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漢方薬処方に指針作成の試み

2010-05-08 06:27:40 | 漢方の四方山話

漢方 相談 健康相談は 福島県郡山市 きく薬局へ

お早うございます。昨日は シェーグレン症候群 慢性頭痛 過敏性腸症候群 風邪 の漢方相談がありました。

(朝日新聞2010年5月2日記事より) 厚生労働省は、医師が漢方薬の処方を選定する指針を作成する目的で、今年度より全国11の病院施設で患者のデータを蓄積し、体質・症状と漢方薬の効果との間に一定のパターンを見つける事で治療の標準化の指針を作成する試みを始めるとの事です。

この話は、我々漢方薬の専門家の視点から見ると、現在の医療の中での漢方薬の使われ方の不自然さを何とか是正しようという試みの様に思えます。

漢方薬は、西洋医学とは体系の異なる東洋医学の中で用いられて来た薬です。そもそも東洋医学とはサイエンス(科学)ではなく経験に基づく医学として発展を遂げて来たものです。病名に捉われず患者さんそれぞれに合わせたオーダーメイドの処方選定が出来るのが漢方薬の優れた長所です。

漢方を本当に理解するためには東洋医学を基礎から学ぶ事が大事なのですが、現代医学の理論で考えて処方しようとする処に無理があります。その結果、医師が漢方を処方するには病名や診断名で処方選定をしないと保険が効かなくなるというデメリットが生じ、多くの医師が 「漢方は効かない」 とか 「漢方は理解出来ない」...という認識を持つに至っております。

このような現状ですので、医療機関で患者さんが漢方薬を服用した結果を集めて、その統計を分析して処方選定の指針を作ろうとするのではどんな物が出来上がるのか?...それよりも大事な事は両方の医学の得意・不得意な分野を理解して、現代医学で効果の挙がらなかった病や症状に漢方薬の効果を発揮させるという事だと思うのです。

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