気ままにかしまライフ

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イブキジャコウソウのミツバチヘギイタダニ駆除効果再確認

2021年07月11日 | 日記

6月21日、ミツバチヘギイタダニ駆除のため切り取った有蓋雄峰巣房の中を調べていたところ、沢山のダニが発生している巣箱を確認した。切り取った有蓋雄峰巣房を割った写真1では8匹が確認出来る。

写真1 切り取った巣房を割ったところ(矢印の先にミツバチヘギイタダニがいる)

 そこで、シュガーロール法によりこの巣箱のダニ寄生率を調べてみた。写真2にはミツバチが約200匹と粉砂糖(おおさじ2杯)が入っており、容器をローリングさせミツバチに粉砂糖を十分にまぶし、1分静置した後、写真3のように容器から粉砂糖を振り出し、その中にいるミツバチヘギイタダニをカウントするという方法である。しかし、やり方が悪かったのか、落ちてきたダニはゼロ。

写真2 シュガーロール用の容器(蓋はメッシュになっている)

写真3 容器をさかさまに振り、容器の蓋のメッシュから砂糖を振り落とす

シュガーロール法では寄生率はゼロということになったが、ミツバチヘギイタダニが存在していることは間違いが無いため、ここでイブキジャコウソウの効果を確かめる実験をすることにした。

 準備したのは、イブキジャコウソウの生葉(100g)を玉ねぎネットに入れたものと、目の細かいトリカルネットにガムテープを張り付けたもの2つ(写真4)。切り取った雄峰巣房からダニの見つかった巣箱は継箱を継いでおり、上下で17枚の巣板が入っている。この巣箱の底にトリカルネットに張り付けたガムテープの接着面が上になるように巣箱の底に敷き、イブキジャコウソウの入った玉ねぎネットは蓋の下に入れた(6月21日)。

写真4 トリカルネットにガムテープを張り付けたものとイブキジャコウソウ生葉

写真5 イブキジャコウソウを入れたところ

 そして、本日(7月11日)この巣箱の底に入れたガムテープを張り付けたトリカルネットを取り出してみた。写真6のように取り出したトリカルネットを通してガムテープ接着面を観察したところではダニはいないように見えた。しかし、ガムテープをトリカルネットから外して観察してみると、多数のダニが接着面にいることが確認出来た(写真7)。勘定してみると、凡そ90~100匹のダニが接着面に付いていることが判った。写真7ではよく分らないので、ガムテープ中央部分を拡大し写真8に示す。

 今回の結果から、イブキジャコウソウ単独で巣箱に入れてもダニ駆除の効果がある程度あることが確認出来たのではないかと考える。この結果を踏まえ、イブキジャコウソウ単独の場合(再試験)、イブキジャコウソウとアピバール併用の場合の効果比較を実施予定である。
 

なお、今年から始めた雄峰巣房の積極的除去法はまだ技術的に充分習得出来ていないため、駆除効果も現在のところ十分ではないことがイブキジャコウソウによる駆除で判った。つまり、春から行ってきた雄峰除去でダニが十分駆除出来ておればこれほどの量のミツバチヘギイタダニがトラップされなかったのではないかと考える。しかし、その一方で雄峰を除去しすぎたためか、産卵を続けていた今年生まれの女王蜂が突然姿を消すということも2度生じた。原因は不明だが、交尾不良で産卵出来なくなったことも考えられ、当然のことながら手あたり次第雄峰を除去していくことにも問題があり、どの程度の雄峰巣房除去をすればいいのかは経験を積んでいくほかは無いのかもしれないと考えている。

写真6 ガムテープを張り付けたトリカルネットを取り出した直後

写真7 トリカルネットから外したガムテープ接着面

写真8 ガムテープ接着面中央部拡大

 

 

 

 

 


イブキジャコウソウの開花

2021年07月11日 | 日記

和のハーブとされるタイムの仲間のイブキジャコウソウがミツバチの大敵ミツバチヘギイタダニの駆除に効果がありそうだということを自分なりに昨年見つけ、昨秋の初め頃から自宅で増殖させてきたが、そのイブキジャコウソウの花が6月中旬頃から咲き始め、ミツバチが訪れるようなった。

 なお、昨年イブキジャコウソウの効果を確認してから、かしまミツバチプロジェクトのビーガーデンから10株程(両掌に乗る程度)自宅に持ち帰り、積極的に挿し木などで増殖させたところ、現在驚くほどよく繁殖しかなりの株数となっている。


今年のダニ対策

2021年07月11日 | 日記

 2010年から趣味としてミツバチの飼育を始めてから11年が経過したが、年々西洋ミツバチに寄生するミツバチヘギイタダニが駆除しにくくなり、ダニによって様々なウィルスが媒介され、そのウィルスの影響でミツバチの翅が縮れたり、巣箱のまわりを徘徊して死んでしまうなどの被害が見過ごせなくなってきている。その上、ミツバチヘギイタダニの駆除剤として承認されている薬剤も耐性ダニの出現により効きにくくなるなど駆除の選択肢が限られてくることになっている。

 昨年、駆除剤として承認されている薬剤「A剤」が全く効果を発揮せず、ダニが大量に発生してしまった蜂群にイブキジャコウソウの生葉と、駆除剤として承認されているもう一つの薬剤「B剤」を同時に巣箱に入れて見たところ、大量のダニが巣箱から這い出して死んでいるのを確認することが出来た。詳細を記したブログはこちら

 一方、2021年はダニ駆除に関してイブキジャコウソウもさることながら、従来と異なる駆除法も試してみようと考えた。その一つが養蜂産業振興会報(No.4 October2020)「蜂児を用いたトラップ式ダニ駆除法-ナイフ1本でミツバチヘギイタダニをコントロールする-(山口冨生)」、付録DVD「蜂児を用いたトラップ式ダニ駆除法」である。これは巣礎を使わず、ミツバチに自由に造巣させると雄峰巣房が沢山出来るため、そこで誕生しようとする雄峰の有蓋巣房を切り取ってしまうという手法である。

ここには、写真1のように巣礎を張らない巣枠を用いて巣枠全体を自由に造巣させる方法と、通常の巣礎を張った巣枠の針金の下部分の巣礎を切り取り、この切り取った部分を自由に造巣させる方法の二通りが紹介されている。いずれも自由に造巣させるとほとんどの部分が雄峰巣房になるので、この巣房で生育している雄峰を有蓋蜂児の時点で取り除いていくというものである。ミツバチの幼虫に寄生して繁殖するミツバチヘギイタダニにとっては、有蓋蜂児期間が働きバチよりも長くなる雄峰に寄生する方が多くの子孫を残せるため、ダニも選択的に繁殖巣房として雄峰巣房を選ぶため、この性質を利用した駆除法である。

 今年は4月初旬に写真1の巣枠を全ての巣箱で1枚挿入し、雄峰有蓋蜂児が出来た時点でこれらを切り取り除去した。この操作を全ての巣箱で1~2回繰り返した。

その後、当然のことながら蜂場全体で雄峰があまり見かけなくなり、新女王蜂更新に支障が出そうだと考え、5月からは巣礎を張った巣板の下段針金の下の巣礎を切り取った巣枠を使った雄峰駆除をするようにし、それ以外に出来た雄峰巣房は除去せず適当に雄峰の誕生も許すようにし、現在もこの処置を継続している。

写真1 針金だけを張った巣枠 

写真2 巣板の下段針金の下部分巣礎を切り取り自由に造巣させた巣板

写真3 写真2の雄峰巣房の切り取り