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小つると仁鶴のき楽寄席!

2010年05月27日 | キモノイベント

 かねて予告しましたとおり、5月8日(土)石川県立音楽堂邦楽ホールにて金沢落語情報主催の『小つると仁鶴のき楽寄席』が催されました。金沢の友人を手伝ってわたくし、いつものようにお茶子させていただきました。
 『き楽寄席』の『き』は『きもの』の『き』でもあり。き楽寄席名物、キモノ女性陣です。もうひとりキモノスタッフがいたのですが、彼女takeさんは楽屋のお世話に詰めていらしたので、残念。



 今日の着物:鰹縞単紬(ヤフオク反物を和裁教室で縫った)
 今日の帯:笑門来福帯(ヤフオク帯をカクマさんにリフォームしてもらった)
 今日の半襟:白塩瀬半襟(うちにあった)
 今日の帯揚:白地線絞り帯揚(きむら)
 今日の帯締:レース三部紐(コメ兵)
 今日の足袋:杵屋白足袋(広島の杵屋)
 今日の下駄:市松台青縞花緒(松屋)
 今日の簪:赤花トンボ玉(玉やふちこま)

 この帯『笑門来福帯』、ぼろぼろだった繻子帯の、刺繍の笑顔がとても気に入ってカクマさんにリフォームをお願いしたもの。その顛末、よろしかったら『カクマさんありがとう』という記事をご覧くださいませ。
 その、お宝の帯の、今日が初使い。満を持しての登場です。気持ちもウキウキ。

 
 スタッフがそろうと、まず打ち合わせです。それぞれの役割分担ももう手慣れてきました。とはいえ、当日を迎えるとやはりいろんなことが出てきます。舞台では小つる師匠方が音声や照明のチェックに余念がありません。何度『き楽寄席』の公演をやっても、そのときそのときは一度きりのもの。緊張する時間です。
 
 今回もオットがカメラ係。舞台撮影は一眼レフの大きなシャッター音をいかに防ぐかが課題。というわけで秘密兵器、防音ケースです。合皮とキルティング布を6重に重ねた苦心作(設計オット、製作わたくし。ミシンの針が通らない分厚さでオール手縫い。何度針で指を刺したことか)。

 舞台に、客席に、楽屋に。出演者スタッフ駆け巡り、準備が整っていきます。
 さぁ、時間だ、開場だ。
 
 舞台袖で太鼓を打つ小つる師匠。まだ私服。
 向こうにいるのは三味線の勝正子さん。
 
 
 小つる師匠打ち鳴らすいちばん太鼓の中、お客さま方が入ってこられます。入りは上々。桟敷席にはキモノ美女、客席の方にもキモノの方がちらほら、紗の羽織を着こなした方など着慣れていらっしゃる風情の方多くて華やかです。
 後で伺ったのですが、仁鶴師匠がこのことをたいへん喜んでいらっしゃったとか。「歌舞伎を観に来るみたいにしておみえやなぁ」と上機嫌でいらしたそうです。

 さぁ、二番太鼓、そして出囃子。まずはじめは笑福亭智之介さん『牛褒め』。まぬけでちゃっかりで憎めない、落語世界におなじみの人物像と智之介さんの個性が融合しています。
 
 『爆笑!レッドカーペット』では手品もなさってた智之介さん、今回は古典落語をたっぷり聴かせてくれましたー。

 そして、小つる師匠の出番です!噺は『禁酒関所』。
 ご禁制のお酒を何とかして持ち込もうとするんだけど、お役人にばれて…。

 小つる師匠の酒飲み演技はいつ見ても美味しそうです。
 そして、だんだん酔っぱらっていく様はすごくリアル(笑)。

 でも、最後にお役人が飲まされたものは・・・。急転直下のラスト!!
 

 さて、そして中トリは、特別ゲスト!めくりをめくる手もドキドキいたします。
 笑福亭仁鶴師匠!!
  

