渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

なかなかよく考えられている設計 ~ベスパ~

2024年08月11日 | open


このイタリアのスクーター
なんですけどね。
シートのところ、運転者と
タンデムの境目に段が付
ているでしょ?

これがかなり有効。
運転している時、この段付
き部分に尻の後ろがキュッ
と当たって収まるのよ。
ほんの僅かな段差なのだけ
ど、これだけでホールド感
がかなり違ってくる。
とても安定する。
よく考えられているなぁと
感心するのす。

あとね、足(フット)は

宙ぶらりんでフロアに置く
のではなく、爪先は前に向
けたまま内カカトで車のボ
ディ真ん中の出っ張り(モ
ノコック補強のコの字型成
形部分)をキュッと挟むの
よ。膝は閉めて。
あるいは、直線では前側の
フレームのL部分の角を踏
む。つま先は外に向けずに。
そして、私はRの狭いコー
ナーではフロア後ろにある
タンデムステップを踏んで
バンクさせて旋回する。
これまたリアステップには
出っ張りがあるので、普通
のオートバイのステップの
ように使えて
便利。
 
このスクーター、乗ってみる
と分かるけど、本当によく出
来た二輪車ですよ。
個人的には、路面からステア
への情報伝達性をダイレクト
リーな方向に振っている設計
が非常に好ましく思える。
ぼやかしていない。
なので、前輪の接地感は極め
て感知し易い。
コーナリングでGをかけてい
くと、モノコックフレームは
ガチガチ
に固いのではなく、
適度にしな
やかにしなる。
極めてそれが
グラデーション
のようにプロ
グレッシブに発
生し、それがもたらす乗り味
はシルキーそのものだ。
ホントに滅茶苦茶良い二輪。
さすがスクーターの元祖、老
舗の味だなぁと感じる。

ただ、この車特有の前輪の
挙動や
特性を理解できない
人は、それの
意味が分から
ないのでこの
車は嫌うかも
しれない。乗り
味が独特の
味付けだから。「なんだこ
れ?」で多分終わるだろう。

ネタにすべて仕込みの仕事
をしていて本手返しをした
本物の握り鮨=
江戸前握り
=ではなく、皿
に載って機
械で押されたのが寿司だと
思っ
ていたり、握りにドロ
リと
した刺身醤油しかつけ
ない
感覚の人たちは、この
車の
味の違いも分からない
だろ
うと思える。
乗ってみて「あ、面白い」
とすぐに感じた人は、鮨と
寿司の違いも分かるのでは
なかろうか。
まあ、なんてのか、感性と
感受性の
繊細さの問題。
「腹に入れば何でも一緒だ」
とか言う人は論外ね。
それ、食品は野菜や肉とかで
食べる順番でも栄養学的にも
大きく異なる事さえも無視し
てるし。
「腹に入れば何でも一緒」と
いうのは実は無いのよ。
モーターサイクルもそうなん
だよなぁ。
車種や個体によって全部違う。
そして、その違いは、味の違
いがまず分からないと始まら
ない。

何がどう違って、それは果た
して何故なのか、てのが解っ
てくると、二輪は面白くて
やめられないよ。


 

 

 
 

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