ごっとさんのブログ

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日本の農業問題

2015-05-14 12:04:36 | 時事
このところテニスや囲碁という遊びについてばかり書いていましたので、少し時事問題について考えてみます。この日本の農業問題については、1か月ほど前取り上げたのですが、そのままになっていました。先週ぐらい新聞でも大規模農業の問題的な特集がありましたが、ほんとうにこれからどうなっていくのか、先行きは暗いような気がします。

もうずいぶん長い間、日本農業の従事者の高齢化と後継者不足が問題とされています。これは何か根本的な施策がなければ、解決は難しいはずなのに、政府を含め関係者は何ら手を打っていないような気がします。
これは私の独断と偏見ですが、日本の農業問題の発端は、戦後の農地解放から続いているような気がします。農地解放以前は大地主がいて、多数の小作人を使い農業を進めていました。この多くの土地を実際に耕作している人に所有権を移してしまうという、いわば画期的な改革でした。たぶんこの時期は、まだ機械化など全くなく、農作業すべてが人力によるものでしたので、一人が耕作する面積も少なく、農地解放によって小規模農家が無数に生まれるという事態が起きたと考えられます。

農業の機械化が進むまでは、小規模農家であっても2毛作を行ったり、いろいろ工夫をすることで、専業農家としてやっていけたのだと思われます。しかし機械化が進んだり海外から安い食品が入ったりしてくると、当然打撃を受けるわけです。この時期の政権は、いかにこの小規模農家を守るかという方向で施策を進めていました。そのため農地法をはじめとする現在の農家を守るための法律で、企業としての農業を徹底的に排除してきたのです。

もう一つの問題が販売です。農業生産者があまりにも多いため、個別の農家が販売することが実質的に難しい状況でした。そこで農業協同組合いわゆる農協ができたわけです。この制度もある程度機能し、日本の農業に貢献してきたことは確かです。しかし農業の生産と販売を分離し、販売を一手に引き受けてきた農協の力が強まってきたことによって、農業の近代化の大きな阻害要因になったような気がします。

最近、農家が直接スーパーや飲食店と提携し、新鮮でおいしい食品を直接納入することで利益を得ているといった報道をたまに見られますが、これは農業全体から見れば極々わずかな取り組みです。生産と販売を農家が独自で進めていくというのは、本来あるべき姿ですが、これを広げていくには、あまりにも生産数が多すぎる気がします。
やはり海外からの農産物の輸入など、特に現在TPPなどが問題になっている状況では、やはり日本の農業も大規模化を進める必要がありそうです。この点についてはまた続けます