奈良の魅力を発信

奈良のグルメ情報や史跡・名勝・万葉集・古事記・日本書紀・昔話のゆかりの土地を紹介します
ので、よろしくです!!

奈良の昔話(龍田大社と風の神)

2020-01-02 15:01:54 | 地域と文化
奈良の昔はなし~龍田大社と風の神~
 「水の神」を祀る北葛城郡河合町の廣瀬神社に対し、「風の神」を祀る生駒郡三郷町の龍田大社。
両社とも創建は古く、遠く崇神天皇の時代にまで遡ります。龍田大社は、風水害・凶作・疫病を鎮め、五穀豊穣を祈って祀られたとされるます。今回は、そんな由緒をもつ龍田大社にまつわるお話しです。
昔、元(げん)という大国が、我が国を攻め取ろうと大きな船団を率いて九州近くまで迫ってきました。
困った我が国は大きな石垣を海岸に造り、番人を置きました。
いよいよ、大船の軍団が九州の玄界灘に姿を見せたのです。我が国の軍はいつ上陸するかと待ち構え、大きな梯子や引っ掛けるクマデもたくさん用意しました。だが、敵はなかなか上陸してきません。
我が国のあちこちの神社やお寺では、敵軍調伏(ちょうぶく)の祈願が始まったのです。龍田大社でも、日夜、熱い祈祷が続けられました。
すると、ある晩のこと、龍田大社の裏手からにわかに空が曇ってきたのです。天地が大鳴動し、恐ろしい黒雲の中を、大きな竜巻が天へ昇り始めたのです。
やがて、それは大きな袋の玉となって舞い上がり、雲に乗って西の方へ飛んでいったのです。
九州では、元の国の大船が、すでに玄界灘まで攻めてきていたのです。さあ、大変です。
ところが、不思議なことに、その船団の上で、龍田大社から飛んできた袋の玉が破れたのです。そして、それが大暴風雨となって敵の船団を吹き飛ばしてしまったのです。
こうして、わが国は国外からの攻撃を無事に逃れることができたということでした。

元(蒙古)は、昔、中国にあった大国です。皇帝フビライは朝鮮半島の高麗を征服し、日本にも大軍をもって二度も攻めてきたのです。だが、北条時宗に命じられた九州武士らの奮闘と暴風雨によってともに撃退したのです。これは鎌倉時代の中頃、実際にあったできごとです。
~昔はなしゆかりの地「龍田大社」~
古来、歴代の朝廷からも深く信仰された神社です。社伝によれば、第10代崇神天皇の時代、国内が凶作や疫病の流行に騒然としていたさなか、天皇の夢のお告げ通りにお社を造営すると、作物は豊作に、疫病は退散したと伝えられています。それが、龍田大社の創建と伝えられています。
・・・風鎮大祭・・・
毎年7月の第一日曜日に行われる神事で、午前の神事は、災害、疫病を鎮め、豊作を祈願する古式ゆかしい祝詞の奏上に始まり、巫女による龍田神楽(かぐら)、剣舞、居合抜きなどが奉納されます。
午後は、風神太鼓などがあり、夜は、圧巻の風神手筒花火の奉納があります。これは三河(愛知県)伝統の古い形の花火です。宮司をはじめ、一般参拝者も一緒に両手に筒を持って並び、次々と点火されるのです。花火の火柱は約5m。火の粉が夏の夜空を勇壮に舞って、祭りは最高潮に達します。
龍田大社へは、JR大和路線三郷駅から北へ500mほど行ったところです。
新しい年を迎え、初詣に是非おこしください。