ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

接着剤の話 続

2015-05-26 10:30:23 | 文化
昨日は接着剤についていろいろ書きましたが、なぜ接着という現象が起きるかはなかなか難しいようです。私が昨年まで勤務していた会社は、この接着についての専門家が大勢いたのですが、誰に聞いてもすっきり納得できるような答えが返ってきませんでした。どうも接着という現象のメカニズムはいろいろあって、場合によって異なっているようです。つまり2枚のガラスに水をたらし、くっつけると簡単には取れなくなりますが、この場合と接着剤によって金属をつけるというのは、全く異なるメカニズムのようです。

そのうちの一つが、化合物間の弱い結合力を利用したもののようです。接着する物質の表面は、木や紙、金属などであっても、高分子化合物がきれいに並んでいる構造を持っています。この化合物と接着剤という化合物の間に、弱い結合力が働くと考えられているようです。この力は、イオン結合や疎水結合といった名前があり、これだけでも何種類のものが複合して働くようです。これを細かく説明するのは難しいし、あまり意味がないと思いますので、この程度でやめておきます。

主な接着メカニズムは、アンカー効果といわれている、いかり(錨)を下したようなイメージのようです。つまり金属やガラスのように表面がつるつるの物でも、分子レベルで考えると、分子と分子の間には隙間や穴が開いているものです。この隙間に接着剤分子が入り込み、そこで硬化することによって錨が形成され、強固な接着が起きるというものです。この分子間の隙間の大きさは、材質によって決まっていますので、入り込む接着剤分子の大きさを調整してやると、接着できる材質を選択できるわけです。
こういう工夫により、ガムテープなどの粘着テープも、何にでもくっつくが裏の材質には付かず、まいた状態で使うことができるわけです。

接着剤の硬化もいろいろな工夫がされており、2液タイプのものは混ぜることによって反応が起こり硬化したり、空気中の微量な水分が触媒になったり、空気中の酸素が引き金になったりと様々なようです。
私も高分子樹脂設計においては、このアンカー効果による接着を念頭にいろいろ試しましたが、なかなか理論どおり進みませんでした。やはり接着という現象は、単純な現象ではなくいろいろな要素の複合的なもののようです。

接着剤やのりを使って何かをくっつけるというのは、日常的にやっていることですが、そのメカニズムは予想外に複雑であるというような、身近な現象を調べると面白いというものはいろいろあるような気がします。

接着剤の話 あれこれ

2015-05-25 10:22:18 | 文化
先日本を読んでいたら、3Mの話が出ていました。3M(スリーエム)はアメリカの化学会社で、私の仕事との関連では接着剤メーカーで、「セロテープ」を商品化した会社です。本に書かれていたことは、ここの研究者が非常に弱い接着剤ができたので、その用途を探していたそうです。その結果開発されたのが、「ポストイット」とのことでした。本来役に立ちそうもない弱い接着剤を紙の一部につけることによって、付箋紙として有用な商品となったわけです。その後色々なメーカーから付箋紙は出てきましたが、一番使いやすいものとしてポストイットをずっと使っていました。

私はこの接着剤の進歩に感心していました。例えばカップ麺類のふたですが、ちょっとした力でピリピリとはがれ、接着部分もべとべとしたりしません。焼きそば類の水切り部分もそうですが、かなり強くお湯を切ってもはがれたりしませんが、ちょっと引っ張るだけで簡単に外せます。また雑誌類などの送付用のビニール袋にも、切らなくても簡単にはがせて、こちらはもう一度つけるとしっかり止まるような接着剤が使われています。たぶんカップ麺の開発には、簡単にはがれるが、力が加わらない限りしっかり密封できる接着が不可欠なような気がします。

余談ですが、20年以上前の話ですが、掃除のとき女房がガムテープをちぎって、絨毯の上をペタペタやっていました。どうもそれが掃除機では取れないような、絨毯の汚れを取るよい方法だったようです。それを見て私が、幅の広いガムテープを逆に巻いて、転がすようなものを作れば売れそうだと話していました。それから数年後いまのゴロゴロする掃除用具が売り出されました。このとき実用新案を出しておけば、少しは収入になったかもと残念がっていましたが、考えることは皆同じなのかもしれません。