 演ずるは『崇徳院』です。



 凄い。
  どちらかというとぼそぼそしたしゃべり。でも、それなのに、声を張るわけでもないのに、落語の世界が伝わってくる。というよりも、すっと向こうに飲み込まれるような感じ。上手いって、こういうことを言うのでしょうか。
 浮世離れしたぼんぼん、そして、とぼけた熊さんが巻き込まれてどんどん必死になっていき・・・最後にカタルシス!素晴しい『崇徳院』を聞かせていただきました。

 そして、中入りの後は桂坊枝さんの『野ざらし』  
 
 
 なんていうんでしょう。
 どんどん、どんどん、どんどんどんどん!!
 枕からクレッシェンドに盛り上がって行って、最後はもう「反則やろ!」と言いたくなるような大盛り上がり。
 もっと、この先はどうなるの?・・・そんな、わくわくな余韻を残して終わった野ざらしでした。そして。

 大トリ。再び小つる師匠です。ネタは『へっつい盗人』
 

 
 上方落語おなじみのおまぬけふたり組みのやりとり。にんげんの可笑しさが身に沁みていきます。小つる師匠、なにがが憑いたかのような迫ってくる演技。会場いっぱいに沸き起こる爆笑の渦。


 そして・・・。
 存分に笑わせてくださって、サゲを言うて、深々とお辞儀して。そして袖に引き上げてくる師匠のおももち、これが、よいのですわ。
 こういうのをして男のいろけ、というのではないでしょうかっ。
 



 てっぺんから最後まで、いい会でした!師匠方、ありがとうございました!
 帰途に就かれるお客様方がみな、笑いの余韻をとどめたいいお顔でひきあげていらっしゃる。いいきもちです。

 そして、うちあげ!
 席亭なぁさんの発声で、かんぱーい!・・・ではなくて、おつかれさまでした!!だったかしら?あるいはうちらの慣例「いただきまーす!」?(記憶なし) 
 北陸の海の幸を食べて、地酒を飲んで飲んで。そして、しゃべって。あっという間に時間が過ぎて。

 〆はやっぱり、小つる師匠音頭での『大阪〆め』。
 「うーちまひょ!」 ぱん!ぱん! ・・・


 ほんとうに、いい会でした。
 師匠方の落語も素晴しかったし、お客様もいいお客様で。われわれスタッフもがんばった!充実感とともに終えることができました。

 『き楽寄席』・・・笑福亭小つる師匠の落語を金沢でききたくて始まったこの会、席亭なぁさんの情熱でもって走り続け。ここまできて。

 そして、来年早々にはいよいよ小つる師匠が六代目笑福亭枝鶴を襲名する、その襲名披露の会を金沢でも催すことになっているのです。
 1月8日(土)。場所はここと同じ、石川県立音楽堂、邦楽ホールにて。
 襲名披露ですもの、豪華ゲストも迎え、今回に勝るとも劣らない素晴しい会になることと、スタッフ一同奮って準備しているところでございます。かく言うわたくしも、武者震いなど少々しているところ。
 この記事をお読みの皆様、これはほんとうにご覧になったらよろしいわ、と心からお勧めいたします。今回もキモノ美女が座っていただいた桟敷席。ご希望おありでしたらどうぞ、いまからでもコメントまたはメールでお知らせくださいませ。

 あ、その前に。
 8月7日(土)、会場は金沢市大和町『里山の家』にて、『笑福亭小つるのき楽寄席』を催します。こちらはこぢんまりしたアットホームな寄席です。どうぞこちらもお気楽においでくださいませ。
 いずれも情報は『金沢落語情報』にてお確かめくださいませ。

 

 

 

 ここで、懺悔。
 実はわたくし、今回お茶子としてしてはいけないミスをいたしました。
 お客様がお気づきにならなければ幸いなことですので、具体的に何をしたかはここには書きません、ごめんなさい。ただ、次回からは決してしないことを肝に銘じたいがため、記させていただきます。
 つぎはちゃんとやる!!!

 この会場でこのお名前の名ビラを返すのは今回が最後でしたっ。
 

 次は、『笑福亭枝鶴』
 今度のときは!!
 今からドキドキ、ハラハラ、ワクワク、です。
 


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