渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

シャフトのニス剥がし

2022年11月27日 | open



私はシャフトのニス剥がしの境目
は、テープを巻いてサンドペーパー
でこすって剥がす事はしない。
それをすると境目が一直線になり、
なんとも無機質になるからだ。
使っていると、日焼けしたテニス
のソックスの足首の跡みたいに
くっきりとした直線明暗になる。
あくまで個人的な好みの問題なの
だが、私はランダムな紋様のほう
を好む。
ではどうするかというと、フリー
ハンドで日本刀研磨の焼刃の刃取
り研磨のような方法で境目をつけ
て行く。境目は不規則に乱れて刀
刃文のようになる。
その不規則性が絵となって面白い
景色を出す。
それがいい。あくまで私は。

なお、キューのシャフトのニス
剥がし後のシャフトの磨きは、
私は#1500までペーパーで磨く。
表面には一切打痕をつけずプレー
で使うが、私のシャフトはツルツル
のすべすべだ。
だが、使うと手垢が染み込んで
汚れて行く。
しかし、この汚れは乾拭きで清拭
するだけで、おしぼりで拭ったり
薬品で拭き落としたりしないほう
がよい。
使い込むと手脂のシリコンが木の
目に浸透し、木製のシャフトが抜
群の働きをするようになってくる
からだ。よく「シャフトを育てる」
とか「使えば使う程良くなる」と
いうのはそれによる。
1980年代あたりには、シャフトを
熱いおしぼりで拭く事が流行った
が、あれは木材にはよくない。
キューのシャフトは加水させる事
なく気乾させる事が重要で、外部
圧力としての湿気や水分の付与は
宜しくない。
それと、おしぼり拭いでは、折角
手脂のシリコンが染み込んで良材
促進となっているのを除去してし
まう。
プロの上級プレーヤーの木製シャ
フトが木なのに汚れたように真っ
黒なのは、あれは適正な手入れを
しているからだ。木材の経年変化
ではなく、手のシリコン。

全日本ジュニアで優勝、世界ジュ
ニア選手権で準優勝した経験を
持つ奥田玲生(たまみ)プロ。
ジュニアでは全世界で2位である
という事。世界中で彼女の上は
一人しかいなかった。
現在はプロとして世界戦に挑戦
している。


彼女は最近の「流行」には流され
ず、ノーグローブのソリッドシャ
フト遣いだ。
シャフトのニスは丁寧に剥がして
いる。


まだ若干二十歳ながら、トラディ
ショナルな正統派スタイルでプレー
する本格派。


目標は世界チャンピオンと明言し
ている。ハタチで世界に挑戦。
あと30年は現役トーナメント選手
でやれる。
奥田選手が世界一になる事を期待
する。
できれば女子部でチャンピオンだ
けでなく、男女混合の全米オープン
で優勝して、文字通りの世界一に
なってほしい。地球上では彼女よ
りも強い選手はいない、という程
に。かつての不動の女王ジーン・
バルーカスのように。


この記事についてブログを書く
« 手入れ | トップ | シールのリング »