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渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

オルファワークス サンガ

2021年03月17日 | open
 
世界で初めてカッターナイフを発明した
日本の刃物メーカーのオルファ。
1960年代に登場した折れる替え刃をもつ
カッターナイフは、それまでの文房具の
歴史を革命的に一変させた。
また、工作や作業用ナイフとしてもカッ
ターは世界史的に功績を残した。
その日本のオルファが最近アウトドア部門
の製品開発に力を入れている。
その部門はオルファワークスというブラン
ドとして、最近アウトドア業界に食い込み
つつある。
 
そのオルファワークスが本格的なアウト
ドアナイフを開発し、4月下旬から販売
される。フィクスドのシースナイフだ。
構造は頑丈なフルタング。
ハンドルはねじ止め固定式なので、好きな
ハンドル素材で自主カスタムする事も可能
だ。
ブレードの身幅は広げず、伝統的な程よい
身幅にし、ブレードバックはケーパーと
いうにくい玄人好みのブレードシル
エット
にしている。


現在、爆発的ヒットとなっている
キャンプ用品
メーカー「ユニフレーム」の
FUブッシュクラフトナイフは、日本初
のマスプロメーカーによる初の国産
専用ナイフだ。
来月オルファから新発売される新型は、
ユニフレームとは差別化を図っている。
それは以下の点だ。

・ハマグリ刃
・ケーパーブレード
・ハンドルが交換可能

明らかに方向性と獲得目標をUFとは違う
方向に持って行っている。
 今の多くの人たちから「何を求められて
いるか」をかなりリサーチ、研究した製品
となっている。
それらとトラッドなナイフの基本の踏襲。
ナイフの命はトレンドではなくトラッド
だ。性能無視の奇抜な新規性などは必要
ない。
オルファワークスは、そのあたりをよく
押さえている。
これは、このナイフは期待できそうだ。
押さえどこのツボをピタリと外していない
ナイフ設計だからだ。
ユニフレームの設計と出来を観察して
いると、スウェーデンのモーラと
ヘレなどの北欧ナイフ全般を研究し、
それに別なサバイバル性を付与させ
た設計思想になっていた。
オルファは、UFナイフとは別な視点
での「使い易さ=汎用性の高さ」を
付与させるブレード構造を目指して
いることが前情報での画像から読み
取ることができる。
ブレードはあえて幅広にはせず、頑丈
な構造ながらも軽作業や細かいクラ
フトにも適したナイフを指標として
いると見受けられるのである。
UFブッシュクラフトナイフは、最高
の切れ味と切開力、割断力を持つが、
身幅が広いために細かい作業のクラ
フトが苦手というネックを持つ。
その点、北欧のプーッコなどは身幅
が細いので繊細な切り物工作が
やり易い。
ただし、プーッコはナイフによる
棒叩き巻割りには向かない構造だ。
今回発売されるオルファのナイフは、
そうしたこれまでのナイフのネック
をすべてカバーしてフォローアップ
するような構造設計になっている。
「使えるナイフ」としてかなり期待
できる。
もしかすると、汎用性の高さと頑丈
さから、モーラを全く売れない状況
に追い込む超絶爆発大ヒット製品と
化ける可能性を十二分に秘めている。
実用汎用野外ナイフの位置はオルファ
のこのモデルが制覇し、これまで大
人気のモーラは料理ナイフに転じて
しまうような状況も発生するかも
しれない。
これはUFナイフにとっては強敵現る
だ。
現時点で認識できる唯一の欠点は、
ストラップを装着できるソングホール
が存在しない事くらいか。
穴無しナイフは、野外活動では非常
に適応脆弱性を持つ場合もあるので、
ナイフのお尻には紐を通せる穴が
あったほうが良いのだ。
だが、このオルファの新型ナイフは
野外ナイフとして相当な完成度を見せ
てくれそうだ。

発売されたら私も購入して、いろいろと
野外フィールドで試してみようと思って
いる。
モノヅクリはほんのちょっとした事に配慮
するかしないかで機能性に大きく影響す
る。
物を作るという事は難しい。


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