ごっとさんのブログ

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コーヒーの成分カフェイン

2015-08-22 10:25:24 | 化学
今回はコーヒー中に含まれる、カフェインについて書いてみます。カフェインという化合物は、遺伝子であるDNAの構成成分である核酸の(正式には核酸塩基と言います)一種であるアデニンの誘導体と定義されます。

DNAは4種の核酸が並んでいますが、そのうちのアデニンとグアニンをプリンと呼んでいます。最近のビール系飲料の宣伝に、プリン体ゼロということを謳っていますが、これが核酸のプリンのことです。プリンは特に体に悪いということはないのですが、これを摂取すると体内で代謝され、尿酸という化合物になって排出されます。

余談になりますが、この尿酸は毒性など全くありませんが、水溶性がやや低い性質を持っています。ですから血中濃度が溶解度より高くなってしまうと、結晶が析出してしまいます。この尿酸の結晶は、非常に鋭い針のような形となり、この針先が神経を刺激し激痛が出る病気、それが痛風です。ですからプリンは痛風の原因といえなくはないのですが、通常の食事でかなり大量のプリンを取っています。ビールなどを飲んだからといって、それほど大量のプリンが入っているわけではないので、痛風とはほぼ無関係と思われます。

さてカフェインに戻りますが、アデニンと構造が類似しているため、摂取するとアデニン拮抗作用が現れます。具体例としては、興奮作用や利尿作用などですが、そのほかもかなり色々な作用を示すようです。多くの核酸が結合して高分子のDNAとなり、重要な情報伝達物質として働くのですが、細胞分裂をするときには当然遺伝子は複製され、新たに作り出されるわけです。ですからその原料となる核酸類も常にストックされています。こういった核酸類が、高分子化しない単独の形でいろいろな役割を担っているわけです。

カフェインと類似した物質もかなり多く、代表的なものがテオフィリンでこれは日本茶の成分です。カフェインとテオフィリンは非常によく似ており、私でも区別がつきにくいほどです。当然作用もほぼ同じですが、カフェインのほうがより明確に出るような気がします。カフェイン類の毒性や危険性もいろいろ言われていますが、それほど問題になるほどの強さはありません。嗜好品の中に入っているものですので、それほど大量に飲むものでもありませんし、含有量も非常に低いのでよほど飲みすぎなければ、問題はありません。

コーヒーの豆やお茶の葉が、なぜこのような化合物を作っているのかは全く分かりませんが、こういった物質も人間になくてはならないものとなってきているようです。