このブログでも少し書きましたが、私は高分子樹脂合成をやっていました。こういった樹脂は薄い膜として使うのですが、それが簡単にはがれては何の役にも立ちません。いかに表面と強く接着するようなものを作るかが重要となってきます。つまり接着力というのも樹脂を設計する重要な要素となっています。そこで接着とは何か、接着剤でなぜくっつくのかをいろいろ調べてみました。すると当然のように思っていた、接着という現象は予想外に難しいことがわかってきました。
ここでわかりやすく説明できるかあまり自信はないのですが、続きます。

全仏オープンテニス トーナメント表

2015-05-24 10:33:39 | テニス
いよいよ今日から、テニスの4大大会(グランドスラム)の一つである全仏オープンテニスが始まります。この大会は、もちろん錦織がどこまで勝ち上がれるかが最大の小点ですが、そのほかにも色々注目点が多くずっと楽しみにしていました。開始に先立ちすべてのドローが決まり、トーナメント表が発表されました。これを見ながらあれこれ想像するのも楽しみの一つです。

テニス以外でも同じだと思いますが、トーナメント表は第1シードの選手が入るトップハーフと、第2シードが入るボトムハーフに分かれます。この2グループは決勝まで対戦することがありません。この二つをさらに第3シードと第4シードの選手に分けて、山と呼んでいます。錦織は第5シードですので、この4つの山のどこかに入り、準々決勝でその山のトップと当ることになります。前回のイタリア大会では、同じパターンでジョコビッチの山に入ってしまったため、準々決勝敗退となったわけです。現在ビッグフォーのうち、ジョコビッチは圧倒的に強く、最近の結果ではマレーも安定しており、この二人の山は避けたいところでした。

グランドスラムは出場者が128名と非常に多く、一つの山で32人もいるために大きな表になりましたが、これを眺めると錦織は第4シード・今回はベルディヒの山に入っていました。しかもボトムハーフですので、怖い2人とは決勝まで当たらない、つまりもっとも決勝進出の可能性がありそうなドローとなっていました。一番大変なのはジョコビッチ山で、このところ調子が悪く順位を下げてしまったナダルが、第6シードでここに入ったのです。ナダルは調子が悪いといっても、この10年間でフェデラーの1回を除く9回優勝しているクレーキングです。初優勝を狙うジョコビッチと準々決勝で対戦するという、ややもったいないような組み合わせになりました。

色々妄想していますが、こういったものはすべて下位選手と当る1~4回戦に勝った場合の話です。グランドスラムは5セットマッチですので、試合時間も長く体調管理が大変かもしれませんが、錦織はこのところしっかりしているようです。
そのほか日本人選手は、添田と伊藤が本戦出場で、若い西岡とダニエル太郎が予選を3勝して突破し、本戦出場となりました。グランドスラムに日本人が5名も出場するのは当然初めてで、これも錦織効果が出てきたのかもしれません。4人とも錦織と同じ山に入っていますが、いずれも1回戦でシード選手と当ってしまいました。ここを何とか勝ち上がれば、グランドスラムでの日本人対決という、夢のような試合が見られるかもしれません。

今回はWOWOWだけでなく、テレビ東京も生中継すると盛り上がっていますので、観戦する方も体調を整えしっかり応援しようと思っています。

テレビが故障しました

2015-05-23 10:52:02 | 日記
家のまだそれほど古くないテレビが故障しました。24日からテニスの全仏オープンが始まるので、かなり焦りました。

現在の家電は、ほとんど故障したりせず、5年・10年でそろそろ買い換えようかというまで持つのが普通だと思っています。やはり各部品の製造技術や組み立て技術が格段に進歩し、品質管理もしかっりしてきたためと思われます。家にもかなり多くの家電製品がありますが、古くなったのでそろそろ買い換えようかというまで、故障することはありませんでした。しかしごくまれに「はずれの機種」に当たることがあり、その場合は修理したり、運が悪かったとあきらめて買い替えるという感じでいました。

ところがこのところ、この「はずれ」を買ってしまうことが多くなってしまいました。まずパソコンが購入してから1年半ほどで、突然壊れてしまいました。メーカーやマイクロソフトに電話し、何とかデーターを取り出せないかを模索しましたが、重要なものはバックアップしてあったのですが、細かいものが消えてしまいました。このときはメーカーに出して初期化してもらいましたが、その後は何とか動いています。次が掃除機で、国産のサイクロン掃除機を買ったのですが、なんと3か月ほどでスイッチが入らなくなり、このときは新品と交換してくれました。

