その昔、町の電気屋さんは、ナ○ョナ○店会の店とか、日○チェーンストールの店とか、それぞれの家電ブランド毎に専売店化をすすめていた。
洗濯機やテレビの修理もそれぞれの店でやっていた。お客様と店との付き合いは、映画「三丁目の夕日」を彷彿させるものだった。しかし今日、それはいつの間にか消え去ってしまっている。
ちょうど、私が社会人になって間もなくモーターサイクル業界(以下MC業界)では、ホンダは、WING、ヤマハはYSP、スズキSBS、カワサキはグリーンショップだったか、専売店政策を強力に推し進めた。
私は、その渦中に居てショップ様が専売店になって戴くにあたり、経営リスクをどう減らしてサポートしてゆくのかを考える立場でもあった。顧客のブランドロイヤリティを高める為に、まだカタカナしか使えない8ビットのPCで、顧客管理システムを構築して専売店の為の顧客の囲い込みやいろいろな販売促進策を考えたりしていた。
当時400万台ほどあった原付を含めたオートバイの需要は、専売店になっても十分な経営が維持可能なマーケットだった。自転車併売店だったショップが、自転車を捨ててMC業界に専念した経営者も多数いた。
しかし、かつて400万台ほどあったこのMCマーケットは、いまやその約10%ほどの40万台になってしまったらしい。
ターゲット顧客の余暇活動の選択肢が、ゲーム機器に代表されるように多様化して、「猫も杓子も、とりあえず原付免許をとって・・・」というかつての販売環境が無くなったことも事実だが、一番の影響は少子高齢化が原因だ。
今となっては、各社専売店政策は、残念ながら其々のMCメーカーの収益には貢献していない。海外依存型企業にとって国内の販売はいうなれば経営上はオマケのようなものだ。それぞれの専売店の名を冠したショップの数は劇的に減少して現在に至っている。
昨年8月に発行された日本生産性本部のレジャー白書は、スポーツサイクルのマーケットを1980億円ほどと試算している。そしてこの市場はジョギング・ハイキングと同様、堅調とされている。確かに冬場の2月の荒川サイクリングロードを走ってみても、4~5年前では考えられないような台数が走っている。
とはいえ、この市場に新規参入しようと目論む大手流通の動向も無視できない。昨年7月に新聞発表された目標数字の規模を見ると、MC業界出身の私は、かつてのヤマハオートセンター現在のレッドバロンみたいな存在になるのかもしれないと思ったほどだ。(人材のヘッドハンティングの雑誌広告も開始された)
またこの白書で気になるのは、スポーツ部門のなかで、サイクリング・サイクルスポーツ顧客のデジタル活用率は高い部類に属している点だ。これは、インターネットを介した顧客の購入行動はP&A(パーツ&アクセサリー)市場を中心に現実には大きな太い流れとなって無視できない状況になっていることを意味している。さらに円高の影響で彼らの購買動向のボーダレス化はさらに進む傾向にある。にも関わらず、完成車ブランドのP&Aの仕入販売を強いられるのは、現実の顧客の購買動向と遊離しているような気がする。今月になって、某専門誌はついに海外WEB通販の広告を請け負ってしまった。
こんな市場環境の中で、かつてのMC業界よりもスポーツサイクルのブランドの数は多い。すなわち消費者の選択肢が多様化している現実を考えると、単一のブランドに絞り込むリスクは相当大きい。
2010年の日本人の平均年齢は45歳だ。それから20年後の2030年には、1割の人口減少と平均年齢は51歳に上がる。この予想現実の中で踏まえたマーケティングを実行しなければならないのだが、少なくともMC業界は、今日の平均年齢45歳の予想現実を理解していながら失敗してしまった。結果として、多くの専売店は併売店に戻った。或いは中古車販売に活路を見出さざるを得ない状況に至った。
ニッチな部分で、海外MCブランドが日本の少子高齢化の人口構成を踏まえた国内向け商品開発・市場創造活動通じてなんとか成功したが、その理由は、そのブランドの専売店でしか買えないことを徹底したせいだ。
何故、国産よりも絶対性能の劣る海外ブランドのMCが受けたのだろうか?しかも価格は国産よりも安くはない。少なくとも彼らのターゲット顧客は、最新性能・軽量・最新マテリアルそしてレースでの活躍等の要素を、必ずしも商品を選択する条件にはしていないのだ。懐古的なデザインの復活という意味では、少々クロモリブームと相通じるものがある。(それにデキの悪いカーボンやアルミよりも、出来の良いクロモリの方が乗り味が軽快だったりするからねっ!)
