

ニッポン映画、世界のキタノの【龍三と七人の子分たち】を観て来ました。
『ジジイが最高!!』なんてキャッチコピーのせいか、場内はジジイ・ババアばっかり。
もっとも、平日の真っ昼間に映画館に来てるのはフツー、ジジイ・ババアしかいないんでしょうけど。
前作【アウトレイジ ビヨンド】が面白くなかったので、今作はどんなもんかいな、といった感じでの観劇であります。

アウトレイジの巻。
いや、面白かった。
今までの北野武監督によるコメディ作品は、独りよがりで『?』と感じざるを得ないものばかり。はっきり申し上げて全然面白くない作品もありました。
それらに比べると、かなりまともなコメディ映画であります。
主演は、北野組には初参加の藤竜也。
ちょうど【70年代が生んだアクションの寵児 沖雅也と「大追跡」】という本で、藤竜也のインタビューを読んでいたトコでした。

沖雅也の巻。
その昔は“カッコ良いオジサン”なんてぇと、かならず藤竜也の名前が挙がっていたものです。
スクリーンでの藤竜也は確かに老けておりましたが、それでもカッコ良いっす。背筋もピンとしてますし。
共演の近藤正臣もしかり。
僕の父親なんか、このふたりと大して歳が違わないのにショボくれてますからね。
役者さんて凄ぇなぁ。
まぁ、品川徹はどっからどう見てもジジイですが。
コメディとは言え、いちおうはヤクザ映画である今作。
もちろん暴力シーンもありますが、かなりソフィスティケートされています。
そのためR指定がつかなかったとか。
キタノ映画の新しい側面を観た様な気がします。
今作にもビートたけしは出演しますが、完全に脇役。
時代錯誤ゆえ、暴走気味の主人公のジジイたちを慮る刑事役を、味わい深く演じておりました。
それにしても、自身が監督・出演する作品でここまで脇に回った役は初めてでしょう。

ビートたけしも68歳、刑事役を演じるってのもキツくなって来ましたね。

【裏刑事-URADEKA-】以来の顔合わせでしょう。藤竜也&近藤正臣。

ベイシティ刑事の巻。
『老人が暴威を振るうのは、彼に実力があるからではなく、我々がそれに忍従するためにほかならない』ウィリアム・シェイクスピア(英国の劇作家・1564~1616)
<追記>なんと【裏刑事-URADEKA-】でレイプ犯を演じていたトヨエツ。若くて気持ち悪いっす。