さてテレビですが、1週間ほど前に画面の中央からやや外れたところに違和感が出る程度でした。それもすぐ元に戻ったのですが、その部分が違和感程度から歪んだ感じになり、ついには縦線が出てきて、最後は全画面が縦線に覆われてしまいました。このテレビは近所の大型スーパーの2階にある家電量販店で購入したものですが、このごろすべての家電はこの店で購入しています。このメリットは、店が購入履歴の記録があるため、名前と機種を言うといつ買ったかとか、保証がどうなっているかがすぐわかる点です。このテレビは2年半ほど経っていたようです。

故障したことを告げると、すぐメーカーの修理部門から電話があり、次の日の午後出張修理に来てくれることになりました。まあ思ったより早い対応で、家に来てから1時間ほどで液晶パネルを交換して無事修理が終わりました。この修理担当のおじさんと、異常の確認をしている間雑談していましたが、現在の家電製品はすべて海外で製造しているためか、故障が増加しており非常に忙しくなっているとのことでした。結局テレビを見ることができなかったのは、1日だけでしたが、どうも1日の生活の中でテレビが占める時間はかなり多いようです。現在はネットを見たりいろいろ情報を得る方法は増えていますが、テレビはそれなりに重要な位置を占めているようです。

今回はメーカーの長期保証とかが適用され、無料で修理できましたが、テレビの故障というのは私の家では一つの事件となりました。

地方自治の問題?早く解決を

2015-05-22 10:23:15 | 時事
昨日大阪都構想の話を書きましたが、結局橋下市長の応援的な話になってしまいました。ついでに地方自治の問題というタイトルを付けましたが、それほど大げさなものではなく、単に私も迷惑しているので、市に早く何とかしてほしいと思っていることです。

このブログの農業問題の項でもちょっと触れましたが、私の住んでいる地域は非常に大規模な土地開発が進み、田畑がほとんどなくなり住宅地になってしまいました。新しく開発された土地にはそれなりの道路を作り、家が建っていきますが、昔からある道はいわば農道を少し広げた程度の細い道のままになっていました。しかし周りが宅地化されてくると、こういった道がいわば幹線道路となり、交通量が増えてきます。そこでこういう道の拡張工事も並行して進んでいきました。

上の図は自宅から300mほどのところにある交差点の略図です。左右に走る道路は県道で、隣の市との境界線となっています。図の上部が最寄り駅にからの道で、この交差点から200mほどのところが駅で、この道も駅前の整備とともに拡張され、広い道路になっています。少し遅れて私の方の市の道路も十分広く整備されました。ところが昔の交差点の角に立っているビルが(青い四角です)退去しないのです。昔は1階にコンビニがあり、便利だったのですが、周辺の拡張工事が始まる前に閉店になり、その後は健康グッズの販売や整体といったやや怪しげな店になっていましたが、数年前からは閉められたままです。

このビルが退去しないまま整備が進み、交差点ぎりぎりまで出来上がりました。この交差する県道はやや高い位置にあり、交差点直前が登坂になっています。新しい道は緩やかな登りにして、交差点直前は平らになるよう設計されているようですが、それが途切れているので、古い道になるところで下り、交差点に向かって急な登りになるという危険な状況になっています。駅からの道は、交差点で3車線となり、右折レーンができるはずが、左を左折車線としているため、ほとんど機能していません。そのためこの交差点は夕方など大渋滞してしまいます。

このビルを何とかできないのか、町内会の役員の人に話を聞いたりしましたが、県道の場合は強制撤去ができるようですが、市道はその権限がないようです。このような危険な状態なのですが、あまりにも危険な感じがするため、この交差点を通過する車は極端に減速しますので、幸い事故はないようです。
この奇妙な状態が3年ぐらい続いています。市も何とか説得を試みているようですが、ビルは私の市ですが、持ち主は隣の市のようで、対応が遅くなっているようです。このところまた一段と開発が進み、交通量も増えていますので、本当に早く何とかしてほしいものです。