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渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

天然の幸

2023年08月16日 | open



のどぐろ(アカムツ)は一年中獲れ、
季節により味わいが異なる。
旬は冬とされているが、夏前の魚体
も美味しい。

広島県三原はタコが江戸時代から
湧くように獲れたが、今全く獲れ
なくなった。絶滅に近いほど。
理由は判明しているらしい。
異常気象で集中豪雨が続いた年
があり、淡水
と土砂が大量に海
に流れ込んで数年後に
海底の状
態とそれによる生体系が激変し
た為といわれて
いる。
蛸が生息するのに適していた

瀬戸内海の状況が一変したのだ。
甚大な被害をもたらした数年前

の異常気象の災害が海洋生物に
まで影響を及ぼした。
それが数年後の現在、タコの漁
獲量激減として現れた。
もしかすると、瀬戸内の三原湾
に蛸が戻ってくるのには何十年も
かかるかも知れない。
「三原はタコの町」という観光
キャンペーンも有名無実化する
だろう。JR駅でも「ようこそ
タコの町三原へ」という看板掲示
を取り下げた。

尤も、地元三原産のタコではなく
輸入蛸を使っていながら地元タコ
として店に出している料理屋も
あり、漁協や飲食店組合から批判
されていたケースもある。
だが、当該店舗はおかまいなしで
宣伝。

事情を知らぬテレビ局が取材に
来て「やはりタコの町、三原の
タコは美味しいですね」と出演者
が言って全国放送されたりして
いた。非常に宜しくない。
漁協と提携して本物の三原のタコ
を使っている店は、取り扱いの旨
を店頭
に正規表示している。
そして、漁獲量激減(というか
皆無に近い)の事情も表示して、
客に現状を説明している。まとも
な店はどの店も。

先日、和食料理店で家族友人たち
と親睦食事会をした。

タコ刺身とタコ天ぷらを頼んだ。
仲居さんに三原産か尋ねた。
三原蛸を扱う正式店舗だからだ。
すると正直に「国産ですが三原の
蛸ではありません。今獲れない
ので」と仲居さんは答えた。
真面目なお店だ。
ただし、残念ながらタコの味は
三原物とは
まるで違った。
やはり、三原タコは相当に美味
であったのだと再認識した。
その店で出されたのどぐろはおい
しかった。


多摩川の「カムバック、サーモン」
ではないが、「カムバック、オク
トパス」だ。
再び三原沖の海洋に蛸が戻る日が
来る事を願う。


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