目指せ!映画批評家

時たまネタバレしながら、メジャーな作品からマイナーな作品まで色んな映画を色んな視点で楽しむ力を育みます★

仮面ライダーフォーゼ&オーズ MOVIE大戦2011 MEGAMAX ★★★★★

2011-12-11 19:34:28 | ★★★★★
仮面ライダーフォーゼ&オーズ MOVIE大戦MEGAMAX ★★★★★

TVシリーズの仮面ライダーオーズが終わって仮面ライダーフォーゼが始まって三ヶ月、ここまでの映画体験をさせてもらえるなんて思ってもみませんでした。
★五つは当然、TVシリーズをきちんと見てる人に限られる評価かもしれませんが、少なくともアギトのプロジェクトG4に始まる平成ライダー映画の中では最高傑作確定です。特撮、いや、ヒーロー映画の括りで観ても安定感抜群、アクションてんこ盛り、そしてまとまりのある映画でした。
それにしても一つずつのエピソードを思い出すとバラバラにも思えるのに、きちんとまとまってます。これはひとえに財団Xの存在が大きいですね。きちんとWのTVシリーズの頃から黒幕的存在として暗躍してきただけあって、一本筋の通った悪の組織になってます。NEVERにもゾディアーツにも鴻上ファウンデーションにも「出資」という形で関わってましたよー、というのは中々に面白い。よく特撮ファンの間では無限に暗躍する悪の組織の開発費や活動費などの「資金源」が気になるって話になりますが、こういう存在が居ると納得性が格段に上がります。この設定は今後も活かせそうですね。
ディケイドで一区切りついたのか、今回は平成ライダーはW、オーズ、フォーゼだけ。そして、昭和ライダーも一号からストロンガーまでとなっています。ライダーの場合、登場してないライダーもどこかで戦ってる、と思えるからこれくらいの人数の方が描きやすくていいですよね。ストロンガーまでの理由は学園祭の仮面ライダー部のハリボテシーンでわかりますよね。フォーゼのキャスト、ライダー部の面々の役名が歴代ライダーのアナグラムというのは前から言われてることでしたが、ここへ来てこういう形で描かれるとはね。

さて、今回はネタバレメガマックスです。




映画は隕石が落下してくるところから始まります。そして、昭和ライダーたちの戦闘から始まるわけですが、今回はストロンガーまでに絞ったおかげでここで一つの役得が生まれます。残念ながら今回も中の人登場は叶いませんでしたが、各昭和ライダーの必殺技がしっかりと描かれます。後半ではV3の反転キックやXのライドルスティックを使ったXキックなどもワイヤーアクションたっぷりで見られます。(最高!)
ライダー2号のライダーパンチもしっかりとしたエフェクトで描かれていてSPIRITSっぽさがあってすごくよかったです。坂本監督、ワイヤーの人というイメージが強いですが、この2号のライダーパンチでは重みの表現もうまくできていて、かなり嬉しかったですね。あ、ちなみにライダーパンチは後半で観られます。

オーズ編からまず始まります。早速未来からの来訪者によって大変な事態になります。
暴走したコアメダルの化身と40年後の仮面ライダーアクア。今回のオーズでのゲストキャラと設定は中々に奇抜ですが面白いと感じます。しかも、事態の発端はやっぱり年老いた鴻上会長というオーズの少ない登場人物で完結、という特徴を活かした展開になってます笑。
40周年記念に40年後のライダーが出てくるというのは中々に素敵な設定です。アクアはあまり主人公っぽくはないデザインですが、40年後にも仮面ライダーがコンテンツとして残っていて、彼が主人公のTVシリーズが展開されたら素敵だな、と思わされます。水が苦手な水の力で変身するライダーというのも面白い設定。彼が水への恐怖を克服し、成長する、というのもまた一つのこの映画で描かれてるわけなのですが、この短時間でよく描けてるなあ、と感心しました。そして、アンクの登場。今回は、刑事さんの肉体を使わずメダルの力だけで人間体を維持してる、という設定。彼の復活の謎はそれほど難しい謎ではないものの、そこが一つのフックとしてオーズ編は展開します。ちゃんとオーズ編の最後でバックトゥザフューチャー的な展開で説明してくれます。
510さんと伊達さんも登場。残念ながら彼らははあまりいいところが無く、バースも伊達さんのプロトタイプは初戦敗退と残念な引き立て役になってしまいました。バースのテーマ曲ってかなりカッコいいのですが…。そして、登場時のイメージか、伊達さんのバースって、かなり強いイメージあったんだけどな…(^^;;今回は、セルメダルでのアタッチメントもあまり登場せず。510さんのバースもブレストキャノンまでは撃たせてもらえたものの、結局強制変身解除、全治三週間と完全にオーズの引き立て役になってしまいました。

