我が家から稲敷に行った日本ミツバチ蜂群が、残念なことに、先日逃去してしまいました。巣
箱の中に残った巣板は頂けることになりました。
重箱式巣箱の中で大きくなっていた巣板です。でも卵、幼虫、蛹は全く見あたりません。
結局、凡そ4kgの巣板を回収しました。ごく一部に蜜蓋が掛かり、熟成したハチミツが残され
ている巣房もありましたが、その巣房の裏側は貯蜜無しの巣房となっているなど、やはり貯
蜜量はとても少なかったです。但し、蜜蓋の無い巣房に少しだけ貯まっていたハチミツは発
酵が始まっているのか、舐めてみると酸味が少しきつかったです。
この巣板を袋に詰めて、これから蜜蝋の精製を始めます。昨年は袋は使わず、水の中に巣
板を入れて煮詰めて蜜蝋を溶かし、溶け出した蜜蝋と不純物が自然に分離するまで静置し
て冷却する方法で行っていました。しかし、不純物を分離するために何度も溶かしたり、固
めたりを繰り返す必要があったため、今年は最初から袋の中に不純物が残るように考えて
みました。
コンロで暖めているところです。この状態の時に出来るだけ、袋は鍋の底に押しつけておく
方が溶けやすいようです。
これが鍋の上で固化した蜜蝋です。一度の精製で比較的綺麗な蜜蝋が採れました。まだ
細かな不純物がありそうなので、まだ精製は繰り返す必要がありますが、やはり袋に入れ
た方が、最初の大きな不純物を取り除くのには効果的でした。
精製を繰り返し、綺麗になった日本ミツバチの蜜蝋は植物オイルと一緒に湯煎して溶か
すと、肌に優しいハンドクリームやリップクリームなどが出来上がります。因みに、ハンドク
リームやリップクリームを西洋ミツバチの蜜蝋で作ると、人によっては、蜜蝋に含まれるプ
ロポリスの強い抗酸化作用などの刺激に反応される方がおられるそうです。日本ミツバチ
はプロポリスを生産しなので、安全という訳です。
因みに、これが蜜蝋精製後の袋に残った滓です。ミツバチの幼虫が蛹になるときに巣房の
中に作った繭や、スムシの繭などの滓です。スムシの幼虫も多数含まれていました。
結局、凡そ4kgの巣板から粗精製の時点で回収出来た蜜蝋は約400gでした。