こんなことを つらつら考えると今スポーツサイクル業界で実行されている専売店化政策は、どのくらい他業界のそれを研究したのだろうか?とても興味深い。
洗濯機やテレビの修理もそれぞれの店でやっていた。お客様と店との付き合いは、映画「三丁目の夕日」を彷彿させるものだった。しかし今日、それはいつの間にか消え去ってしまっている。
ちょうど、私が社会人になって間もなくモーターサイクル業界(以下MC業界)では、ホンダは、WING、ヤマハはYSP、スズキSBS、カワサキはグリーンショップだったか、専売店政策を強力に推し進めた。
私は、その渦中に居てショップ様が専売店になって戴くにあたり、経営リスクをどう減らしてサポートしてゆくのかを考える立場でもあった。顧客のブランドロイヤリティを高める為に、まだカタカナしか使えない8ビットのPCで、顧客管理システムを構築して専売店の為の顧客の囲い込みやいろいろな販売促進策を考えたりしていた。
当時400万台ほどあった原付を含めたオートバイの需要は、専売店になっても十分な経営が維持可能なマーケットだった。自転車併売店だったショップが、自転車を捨ててMC業界に専念した経営者も多数いた。
しかし、かつて400万台ほどあったこのMCマーケットは、いまやその約10%ほどの40万台になってしまったらしい。
ターゲット顧客の余暇活動の選択肢が、ゲーム機器に代表されるように多様化して、「猫も杓子も、とりあえず原付免許をとって・・・」というかつての販売環境が無くなったことも事実だが、一番の影響は少子高齢化が原因だ。
今となっては、各社専売店政策は、残念ながら其々のMCメーカーの収益には貢献していない。海外依存型企業にとって国内の販売はいうなれば経営上はオマケのようなものだ。それぞれの専売店の名を冠したショップの数は劇的に減少して現在に至っている。
昨年8月に発行された日本生産性本部のレジャー白書は、スポーツサイクルのマーケットを1980億円ほどと試算している。そしてこの市場はジョギング・ハイキングと同様、堅調とされている。確かに冬場の2月の荒川サイクリングロードを走ってみても、4~5年前では考えられないような台数が走っている。
とはいえ、この市場に新規参入しようと目論む大手流通の動向も無視できない。昨年7月に新聞発表された目標数字の規模を見ると、MC業界出身の私は、かつてのヤマハオートセンター現在のレッドバロンみたいな存在になるのかもしれないと思ったほどだ。(人材のヘッドハンティングの雑誌広告も開始された)
またこの白書で気になるのは、スポーツ部門のなかで、サイクリング・サイクルスポーツ顧客のデジタル活用率は高い部類に属している点だ。これは、インターネットを介した顧客の購入行動はP&A(パーツ&アクセサリー)市場を中心に現実には大きな太い流れとなって無視できない状況になっていることを意味している。さらに円高の影響で彼らの購買動向のボーダレス化はさらに進む傾向にある。にも関わらず、完成車ブランドのP&Aの仕入販売を強いられるのは、現実の顧客の購買動向と遊離しているような気がする。今月になって、某専門誌はついに海外WEB通販の広告を請け負ってしまった。
こんな市場環境の中で、かつてのMC業界よりもスポーツサイクルのブランドの数は多い。すなわち消費者の選択肢が多様化している現実を考えると、単一のブランドに絞り込むリスクは相当大きい。
2010年の日本人の平均年齢は45歳だ。それから20年後の2030年には、1割の人口減少と平均年齢は51歳に上がる。この予想現実の中で踏まえたマーケティングを実行しなければならないのだが、少なくともMC業界は、今日の平均年齢45歳の予想現実を理解していながら失敗してしまった。結果として、多くの専売店は併売店に戻った。或いは中古車販売に活路を見出さざるを得ない状況に至った。
ニッチな部分で、海外MCブランドが日本の少子高齢化の人口構成を踏まえた国内向け商品開発・市場創造活動通じてなんとか成功したが、その理由は、そのブランドの専売店でしか買えないことを徹底したせいだ。
何故、国産よりも絶対性能の劣る海外ブランドのMCが受けたのだろうか?しかも価格は国産よりも安くはない。少なくとも彼らのターゲット顧客は、最新性能・軽量・最新マテリアルそしてレースでの活躍等の要素を、必ずしも商品を選択する条件にはしていないのだ。懐古的なデザインの復活という意味では、少々クロモリブームと相通じるものがある。(それにデキの悪いカーボンやアルミよりも、出来の良いクロモリの方が乗り味が軽快だったりするからねっ!)
こんなことを つらつら考えると今スポーツサイクル業界で実行されている専売店化政策は、どのくらい他業界のそれを研究したのだろうか?とても興味深い。