今回はクスクシエも知世子さんも里中くんもきちんと見せ場があり、オーズのメイン登場人物はしっかりと彼らの持ち味をスクリーンに焼き付けることに成功してます。せいぜい30分の間に本当にしっかりとしたストーリーテリングですよね。

個人的には映司がアクアに対して、パンツのことを説明するくだりが良かったなあ、と。TVシリーズ第一話から見せていた異常なまでのパンツへのこだわり。それは「明日の」パンツってとこらがミソなんだよ、って言うシーンは映司もまた仮面ライダーとして一年戦って来たからこそ、増した説得力を持っているように思います。僕らの心の中でずーっとTVシリーズの勇姿が焼き付いているからこその名シーンだな、と。
アクアの助勢もあり、なんとかコアメダルの暴走を止めることに成功して、アクアが未来へ帰っていき、未来のコアメダルが財団に奪われ、オーズ編は終了。

Wについてはテロップなしの短編が挟まります。まさかのフィリップ変身拒否(笑)により、まさかの仮面ライダージョーカー再登場。製作陣もファンも翔太郎単身で変身する仮面ライダージョーカーが好きなんだなあ。本編含めてまだ、数回しか出て来てないフォームなのに!(笑)
翔太郎のクールな三枚目は健在ですね。ライダーパンチがまた観れたのは本当に嬉しい。

そして、フォーゼ編。
今回は学園祭シーンからスタート。学園祭では様々な催し物をやってるわけで、この題材を使えば、TVでもいろいろできたはずですが…まあ、映画優先ですかね。

仮面ライダー部がしっかりと「部になってる」良いタイミングでの映画公開だったため、今回も彼らの「友情」を基軸に物語は展開します。
それにしても、リーゼントの高校生 弦太郎の恋という、子どもには少しハードルの高い題材をうまく描きましたね。初恋の相手がメタリックな宇宙生命体というのも可哀想な話ですが…。ターミネーター2を彷彿とさせる生命体が物語のキーの一つになっており、女性ライダー、仮面ライダーなでしこという飛び道具も登場。真野さんは中々にこの「実は宇宙生命体」というぶっ飛んだ役をうまくこなしてますね。月のシーンでヘルメット外して銀色の液体になってしまうシーンとか中々にアイドルにはつらい描写ですが…苦笑。嫌がる人もいるでしょうけど、しっかりこなしてるのは偉いなあ、と。仮面ライダーなでしこについては、まあ、ちょっと観てる方が恥ずかしくなるものの、許容範囲内かな…(^^;;ノーベルガンダムとか許せる人なら多分大丈夫かな、と。

