グランプリ女優

『最後に笑う男』で颯爽と登場した京マチ子は

次々と出演していきます。

花くらべ狸御殿・監督木村恵吾

痴人の愛・監督木村恵吾

羅生門（ヴェネツィア国際映画祭グランプリ受賞）・監督黒澤明

源氏物語・監督吉村公三郎 （光源氏=長谷川一夫）

自由学校・監督吉村公三郎

この作品は，松竹大船と競作になります。

しかも封切日が同じ週でした。

二本とも，興行成績は良かったようでした。

どうして，競作になったのか経緯は知りません。

松竹では渋谷実監督で、

京マチ子の役を淡島千景がやりました。




大仏開眼・監督衣笠貞之助（国人=長谷川一夫）

撮影所内のオープンセットとして、

大仏が長い間組み上げられていました。

黒澤明の『羅生門』のときのオープンセットも立派でしたが，

「羅生門」のセットは，半分壊れかけた門でした。

「大仏開眼（だいぶつかいげん）」の場合は，

東大寺盧舎那仏像（とうだいじ・るしゃなぶつぞう）が、

「奈良の大仏」が建立するまでの話でしたから，

オープン・セットも大きくて立派でした。

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撮影所を訪れる観光客がオープン・セットの大仏の前で

「なんとありがたいことだ…」

と拝んで賽銭をあげるものですから、撮影所は困ってしまいました。

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地獄門　カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作品。

初のカラー映画・監督衣笠貞之助

（盛遠=長谷川一夫）

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偽れる盛装・監督吉村公三郎 京都祇園を

舞台にした現代劇です。

京マチ子はドライな芸者=君蝶を演じます。

京阪電車が鴨川の堤を走っている時代の話です。

四条大橋の近くに団栗橋（どんぐり）があります。

団栗橋の踏切に京阪電車の通過で遮断機が下りてきます。

君蝶は足袋裸足で走ってきますが、

遮断機が下りてくるので渡れません。

君蝶の前を電車が通過します。

そこへうらみのある山下（菅井一郎）が追いかけてきます。

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今の京阪電車は七条から地下に入っていますから，

この団栗橋は普通の橋になってしまいあの名場面は

幻になってしまいました。

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京マチ子は次々と大作に出演して外国映画祭で受賞します

「グランプリ女優」といわれる所以です。