出すことは出来ないのです。赤ワインを飲んだり、地中海料理を食する生活習慣が予防に効くとか言わないで頂きたいのです。

米国精神医学会が策定した『DSM-Ⅳ』の規定の重大な誤りに気付かないでいて、その規定の要件を基礎とした診断を行い、『脳のリハビリ』により回復させることが最早困難な末期の段階、大ボケの段階の後半の症状である失語や失認や失行(紛い)の症状の発現を確認して初めて発病と診断するのは、単なる発病のレッテル張りに過ぎないのです。

)世界中に何千万人もの発病患者がいるというのに、認知症研究や診断の専門家達から、「発病の原因が分からないし、治すことが出来ないし、発病を予防することが出来ない」とされてきているAD型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型生活習慣病が本態なのであり、性質それ自体として治すことが出来ないものではないのです。医師達が見つけて居る段階が遅すぎるだけなのです。ナイナイ尽くしの単調な生活習慣に起因した廃用性の異常な機能低下の進行(使う機会が極端に少ない為に機能が老化していく)が原因で発病し、症状が重症化するものなので、日常の生活面で使う機会が出来るだけ多くなる生活習慣を工夫することにより(意欲、注意の集中力、就中、「注意の分配力」の機能の出番が出来るだけ多くなるような生活の仕方の工夫)、前頭葉機能を含む/脳全体の機能が正常な機能レベルにまで回復して来ることにより症状を治すことが出来るのです(発現していた症状が消滅する)。このことを言い換えると、仕事(左脳が専管)とは無縁になる『第二の人生』では、右脳や運動の脳をしっかりと使う生活習慣の構築と実践(趣味や遊びや人付き合いや運動の機会が多い生活習慣の構築と実践)により、「AD型認知症」の発病自体を予防することが出来るのです。

記憶の障害の症状も、「AD型認知症」の症状も、「前頭葉機能」の機能障害、より詳細なメカを説明すると、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能について起きて来る廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により/異常な機能レベルに機能が低下して来たことに起因して/起きてくるものだからなのです。意識的/目的的な世界に着目し、『前頭葉機能』の機能構造に着目しない限り並びに『評価の物差しの機能及び実行機能』の機能の発揮の度合いを支配し、下支えているのが意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能であること(機能発揮上の「二重構造発」の存在)に気付かない限り、発病のメカの解明は不可能事なのです。更に言うと、発病及び症状が進行するメカ(ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の異常な機能低下の進行こそが、発病の引き金となる要因)に鑑みて、飲むだけで(貼るだけで)症状を治したり、症状の進行を遅らせたり、発病自体を予防する効能を有するが開発されることは、未来永劫有り得ない事なのです。

〇(効能を確認する簡単で確実な方法)二段階方式の手技の活用により「AD型認知症」を発病していることが明確に確認されていて、発現している症状が中ボケの後半(前頭葉の機能レベルが異常なレベルに在ることが確認され並びにMMSEの総得点が19~15点の範囲に在るお年寄り)及び大ボケの前半(前頭葉の機能レベルが異常なレベルに在ることが確認され並びにMMSEの総得点が14~10点の範囲に在るお年寄り)にあるお年寄り達100人に対して、その薬を飲ませてみればいいのです。私たちの予測では、そのお年寄り達の症状が治るのでなくて、更なる症状の重症化が進行していくことになるはずなのです。ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』が継続されたままで居て、薬を飲むだけで(貼るだけで)、意欲注意の集中力及び注意の分配力の機能が活性化され、異常なレベルに機能低下が進行していた「前頭葉機能」を含む/脳全体の機能が正常なレベルに回復されるとしたら、それは何らかの新規の「麻薬の類」でしか有り得ないのです。薬を飲めば、勝手に機能が活性化される訳ではないのです。脳の機能を意識的に使うからこそ、それにリンクして、情報を伝達する際に必要な神経伝達物質の放出が起きるという機序が存在している筈だからです。

廃用症候群に属する老化廃用型の「生活習慣病」を本態とする「AD型認知症」」に特有な特徴である『MMSE下位項目の項目困難度』のデータ(出来なくなっていく厳密な順番)が示す事象事実(14689例にも及ぶ三段階の症例の解析結果)を、「DSM-Ⅳ」の規定も「3つの仮説」も、両者共に合理的に説明することが出来ないのです。「AD型認知症」の発病者に実施したMMSEのテスト結果は、小ボケ、中ボケ及び大ボケの各段階のデータを全て集めてみると、必ず以下の順番に出来なくなっていくのです(末期の段階である、大ボケの段階しか見ていないので、分からないだけなのです)。その厳密な順番は、想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名の順番となるのです(想起が最も難しい項目)。

〇発病の原因がアミロイドβの蓄積に在るとする通説とは言え仮説に過ぎないアミロイドβ仮説の考え方を支持しつつ、運動や交遊や脳トレが、「AD型認知症」の発病の予防に役立つ等と粗雑な論理構成で、誤った情報を政府やマスコミに流さないで欲しいのです。前頭葉機能の機能構造を知らないで、評価の物差しの機能及び実行機能の機能発揮上の二重構造の問題を知らないで、更に言うと、生活習慣の改善と工夫による脳が活性化する機能構造も知らないで居て、物知り顔に語らないで頂きたいのです。『AD型認知症は、「生活習慣病」である』というフレーズを持ち出すだけで専門家になったと誤解しないで頂きたいのです。もう一つの問題点を指摘しておきましょう。MCI(軽度認知障害)の基準自体が極めて曖昧な規定内容であり、杜撰な内容だということさえも知らないで居て、政府に取り入る術にだけは長けている方達が、徒に、世の中を混乱させないで欲しいのです。余りにも因果関係に無頓着な医師や学者が多過ぎるのです。

         本著作物「Cー08」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

 

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