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渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

アームレスト付のイス

2022年11月01日 | open
 

この手のアームレストチェアは、
実はあまり座り心地が良くない。
 
このタイプ。


こういう造形が座り心地が良い。


このように肘掛けが水平の設計の
椅子。これがいい。
肘掛けが前傾していると、両手を
置いた時に前に伸ばして宙吊りで
保持みたいな姿勢になり、疲れる
のだ。
アームレストは真っ平らな水平、
しくはやや手の先が上がる
造り
のほうが座った時に楽な
のだ。


椅子というのは、とても難しい。
インダストリアル・デザインに
ばかり走ると、本末転倒の作に
なりがちだ。デザイナーズ住宅の
多くが非常に使い勝手が悪い
設計
者の個人的悪趣味の建築
物になる
ように。
使う人の存在が念頭に不在だとそ
うなるのだろう。
 
そして、椅子のアーム付きは、低
すぎてまるで肘掛けにならない物
も最近は非常に多い。特に銀行や
公共施設に。あれはあれで意味が
ある。肘掛けに腕をもたれてゆっ
くりする設計ではないのだ。
アームレストは立ち上がる時の手
掛け用だろう。

古いコクヨのグレーの事務椅子な
どはとてもよく設計されていて、
極めて座り心地も良く、アームの
高さ、幅、長さも適切だ。
長時間のデスクワークも苦になら
ない絶品設計だった。
特に10シリーズのこのCR-5などは
名品で、非常に座り心地が良か
った。
現在、廃番。
肘掛けの設計が絶妙の逸品だった。


このカフェの椅子も実際に腰掛け
てみると、とても良かった。
座り心地が極めて良くて、家にも
欲しいと思った程だ
椅子は「ずっと座っていたくなる
椅子」というのが良い物なのかな
と。
 
ただし、昔、家具メーカーの人から
聞いた事がある。
飲食店の椅子は、回転を早くする
為に、極上の座り心地ではなく、
適度に軽度に疲れる椅子の設計を
する、と。苦にならない程で、座
地は良いのだが、過度な
長居は
できないような気持ち
にさせると
いう椅子。
カウンターの椅子の座面が小さい
のもその設計思想による、という。
なんだか予め一定期間で切れる事
を念頭に入れた電球開発みたいだ、
と思った。

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