渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

いてもいなくてもいいが、味のある役

2021年01月27日 | open



『山猫は眠らない 5』(2014)は、
とてつ
もなくつまらない映画作品だ
った。

ベケットの息子もヘタレだし、親父の
ベケット(トム・べレンジャー)も、
動き
がしどすぎるし。あるシーンでは、
索敵中
なのに腹が出過ぎているから
ズボンがずり
落ちて来て、股下から
数十センチ下に
パンツの股がある(笑)。
ないわ。
動けるわけないだろが。兵士では絶対に
ありえない。
軍パンがすべて股上が異様に深いのには
意味がある。

ただ、このおっさんがとてつもなくいい
味出してるよ~。

役どころとしては、いてもいなくても
よい
キャストなのだが、役者の演技が
どう見て
も兵士の動きを忠実に再現して
いた。

銃のバッグを担いで岩山の村を行く
シーン
は、まるでフォークランド紛争
の時の英軍
兵士そのものに見えた。

脚をちゃんと上げているでしょ?
それと足の爪先。行軍や通常歩行や
ラッ
シュでは爪先外向けの外足には
絶対に
しない。爪先開きは直立敬礼
の時だけだ。

動体能力を出さねばならない時には、
爪先は真っすぐに前を向ける。
これは戦闘兵士の
鉄則だ。

軍事経験がないとしたら、演技でこの
ように本物の兵士の臭いを出している
ならば
、大した演技力だ。
これなんて、もうモノホンの傭兵だも
んね(笑)。空気が。


こういうの見ちゃうと、『エクペン

ダブルズ』がどんだけチャチなのか
よく分かる。
『山猫は眠らない 5』も、この俳優さん

が出演していなければ、救いようがない
映画だった。

映画『ワイルドギース』(1978)では、
トッシュ役のユーリを見ていて「あ。
この人、本物」とか思ったら、調べる
と本当にマイク・ホアー中佐の部下の
元傭兵だった俳優さんでしたという、
笑えないオチがあった(笑)。
それと、劇中、どう見てもこの人
モノホンという人が何人もいたが、
テロップでは氏名さえ出てきていな
かった。イアン・ユーリは現役を引退
していたが、1978年時点で本物の現役
傭兵が多分多数エキストラで出演して
いたのが映画『ワイルドギース』だっ
たのだろうと思う。


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