目指せ!映画批評家

時たまネタバレしながら、メジャーな作品からマイナーな作品まで色んな映画を色んな視点で楽しむ力を育みます★

東京タワー ★★★

2005-08-24 15:10:51 | ★★★
男と女は言葉や容姿ではなく空気で惹かれ合う。
人の内面というのは言葉や容姿だけではわからないものです。

そして言葉や容姿以上にその人の持つ空気は雄弁で、そういうものは目と目で通じ合ってしまうものなのでしょう。

「東京タワー」をみました。
ここまで映画が自分にリンクするということもなかなかないですね。
不倫は犯罪ではないけど社会的に見れば「よくないこと」。
自分がしたことは等しく自分に降り懸かります。


この映画は情熱的で綺麗で純粋です。でもそういうものが誰かを深く傷つけます。岸谷五朗演じる夫は「殺してやりたいよ」と冷ややかに言い放ちます。しかし心中はまさにそうだったのでしょう。

映画が言いたいことを観客が感じ取るのではなく、観客が勝手に映画から何かを感じ取るのが映画です。
その何かは人によって違うわけです。普段は客観的に論じるblogなわけですが今日はどうにもそういう気分ではないようです。

私はこの映画を見て「製作者が意図した年齢や立場、夫婦間というハードルを越えた純愛」を冷ややかに見ていました。

百人いたら百通りの愛がある。

その全てを理解するのは難しいですね。

でも色んな愛の形があって色んな人がいることはわかります。

映画は音楽と同じように人生の友人であり先輩であり自分自身を写す鏡です。

その友人は私に同情したり、知りたくないことも教えてくれます。

今日も私に人生を教えてくれました。



ちなみに映画としてはまあそこそこ面白い映画でした。綺麗な映像でした。

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