マン島TTレースを親子で観戦。
最高だね。
2.1億回再生動画。
マン島TTレースは1907年(明治
40年)から開催されている世界
最古のモーターサイクルロー
ドレースだ。
イングランドと北アイルラン
ドの間にある英国領、人口約
8万人のマン島の公道を閉鎖
して毎年開催される。
日本からは片道18時間程。
往復格安チケットは2025年
現在で25万円程だ。
マン島TTレースは1970年代
半ばまでは世界グランプリ
にも組み込まれていたが、
退避エリアが一切無い公道
で行われるため、あまりに
も危険という事で世界選手
権グランプリからは外され
た。
当時の世界グランプリは公
道を使用したTT(ツーリスト
トロフィー)レースもいくつ
か開催されていた。踏切を
渡るGPレースもあった程だ。
元々モーターサイクルのロ
ードレースは自転車と同じ
く公道でレースが開催され
た。街から街へ誰が一番速
く到着するかを競い合った
のがレースの始まりだ。
なのでTT=ツーリストトロ
フィーという。
ツーリングの爆速版がレー
スのはじまりだった。
日本の暴走族は1970年代中
期に「ロードレース」と称
してチーム内で公道レース
を開催していた事は意外と
知られていない。集団騒乱
走行は周知だが。
そのロードレースとは深夜
の公道でA地点からB地点
まで約15km程を競争する。
通常の集会や集団走行とは
異なる催し。
但し、信号はすべて無視す
るマッドレースだ。
私の小中の同級生がチーム
S(新宿拠点)のそのロード
レースで優勝した。
クールダウン走行の時に四
輪車と激突して入院。
首の骨を折って死にかけた。
高1の時の事だ。
病院に見舞いに行ったが、
首を固定されて寝たきりの
彼にまだやるのかと尋ねた
ら、(暴走族の)ロードレー
スはもう参加しない、と言
っていた。チーム内でも上
手い奴だったが、集会の時
のように旗持ちが全て交通
規制して集団を通過させる
事もないマル走ロードレー
スは本当にマン島以上に危
険なレースで、まさにマッ
ドレースだった。
だが、それは英国の1950年
代~1960年代の二輪乗りの
不良たち=革ジャンで当時
のレーサーレプリカに乗る
ロッカーズがやっていた公
道TON-UP(時速100マイル=
160km/h超え)のストリート
レースと同じもので、二輪
乗りの闘争心の背景を持つ
ものでもあった。
そうした初期の日本の暴走
族の一面は本当に意外と世
間では知られていない。
多分、中にいた者しか知ら
ないのではなかろうか。
なお、暴走族からサーキッ
トを走る本物のレーシング
ライダーや四輪ドライバー
になった者も多かった。
その後、1970年代後半に入
り暴走族は変質し、走り屋
ではなくなり、サーキット
族という呼称消滅と共に暴
走族=暴力団予備軍のよう
になってしまった。
さらに、1978年12月の道交
法大改正以降は、かつての
暴走族は全滅し、チンタラ
くねくね走って騒音をまき
散らす妙竹林仕様に魔改造
した二輪や四輪の珍走団が
暴走族に取って代わった。
それはチバラギからやって
来て全国に広まったが、都
内では流行らなかったので
都内では普及していない。
田舎に行けば行く程チバラ
ギパターンが広まって、あ
たかもそのチンドン屋のよ
うな集団が暴走族であるか
のような誤認が全国に蔓延
した。
旧来の走りを売りにした暴
走族の系譜(漫画「あいつ
とララバイ」に出て来るよ
うな実在した二輪乗りたち)
は、1980年代に入り峠のロ
ーリングキッズとして復活
したが、80年代初期~中期
は単独走の峠の走りマンが
多かった。複数で走っても
せいぜい2台。
だが、それがやがて群れて
幼稚なあだ名で呼び合う集
団化し、山の下の集団珍走
団と同じく、走り以外での
主張に軸線を変えた。
猫耳をメットにつけたり、
尻尾をつけたり、ブラのよ
うに短い同じ揃いTシャツ
を着たり、レーシングチー
ムと自称したりしてる金髪
ピアスの若年層が増え、走
りではなく目立つ事のみを
主とする集団に変化した。
1980年代は峠の二輪乗りた
ちも初期と末期では激変す
る変化があったのが歴史の
事実だ。
そして、これも1970年代と
同じく、公道の本格派の走
りマンたちはおりからの
本物のロードレース人口の
増加に伴い、走りの場をサ
ーキットに移して行った。
バリ伝のグンと秀吉がそう
であったように。
ワンレースのエントリーが
500台、2人組でのレースの
エントリーが1500台3000人
という異様事態の年が続い
たのも1980年代だった。
通常練習のスポーツ走行の
チケットを取るのさえとて
も困難になった時代があっ
た。鈴鹿8耐レースに観客
が3日間で28万人も詰めか
けた頃。
英国のマン島TTレースは、
今でもロードレース開催当
時の形を残すもので、完全
に公道で競技が開催される。
現在はモナコF1のような一
斉走行競技ではなく、タイ
ムトライアルにより順位を
決定する舗装路ラリーのよ
うな競技になっている。
だが、街中の公道で300km/h
を超える速度でオートバイ
が爆走するレースだ。
先行スタートの遅いバイク
には追いつくので、街中で
バトルを観られる事もある。
エスケープゾーンが全く無
いので、毎年何人もが死亡
する。
だが、レースは続けられる。
危険だからと世界最古のロ
ードレースそのものを廃止
しようという声は、継続を
願う圧倒的声の前に沈黙す
る。
登山で滑落するとまず死ぬ
からと登山を禁止できない
ように、マン島TTレースは
人間の命をかけた挑戦とし
て続けられている。
【バイク】公道最速バトル!
世界一過酷な二輪レース
【マン島TTレース】
motorcycle isle of man TT