渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

「キュー出し」について

2023年04月26日 | open
 


よくビリヤード界では「しっか
撞け」とか「キュー出し」
とか
呼ばれる事柄がありま
す。
技法に関する業界表現の事です。
これは具体的にはどんな事を指
しているのか。
答えは観念的な事ではない。
実際に物理的に行なうある事が
存在します。
それをすると、ある場面では
ロングシュートでもぶれない。
それは・・・。
 
ビリヤードでの玉の撞き方には
いろいろなショットがあります。
そして、手玉をヨレヨレになら
ずに撞いて正確なシュートをす
る時にはある技法がある。
全ての場面でも大切な基本なの
ですが。
ショットの時、ほんの気持ちだ
けキューを押し出す心持ちで撞
く。
インパクトの瞬間に玉が飛んで
行く感じではなく、押し出す感
じ。フォロースルーを取って。
パンチショットやスタンショット
では、撞きのイメージは寺の鐘
を撞く時のようにゴーンと当た
る感じのキューの動きですが、
インパクト後にも慣性を減衰
させながら
キューを先に少し
押してやる
イメージ。ほんの僅
かに。
これをやると玉の動きが明らか
に変わります。
実際の科学的に解析したタップ
と手玉の接触時間はコンマ100
分の何秒程も変わらない時間
すが、手玉の動きには確
実に変
化がある。
この僅か少しキューを押して
る感触で撞き出す方法が
「キュー
し」とか「しっ
かり撞く」と
う技法の内
実です。
「しっかり」とは「気を確かに」
という意味ではない。
「キュー出し」もキューをデロ
ーンと長く出す事ではない。
インパクトをどうするかの事な
んです。
ただし、その押し出しは、慣性
助長で勢いをつけるのではなく、
難しい言い方ですが、キューの
重みを慣性で手玉に伝えてやる
時に加速状態か減衰状態かが
非常に大切になる。
キューの前進を腕の振りで助長
してやって玉の向こうまで突き
抜く加速系ではなく、慣性力を
減衰させてやりながら、かつき
ちんと腕はストロークさせて、
キュー先で手玉にインパクトを
与えて、そしてそのままの軌道
でキュー先を少し出すような
イメージのショット。スッと僅か
に出すような。
押すといっても腕で押すのでは
ないし、ビローンと長く出すの
でも、キューを切らす時のよう
に勢いよく加速させて出すのでも
ない。
 
やってみてください。
手玉と的玉の様子が変わります
から。
「しっかり撞く」「キュー出し」
はショットの基本でもあります。
パッチンと当てたり、チョンと
突っついて手玉を転がしたりし
ない、という。
ただ、場面によってはキューは
ぬるりと出したり、ソロリと出
したり、パン!とやったりして
手玉にそれによるアクションを
与える事もある。
キュー出しが全て全域100%の
玉の撞き方ではない。
ただし、基本は「しっかりと
撞く」のが基本です。転がした
りチョン突きの当て玉、止め
当て玉はショットの中軸に
は置
かない。
 
土方隼斗プロがロングレンジで
も外さない秘密。
それは、キューを押し出してい
ます。しっかりと。減衰させて。
押し玉とかビローン出しとかで
はなく。
キューを適正に真っ直ぐきちん
と出している。減衰させて。
物理的に理に適った事をやって
いるからロングレンジでも外さ
ないんです。彼が薄玉が得意な
のもそう。
中距離までは誰でもシュート力
は変わりませんが、ロングレン
ジでのシュート力の差は、ショ
ットでのキュー操作がどうであ
るのか、という物理的な差異が
現出しているだけの事。
視力がよく言われますが、関係
ない。仮性近視で裸眼0.3位だ
とテーブル上の遠いボールなど
輪郭がぼやけて全くはっきり
見えません。手玉の撞点の
ピン
ポイントさえぼやける。
でも、それでも薄玉もロングも
ポンポン入る、という事実が
あります。これホント。
それはそうした薄玉やロングの
シチュエーションでは、普段よ
りももっと注意を払う撞き方を
しているからです。
それが「しっかりと」撞く事。
「ちゃんと」という意味では
ありません。強く突く事でも
ない。
「しっかりと」とは、具体的
な物理的な
ショットスタイル
の技法の類別の一つの事なの
です。
 
以上、特定スポーツ業界用語の
解説でした。
 
「しっかりと」撞く事で、ロング
で薄い玉というダブルの困難な
シチュエーションでも、的玉を
確にシュートインさせる事
きます。


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