渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

マックの値上げ

2023年01月17日 | open
 













物を知らないのは嫌だなーと思う。
かつて80年代中期〜90年代中期
まではマックのバーガーは1個210
円だった。
アメリカ人がおったまげてた。
アメリカでは70セント位だからだ。
だが、その日米差にはカラクリが
ある。なぜ円がどんどん高下する
時期に高額と値引きの抑揚となっ
ていたの
か。
そこには日米のレート問題とプラ
スの背景がある。
仕入れが円で安けりゃ(円高)
売り物も円で
安く、とはならない。

こちら8年前の別人のネット記事。













南米の某国では、マックは全撤退
だという。
その理由をその国の人は「自国に
は安くて美味しいハンバーガーが
いくらでもあるのに、あんなに
ボソボソのパンと冷凍ハンバーグ
など誰も食いはしない。それで客
が買わないから全て撤退」と説明
する。
私はその国からのマックの撤退は
別理由だと踏んでる。
フランチャイズでの厳格な時間守
り規則と経済理由が南米某国では
マッチしなかったのではなかろう
か。
作っての作り置きはマックは厳禁
だ。捨てる。
その国で食い物を15分経ったら
捨てるというのはあり得ないし、
また、時間を厳格に守るという
社会通念もない。
欧米や日本で通じる常識とビジネ
スプランはそこでは合わないだろ
う。金に対する感覚もまるで欧米
とは異なる。国民の平均年収は
日本円だと5万円にも満たない。
アメリカ資本のマクドナルドなど
はそこでは経営は無理。フランチ
ャイズだとしたら、尚更無理。
日本円で年収500万だとしたら、
その国では年収5億円になってし
まうのだ。
5億円収入の人しかマックなど食
べられないのに似た状況が起きる。
すべてをアメリカの1/100などに
はできないから。仕入れも売値も。
こりゃ無理だ、というのでその
国からは全国的に撤収したのだ
ろう。世界一位の国と世界最貧国
レベルの国では経済格差がありす
ぎる。
産業資本が海外進出する時の轍
であり、安い賃金(日本の1/100)
での製造生産としては旧後進国
はターゲット化できるが、消費
を求める外食産業や小売をその
国でやっても利益などは出ない。
全く出ない。
マックの撤退の理由はそれだろう。
むしろ、なぜ最貧国に米国資本の
外食産業が進出しようとしたのか、
その意図が不明だ。
 
日本でも、円ドルレートだけに規
定されない背景がマックのフラン
チャイズ契約には存在する。
それを知らずに、たかだか僅か値
上げしただけで騒ぐネット記事を
書くのは、何も解ってない。
そもそもマックは値上げしたり、
値下げしたりの繰り返しだ。
それはなぜか、なのだ。
多少値段が今より上がったからと
何だと言うのだ。歴史を俯瞰すべ
し。目の前の事しか見えてないと
本質は見抜けない。
30年以上前に210円時代があった
事を知れ、というやつ。そして、
それはなぜだったのか、と。
8年前のネット記事記述者はきち
んと歴史的変遷を経済的観点から
考察している。
 
それより遥か以前、ドル金兌換
停止以前、変動相場制以前は、
ドルは1ドル360円で固定だ。
日本人は法令で海外旅行さえ
自由には出来ず、政府から認可
された者のみが国外に出られ、
預金残高証明も必要だった。
私が子どもの頃はそれだ。
それが何を意味したのか。
歴史を知らずに今の目先の事
の不満みを語るのは、それは
ただのブーたれ文句でしかない。
俯瞰による客観的概括判断が
落しているからだ。
 
目先の狭いとこだけを見て物を
考える、物を言うのはあまりに
も愚かだ。
視野狭窄は石にけっつまずくよ。
情勢判断や状況判断ができてな
いから。
けっつまずいたのはてめえの責
任なのに、石のせいにしても仕
ないでしょうに。
「あろうことか」「驚くべきこ
とに」とか「何と」とか「もう
お分かりだろう」とか「まるで
嘘のようだ」とか言っても仕方
ないだしょ。石に躓くのは自分
なのだから。てんで前も後ろも
見えてなくて。
 

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