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渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

ビリヤード場百景 〜出前〜

2022年03月10日 | open
 
今を去る事30数年前の昭和末期。
街のビリヤード場での食事は出前
が主だった。
マスターのおっちゃんやママさん
のおばちゃんに言うと、近所の
中華や蕎麦屋から出前を取ってく
れる。まだ飲食店が開いている時
間ならば。
大抵、どの店でもマスターやママ
が電話して言うセリフの言い出し
は決まっている。「ビリヤードで
すけど」なのだ。
大阪だと「ビリヤードでっけど」
だろうなぁ。
 
東京は辻を曲がれば蕎麦屋がある
程に日本蕎麦屋が多い。
あと中華。
店屋物といえば蕎麦屋の丼物か中
華が代表だ。
そして、東京の蕎麦屋のカツ丼は
やたらウマい。
出前はこういう出前バイクを使う
事もある。




だが、都内最強はチャリだ。
どこでも走れる。


また、近所の商店街の中であった
ならば、出前はおかもちを持って
徒歩で蕎麦屋の若い店員が持って
来てくれる事もある。
大概、数分程玉を見て油を売って
行く。
「てっちゃん、最近彼女とはどう
なんだえ?」
「いやぁ、サッパリっす」
なんて会話をマスターと交わして
出前持ちは「ありあとあしたー」
と言って帰って行く。
みんな商店街の仲間なのだ。
そうした家族的な街に溶け込む空
気が商店街の中の玉屋にはった。
それがとてつもなく良かった。
 
で、出前の蕎麦屋のカツ丼最高!


出前でなく、店で食べる時にはカツ
にはもり蕎麦もまずつける。これ
また東京もんの定番だ。
蕎麦だけなら、もり二枚で一人前
と考えてる。大盛りではなく二枚
もりね。これも東京の定番。
ザルはダメすよ。海苔で蕎麦の風味
消えるから。ザルしか無い店は蕎麦
屋じゃないすね。それ風。
そして熱い蕎麦湯は絶対にいる。
最後にむらチョコに注いで蕎麦汁
と混ぜて飲む。汁の返しがどんな
塩梅かよく分かる。


 
一人暮らしの時は出前もよく
取っ
た。
商店街近くの街中住宅街な
ので近
所の中華やそば屋が
出前してくれる。
風邪引いて寝込んで休んだ時と
出前だよな。
家で出前取る時は、丼は綺麗に
洗って外に出すけど、玉屋では
さすがに皆さんそのままだった
なぁ。
玉屋ではカツ丼が一番人気でし
た。
 
蕎麦屋のカツ丼って、なんで
あんなにウマいのだろう。
まじウマ。
 
目黒の玉仲間のA級の奴の家は日本
蕎麦屋だった。
うまいの?と訊いたら「日本一す」
と言う。
ある日突然行ってみた。
奴は驚いていたが、蕎麦もカツ丼
も確かにかなりウマかった。
日本一かどうかは知らないがウマ
い。
今もその店はやっているようだ。
町に生きるというのは、街の商店
たちと消費者が馴染みになる、
その
風景と雰囲がとてもいい。
八百屋さんに行って「奥さん、
きょ
うはこれが安いよ!」なんて
店員に
声かけられたりしてる風景
ね。
そういう町の空気がいい。
町は人の息づかいが感じられる
から
いい。息吹が。
 

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