渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

書籍『映画の中の奇妙なニッポン』

2023年02月27日 | open


以前も紹介したが、これはかなり
面白い。
よくぞ全部それらの映画を観まし
たね、といえる程、外国人が描く
映画の中の珍妙な日本人を調べて
いる。
メガネ出っ歯にゲイシヤ、サムライ、
ニンジャ、カラテ、カイジュウ・・・
ステレオタイプの脳力しか見せな
いのが外国人の日本人観だ。
ねらーみたいなもん。極めて不正
確の脳内妄想だが、固定観念から
抜け出せない。事実などどうでも
よく、てめえ勝手な思い込みを
「事実」だとしたがる。
今の時代でもそうだ。
現代といってももう20年前になる
が、世紀の珍作映画『ラストサム
ライ』では、士山のふもとに
江戸があり、そして中華建物が
江戸の街だったし、明治10年に
明治新政府軍のニンジャが出て
来た(笑
サムライたちが住む町はまるで
縄文時代のような集落(笑
完璧にアメリカ人のインディアン
への目線と同じ。
あの作品に感動した日本人がいた
としたら、そりゃ日本人への外国
人の典型的な誤解を認識できない
日本人にして日本知らずだろう。

洋画の中で描かれた日本人観で
極めて正確だったのは『レッド・
サン』(1971)での描き方だ。
三船敏郎演じる幕臣は、まさに
日本人そのものとして描かれて
いた。あれが本物。日本の武士
そのもの。日本人=武士ではな
いが、武士=日本人である。
あとは殆どが滑稽なチンパンジー
のように描かれている。中国人
との区別もついてないし。
無知蒙昧な外人ほどそれをやる。
どうしても日本人をチビにした
いようだ(笑

本書は、非常に事細かく、洋画
に出てくる日本人描写を追って
いる。
かなりマニアックな書。

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