弦太郎のデートシーンも中々に面白い。弦太郎は真面目な奴なので、今後、TVシリーズでは彼の恋模様は恐らく描かれることがないんだろうなあ、とも思いますが…。
男が泣いていいのは財布を落としたときと、失恋したときだ、ってのは中々に面白いセリフだよね。
ってか、マジで失恋というか、ほぼ死別に近い悲恋を経験させてしまうわけで、今回の劇場版での弦太郎の成長度合いたるや、推して知るべしですよね。彼の泣く時間を必死に作るために確保する仮面ライダー部の面々の優しさには本当に胸が打たれました。そう、どんなに敵が近くにいたって、泣きたいときがあるんですよ、男にだって。いやー、こういうワイワイガヤガヤな面々で繰り広げるトレンディドラマ的展開がフォーゼの真骨頂なのだな、と今後のTVシリーズも安心して観ていられそうだな、と確信するに足る展開の熱さを見せてもらいました。

そして、そこから普通にバイクで映司登場笑。そんなに近いの?学園と。(^^;;「友達はたくさんできた?弦太郎くん。」という映司の台詞にはしっかりと映司らしさが詰め込まれてましたね。

ここから、Wとも合流して四人揃い踏み。翔太郎と弦太郎が盛り上がって、それをフィリップが冷ややかに見てて、映司が冷静に止めに入るという、形で彼らの人となりを短時間で描き切る。坂本監督の手腕たるや、凄まじいものがあります。
ここからは、Wと別れてフォーゼとオーズは財団を追い、Wは彼らの追っ手を食い止めます。翔太郎はちゃんと映司と会った時の「ライダーは助け合いでしょ」という台詞を覚えてるというところが胸熱ですし、弦太郎に「先輩」と呼ばれてる絵がまた胸が熱くなります。二人で一人の仮面ライダーという、途中まではあきらかに半人前ライダーだった彼ら。仮面ライダースカルという大先輩ライダーの背中を追いかけ続ける二人にとってはむず痒くも悪くない展開だったに違いありません。このようにきちんと過去の作品をしっかりと踏襲した脚本になっており、過去の作品をきちんと観て来た人ほど楽しめる作品になってます。

完全にここからの後半戦はアクションてんこもりシーンでした。オーズは全コンボを披露し、次から次へと敵をなぎ倒し、フォーゼも各種これまで出てきたスイッチを活用して戦います。オーズのコンボは流石に大量の敵と戦うのに向いてますね。
Wもいくつかのメモリの組み合わせを披露してくれます。やっぱりW、かっこええ…そして、主題歌もばっちり流れるところにWへの愛を感じました。タイトルにこそ書かれてないですが、この映画のW率は結構高めです。残念ながら風都のメンツやアクセルや所長は出て来ませんが…(^^;;

そして、ラストバトル。オーズはここへ来てさらに未来のコアメダルで新フォームを披露。フォーゼもロケットの新フォームで成層圏バトルを繰り広げます。CGとワイヤーの上手いシームレスに見える組み合わせでハイスピードバトルを完璧に描いていました。

最後は、撫子とのxxxも少しだけあるのですが、その後の「恋ってほろ苦いね…」という先輩ライダー映司の優しさが痛い展開に笑わせてもらいました。オーズやWの面々の再登場を祈るばかりです。メインキャストも段々大物になっていくケースが多いですしね…。
そして、メテオが少しだけ顔見せし、ギャバンVSゴーカイジャーとライダーvs戦隊の映画予告でてんこ盛りの映画は終了しました。


はっきりと大傑作ですよね。ファンのツボをしっかりと抑えつつ、アクションは坂本監督お得意のワイヤーとCGの高次元の融合、テーマ音楽も惜しげもなく投入し、主題歌まで流し、新ライダーまで二人も出しつつ、強大な敵も何人も出しておきながら90分で全て収拾つける。(撫子が空から降ってきた理由だけが描かれてませんが気にならないレベル)きちんと台詞の端々にTVや劇場版の細かい伏線回収などをさせてるし、アクションもファンが観たいモノをしっかりと取り込んでる。こんなお得な大人も子供も楽しめる映画なかなか作れないですよ。ほんとに驚愕です。個人的にはかなりの上位ですよ、今年公開映画の中でも。


ライダーファンにはほんとにオススメです。


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