『斬る』(1968年/東宝)
名匠岡本喜八監督作品だ。面白くない訳が
ない。実際に面白い。
ただ、一つも心に残らない。
なぜだろう。
中身はクロサワ『用心棒』や『椿三十郎』
によく似た物語なのだが、クロサワの両作
のように心に残らない。
そうした意識の背景に何があるのかは不明。
ただ、クロサワ作品は何度でも観たくな
り、現実として何度もこれでもかという
程に観る。『七人の侍』などは何度観た
か分からない。
しかし、この『斬る』(1968)はそうはなら
ない。
それでも、岸田森さんは良かった。
映画の持つ力というのは実に不思議なもの
だ。