荻窪鮫

元ハングマン。下町で隠遁暮らしのオジサンが躁鬱病になりました。
それでも、望みはミニマリストになる事です。

龍三と七人の子分たちの巻。

2015年05月19日 | 偽りの人生に優れたエンターテイメントを




ニッポン映画、世界のキタノの【龍三と七人の子分たち】を観て来ました。

『ジジイが最高!!』なんてキャッチコピーのせいか、場内はジジイ・ババアばっかり。

もっとも、平日の真っ昼間に映画館に来てるのはフツー、ジジイ・ババアしかいないんでしょうけど。



前作【アウトレイジ ビヨンド】が面白くなかったので、今作はどんなもんかいな、といった感じでの観劇であります。

過去の記事。
アウトレイジの巻。

いや、面白かった。

今までの北野武監督によるコメディ作品は、独りよがりで『?』と感じざるを得ないものばかり。はっきり申し上げて全然面白くない作品もありました。

それらに比べると、かなりまともなコメディ映画であります。

主演は、北野組には初参加の藤竜也。

ちょうど【70年代が生んだアクションの寵児 沖雅也と「大追跡」】という本で、藤竜也のインタビューを読んでいたトコでした。

過去の記事。
沖雅也の巻。

その昔は“カッコ良いオジサン”なんてぇと、かならず藤竜也の名前が挙がっていたものです。

スクリーンでの藤竜也は確かに老けておりましたが、それでもカッコ良いっす。背筋もピンとしてますし。

共演の近藤正臣もしかり。

僕の父親なんか、このふたりと大して歳が違わないのにショボくれてますからね。

役者さんて凄ぇなぁ。

まぁ、品川徹はどっからどう見てもジジイですが。



コメディとは言え、いちおうはヤクザ映画である今作。

もちろん暴力シーンもありますが、かなりソフィスティケートされています。

そのためR指定がつかなかったとか。

キタノ映画の新しい側面を観た様な気がします。



今作にもビートたけしは出演しますが、完全に脇役。

時代錯誤ゆえ、暴走気味の主人公のジジイたちを慮る刑事役を、味わい深く演じておりました。

それにしても、自身が監督・出演する作品でここまで脇に回った役は初めてでしょう。



ビートたけしも68歳、刑事役を演じるってのもキツくなって来ましたね。



【裏刑事-URADEKA-】以来の顔合わせでしょう。藤竜也&近藤正臣。

過去の記事。
ベイシティ刑事の巻。

『老人が暴威を振るうのは、彼に実力があるからではなく、我々がそれに忍従するためにほかならない』ウィリアム・シェイクスピア(英国の劇作家・1564~1616)



<追記>なんと【裏刑事-URADEKA-】でレイプ犯を演じていたトヨエツ。若くて気持ち悪いっす。



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